慢性アルコール中毒に対する抗酒療法
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1重篤な心障害のある患者[原疾患が悪化するおそれがある。]
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2.2重篤な肝・腎機能障害のある患者
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2.3重篤な呼吸器疾患のある患者[原疾患が悪化するおそれがある。]
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2.4アルコールを含む医薬品(エリキシル剤、薬用酒等)・食品(奈良漬等)・化粧品(アフターシェーブローション等)を使用又は摂取中の患者
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2.5妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
ジスルフィラムとして、通常、1日0.1~0.5gを1~3回に分割経口投与する。 本剤を1週間投与した後に通常実施する飲酒試験の場合には、患者の平常の飲酒量の1/10以下の酒量を飲ませる。 飲酒試験の結果発現する症状の程度により本剤の用量を調整し、維持量を決める。 維持量としては、通常0.1~0.2gで、毎日続けるか、あるいは1週ごとに1週間の休薬期間を設ける。
使用上の注意
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8.1本剤による治療に先立ち、本剤服用中に飲酒した場合の反応を説明して、患者及びその家族等の了解を得ること。また、飲酒試験が終了するまでは、入院させることが望ましい。
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8.2投与前に、アルコールの体内残留の有無を確かめること。
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8.3本剤服用中は、医師の指示によらないアルコール摂取を禁じること。
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8.4本剤服用中は、アルコールを含む食品(奈良漬等)の摂取や、アルコールを含む化粧品(アフターシェーブローション等)の使用を避けさせるよう十分に指導すること。
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8.5飲酒試験時に、急激なジスルフィラム-アルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、胸部圧迫感、心悸亢進、呼吸困難、失神、頭痛、悪心・嘔吐、めまい、幻覚、錯乱、痙攣等)があらわれることがあるので、本剤の投与量、飲酒量等の個人差及び飲酒速度を考慮し、慎重に飲酒試験を行うこと。 なお、症状が激しい場合には、酸素吸入、昇圧剤、輸液の投与等適切な処置を行うこと。
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8.6本剤の投与開始後1週間は飲酒試験を行わないこと。
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8.7本剤投与中は、肝機能検査を定期的に行うこと。
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8.8眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を誘発することがある。
- 9.1.2脳器質障害のある患者
脳障害が悪化するおそれがある。
- 9.1.3糖尿病の患者
動物実験でジスルフィラム-アルコール反応により血糖降下作用がみられる。
- 9.1.4甲状腺機能低下症の患者
動物実験で甲状腺機能低下作用が報告されている。
- 9.1.5本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。原疾患が悪化するおそれがある。
- 9.2.2腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
腎排泄の抑制により副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。原疾患が悪化するおそれがある。
- 9.3.2肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
肝機能障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中のジスルフィラム投与については、海外で7例の報告がある。胎児8例(うち1例双子)中4例に先天性奇形、5例に自然流産が報告されている1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| アルコールを含む医薬品 • エリキシル剤 薬用酒等 |
急性アルコール中毒症状(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下)があらわれる。 | ジスルフィラム-アルコール反応を起こすおそれがある。 |
| アルコールを含む食品 • 奈良漬等 |
急性アルコール中毒症状(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下)があらわれる。 | ジスルフィラム-アルコール反応を起こすおそれがある。 |
| アルコールを含む化粧品 • アフターシェーブローション等 |
急性アルコール中毒症状(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下)があらわれる。 | ジスルフィラム-アルコール反応を起こすおそれがある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| テオフィリン | これらの医薬品の作用を増強することがある。 | 本剤はテオフィリンの肝における代謝を抑制し、血中テオフィリン濃度を上昇させる。 |
| フェニトイン エトトイン |
これらの医薬品の作用を増強することがある。 | 本剤はフェニトインの肝における代謝を抑制し、血中フェニトイン濃度を上昇させる。 |
| バルビツール酸系化合物 | これらの医薬品の作用を増強することがある。 | 本剤は肝におけるバルビツール酸系化合物の代謝を抑制する可能性がある。 |
| 抗凝血剤 • ワルファリン等 |
これらの医薬品の作用を増強することがある。 | ワルファリンの肝における代謝を阻害することが考えられている。 |
| ジギタリス製剤(散・錠) • ジゴキシン等 |
これらの医薬品の作用を増強することがある。 | ジスルフィラム-アルコール反応時に過呼吸により血中カリウム値が低下することによる。 |
| イソニアジド メトロニダゾール |
精神症状があらわれることがある。 | 機序は不明であるが、酵素抑制の結果と思われる。 |
| リトナビル | 急性アルコール中毒症状(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下)があらわれる。 | リトナビルはエタノールを含有するので、ジスルフィラム-アルコール反応を起こすおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| せん妄(アルコールの禁断による場合もある)頭痛 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 幻覚 | 頻度不明 |
| 情動不安定 | 頻度不明 |
| 手根管症候群多発性神経炎 | 頻度不明 |
| 抑うつ | 頻度不明 |
| 末梢神経炎(長期投与の場合) | 頻度不明 |
| 熱感 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 睡眠障害 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部緊張感 | 頻度不明 |
| 視神経炎(長期投与の場合) | 頻度不明 |
| 錯乱 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 陰萎 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
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18.1.1肝臓中のアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害することにより、飲酒時の血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる3)。
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18.1.2アルコール摂取後5~10分で顔面潮紅、熱感、頭痛、悪心・嘔吐などの急性症状を発現させる3)。
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18.1.3アルコールに対する感受性はジスルフィラム服用後少なくとも14日間は持続する3)。
薬物動態
16.2 吸収
- 16.2.1吸収部位
本剤は経口投与量の80%以上が消化管から速やかに吸収される2)(外国人のデータ)。
16.4 代謝
- 16.4.1代謝経路
本剤は、血液中でグルタチオンレダクターゼによって速やかに還元されジエチルジチオカルバミン酸となる。その後ジエチルジチオメチルカルバメートを経て、いずれも活性体のジエチルチオメチルカルバメート及びその酸化体(スルホキシド体、スルホン体)となる。その他の代謝物として、ジエチルアミン、二硫化炭素、カルボニルスルフィド等がみられる2)(外国人のデータ)。
16.5 排泄
主にグルクロン酸抱合体として65%が尿中に排泄される。