2型糖尿病
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
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2.2重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
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2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアログリプチンとして25mgを1日1回経口投与する。
使用上の注意
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8.1低血糖を起こすおそれがあるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明し、注意を喚起すること。
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8.2急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。
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8.3本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、本剤を2〜3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
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8.4低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。
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8.5本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1心不全(NYHA分類Ⅲ~Ⅳ)のある患者
使用経験がなく安全性が確立していない。
- 9.1.2低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
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脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
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栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
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激しい筋肉運動
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過度のアルコール摂取者
- 9.1.3腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者**
腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1中等度以上の腎機能障害のある患者
投与量を適宜減量すること。排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
腎機能に注意し、腎機能障害の程度に応じて適切な用量調整を行うこと。一般に腎機能が低下していることが多い。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 糖尿病用薬 • スルホニルウレア剤 速効型インスリン分泌促進薬 α-グルコシダーゼ阻害剤 ビグアナイド系薬剤 チアゾリジン系薬剤 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害剤 インスリン製剤 |
低血糖を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、これらの薬剤の減量を検討すること。 | 併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。 |
| チアゾリジン系薬剤 • ピオグリタゾン塩酸塩 |
浮腫を発現するおそれがあるので観察を十分に行い、浮腫が認められた場合には、患者の状態に応じてチアゾリジン系薬剤を減量あるいは中止し、ループ利尿剤(フロセミド等)を投与するなど適切な処置を行うこと。 | 併用により循環血漿量が増加するおそれがある。 |
| 糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤 • β-遮断薬 サリチル酸製剤 モノアミン酸化酵素阻害薬 フィブラート系の高脂血症治療薬 ワルファリン 等 |
血糖が低下するおそれがある。 | 併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。 |
| 糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤 • アドレナリン 副腎皮質ホルモン 甲状腺ホルモン 等 |
血糖が上昇するおそれがある。 | 併用により血糖降下作用が減弱するおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| じん麻疹 | 1〜5%未満 |
| そう痒 | 1〜5%未満 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 動悸 | 1〜5%未満 |
| 四肢のしびれ | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 筋肉痛 | 1〜5%未満 |
| 胃腸炎 | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 腹部膨満 | 1〜5%未満 |
| 貧血 | 1〜5%未満 |
| 関節痛 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 鼓腸 | 1〜5%未満 |
| 鼻咽頭炎 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アログリプチンは食事の経口摂取刺激により腸管から血中に分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を不活性化するジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)活性を阻害することにより、GLP-1の血中濃度を上昇させ、糖濃度依存的に膵臓からのインスリン分泌を促進させる36),37)。
18.2 DPP-4に対する阻害作用
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18.2.1ヒト血漿中DPP-4活性を選択的に阻害した(IC50値:10nmol/L)(in vitro)38)。
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18.2.2健康成人にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、投与24時間後のDPP-4阻害率は81%であった1)。
18.3 活性型GLP-1濃度増加作用
食事療法、運動療法を実施するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にアログリプチンとして25mgを12週間経口投与(1日1回朝食前)したプラセボ対照二重盲検比較試験(用量設定試験)において、プラセボ投与群と比べて、活性型GLP-1濃度の有意な増加が認められた2)。
18.4 食後血糖改善作用及び耐糖能改善作用
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18.4.1食事療法、運動療法を実施するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にアログリプチンとして25mgを12週間投与(1日1回朝食前)したプラセボ対照二重盲検比較試験(用量設定試験)において、プラセボ投与群と比べて、食後血糖の改善が認められた2)。
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18.4.2一晩絶食した非肥満2型糖尿病モデル(N-STZ-1.5ラット)及び肥満2型糖尿病モデル(Wistar fattyラット)にアログリプチンを単回投与し、投与1時間後にグルコースを経口投与した糖負荷試験において、耐糖能改善作用が認められた39)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりである1)。
血漿中濃度の推移
| 投与量 | Cmax (ng/mL) |
Tmax (h) |
AUC0-inf (ng・h/mL) |
T1/2 (h) |
|---|---|---|---|---|
| 25mg | 193.3±32.5 | 1.1±0.3 | 1,604.6±178.0 | 17.1±2.0 |
(平均値±標準偏差、n=8)
- 16.1.2反復投与
2型糖尿病患者(80例)にアログリプチンとして25mgを1日1回12週間経口投与した時の血漿中トラフ濃度は25.0±10.2ng/mL(平均値±標準偏差)であった2)。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人(24例)にアログリプチンとして25mgを食後投与した時のCmax、AUCは、絶食下投与した時と比較して、それぞれ7.1%増加し、2.9%減少した3)。
16.3 分布
[14C]アログリプチンを0.01〜10μg/mLの濃度でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は、28.2〜38.4%であった(in vitro)4)。
16.4 代謝
アログリプチンはCYP2D6によりN-脱メチル化体の活性代謝物M-Iに、また、N-アセチル化により非活性代謝物M-IIに代謝されるが、M-I及びM-IIのAUCはそれぞれ血漿中アログリプチンの1%未満及び6%未満であり、いずれも微量代謝物であった5)。 また、アログリプチンはCYP3A4/5に対して弱い阻害作用と弱い誘導作用を示したが、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6を阻害せず、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19を誘導しなかった(in vitro)6)。
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄
健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを1日1回7日間反復経口投与した時、投与216時間後までのアログリプチンの累積尿中排泄率は72.8%であった7)。また、健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時の腎クリアランスは10.7L/h(178mL/min)であり、アログリプチンの尿中排泄には、能動的な尿細管分泌の関与が示唆される1),8)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
腎機能の程度が異なる成人にアログリプチンとして50mgを単回経口投与した時注1)のAUCは、年齢と性別を対応させた健康成人と比較して、中等度腎機能障害者(Ccr=30〜50mL/min、6例)では2.1倍、高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min、6例)では3.2倍、末期腎不全罹患者(6例)では3.8倍増加した。また、アログリプチンは血液透析3時間後に投与量の7.2%が除去された9)(外国人データ)。 注1)本剤の国内承認用量は25mgである。
- 16.6.2肝機能障害患者
中等度肝機能障害者(Child-Pugh注2)スコアが7〜9、8例)及び健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、中等度肝機能障害者のCmax、AUCは、健康成人と比較してそれぞれ7.7%、10.1%の減少であり、軽度から中等度肝機能障害者では用量調節の必要はないと考えられる10)(外国人データ)。 注2)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類
- 16.6.3高齢者
健康な高齢者(65歳以上85歳以下、8例)及び非高齢者(20歳以上35歳以下、8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、高齢者のCmax、AUCは、非高齢者と比較してそれぞれ47.7%、30.3%の増加であり、高齢者において用量調節の必要はないと考えられる11)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1ボグリボース
健康成人(10例)にボグリボース0.2mgを1日3回8日間反復経口投与及びアログリプチンとして25mgを単回併用経口投与(ボグリボース投与6日目)した時、アログリプチンのCmax、AUCは、単独経口投与時に比較してそれぞれ10.3%、21.6%の減少であり、用量調節の必要はないと考えられる12)。
- 16.7.2ピオグリタゾン
健康成人(30例)にピオグリタゾン(CYP2C8基質)として45mg及びアログリプチンとして25mgを1日1回12日間反復経口投与した時(3×3クロスオーバー試験)、ピオグリタゾン及びアログリプチンのCmax、AUCに併用投与による影響はみられなかった13)(外国人データ)。
- 16.7.3グリベンクラミド
健康成人(24例)にグリベンクラミド(CYP2C9基質)5mgを単回経口投与後、アログリプチンとして25mgを1日1回8日間反復経口投与及びグリベンクラミド5mgを単回併用投与(アログリプチン投与8日目)した時、グリベンクラミドのCmaxは単独投与時に比較して15.4%増加した14)(外国人データ)。
- 16.7.4メトホルミン
健康成人(17例)にメトホルミン塩酸塩(腎排泄)1,000mgを1日2回及びアログリプチンとして100mgを1日1回6日間反復投与した時注1)(3×3クロスオーバー試験)、アログリプチンのCmax、AUCに影響はみられなかった。一方、メトホルミンのCmaxに影響はみられず、AUCは単独投与時に比較して18.9%増加した15)(外国人データ)。 注1)本剤の国内承認用量は25mgである。
- 16.7.5その他の薬剤
ゲムフィブロジル(CYP2C8、CYP2C9阻害剤)、フルコナゾール(CYP2C9阻害剤)、ケトコナゾール(CYP3A4阻害剤)、シクロスポリン(P-糖蛋白阻害剤)、カフェイン(CYP1A2基質)、ワルファリン(CYP1A2基質、CYP2C9基質、CYP3A4基質)、トルブタミド(CYP2C9基質)、デキストロメトルファン(CYP2D6基質)、ミダゾラム(CYP3A4基質)、アトルバスタチン(CYP3A4基質)、エチニルエストラジオール(CYP3A4基質)、ノルエチンドロン(CYP3A4基質)、フェキソフェナジン(P-糖蛋白基質)、ジゴキシン(P-糖蛋白基質、腎排泄)又はシメチジン(腎排泄)との薬物間相互作用を検討したが、いずれも併用投与の影響はみられなかった15),16),17),18),19),20),21),22)(外国人データ)。