Clinical snapshot

ネイリンカプセル100mg

ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物カプセル

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

皮膚糸状菌(トリコフィトン属)

  • 〈適応症〉

爪白癬

用法・用量

通常、成人には1日1回1カプセル(ラブコナゾールとして100mg)を12週間経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与により肝機能障害があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  2. 8.2本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。

  3. 8.3本剤投与終了後は、爪の伸長期間を考慮して経過観察を行うこと。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を悪化させるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後3カ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(ラット又はウサギ)で、臨床曝露量(ラブコナゾールとして)を下回る曝露量から胚・胎児に骨格形成への影響(骨格変異、骨化遅延、骨化不全等)1),2) 、出生児に水晶体混濁、外表異常(短尾、鎖肛等)及び生存率の低下が3) 、ラットにおいて臨床曝露量を上回る曝露量で奇形(口蓋裂、小眼球症等)が認められている1) 。また、ラットにおいて胎盤通過が報告されている4) 。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている4) 。また、動物実験(ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)で、哺乳期間において出生児の体重増加抑制が認められている3) 。

9.7 小児等

小児等に対する臨床試験は実施していない。

相互作用

  • ラブコナゾールはCYP3Aを中程度阻害する。,

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• CYP3Aにより主に代謝される薬剤• シンバスタチン
• ミダゾラム
• アゼルニジピン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。 ラブコナゾールのCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ワルファリン ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇があらわれることがある。 アゾール系抗真菌剤でINR上昇が報告されている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
CK増加 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
そう痒 頻度不明
びらん性胃炎 1%未満
ヘモグロビン減少 1%未満
めまい 頻度不明
上腹部痛 1%未満
下痢 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
円形脱毛症 1%未満
口渇 頻度不明
口角口唇炎 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
消化不良 1%未満
湿疹 頻度不明
痒疹 1%未満
発疹 頻度不明
白血球数増加 1%未満
白血球数減少 1%未満
皮脂欠乏性湿疹 1%未満
紅斑 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満 1%未満
膀胱炎 1%未満
血中Al-P増加 頻度不明
血中LDH増加 頻度不明
血中クレアチニン増加 1%未満
赤血球数減少 1%未満
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
高尿酸血症 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、ラブコナゾールのプロドラッグ(ホスホノキシメチル化合物:ホスラブコナゾール)であり、動物及びヒトに投与すると速やかにラブコナゾールに代謝される。ラブコナゾールは、真菌細胞の膜成分であるエルゴステロール生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す23) 。

18.2 抗真菌作用

  1. 18.2.1抗真菌活性

本剤の活性本体であるラブコナゾールは、爪白癬の主要原因菌であるTrichophyton rubrum及びTrichophyton mentagrophytesの新鮮臨床分離株に対し、強い抗真菌活性を示した24) (in vitro試験)。

菌種(株数) MIC(μg/mL)
範囲 MIC50 MIC90
T. rubrum(51) ≤0.03-0.12 ≤0.03 0.06
T. mentagrophytes(20) ≤0.03-0.06 ≤0.03 0.06
  1. 18.2.2モルモット皮膚糸状菌症モデルに対する作用

モルモットTrichophyton mentagrophytes皮膚糸状菌症モデルにおいて、ラブコナゾールの経口投与により、感染局所の臨床症状の改善及び用量依存的な感染局所体毛の菌陰性化率の増加が認められた25) (in vivo試験)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性(各用量6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして100mg~600mg注1) )を空腹時単回経口投与したとき、ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は血漿中にはほとんど検出されず、活性本体であるラブコナゾールが検出された。ラブコナゾールのTmaxは2.50~3.33時間、t1/2は71~101時間であった。なお、100mg~600mg注1) の投与量の範囲でCmax及びAUC0-tに用量比例性が認められた7) 。

用量
(ラブコナゾール換算量)
統計量 Cmax
(μg/mL)
Tmax
(h)
AUC0-t
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
100mg 平均値
標準偏差
2.17
0.43
2.50
1.22
109
21
71.17
35.02
200mg 平均値
標準偏差
4.38
0.40
2.50
0.84
268
105
94.44
32.64
400mg 平均値
標準偏差
7.49
1.29
3.33
1.51
542
141
80.18
15.41
600mg 平均値
標準偏差
10.88
1.29
2.67
0.52
946
216
100.87
55.14
  1. 16.1.2反復投与

爪白癬患者(29例)に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を1日1回12週間反復経口投与後の血漿中ラブコナゾール濃度は投与終了時の第12週で10.84μg/mLに達した5) 。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男性(20例)への本剤(ラブコナゾールとして100mg)の空腹時単回経口投与に対する食後投与時のCmax及びAUC0-tの比[90%信頼区間]は0.601[0.509, 0.709]及び0.977[0.895, 1.066]であり、食後投与のCmaxは空腹時投与と比較して約40%低下したが、AUC0-tは同等であった8) 。

  1. 16.2.2生物学的利用率

外国人健康成人男性におけるホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして200mg注1) または400mg注1) )を空腹時単回経口投与後のラブコナゾールの生物学的利用率(幾何平均の比)は106%(解析対象例数はAUC0-∞が算出可能であった計9例)であった9) (外国人データ)。

  1. 16.2.3爪中濃度

爪白癬患者(29例)に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を1日1回12週間反復経口投与後の趾爪中ラブコナゾール濃度は100.70ng/gに達し、本剤投与終了後も上昇が認められた。本剤投与開始後20週で趾爪中ラブコナゾール濃度は最高値(120.16ng/g)を示した5) 。

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

ラブコナゾールのヒト血漿蛋白結合率は98.5%~99.0%であった10) (in vitro試験)。

  1. 16.3.2血球移行性

ラブコナゾールのヒト血液/血漿中濃度比(RB)は0.529~0.532であった11) (in vitro試験)。

16.4 代謝

ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は経口投与後、体内で速やかにラブコナゾールに代謝される7) 。その代謝には、アルカリホスファターゼが関与している12) (in vitro試験)。 ヒト凍結肝細胞を用いた試験では、ラブコナゾールの水酸化体のグルクロン酸抱合体やラブコナゾールのグルクロン酸抱合体の生成が認められた13) (in vitro試験)。

16.5 排泄

健康成人男性(6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして100mg)を単回経口投与したとき、ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物の尿中濃度は、いずれの測定時点においても、定量下限(25ng/mL)未満であった。この時の投与後840時間までのラブコナゾールの平均尿中累積排泄率は0.0621%であった7) 。 また、健康成人男性(各用量6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして200mg/日、又は400mg/日)を7日間反復経口投与注1) したとき、最終投与後192時間までのラブコナゾールの平均尿中累積排泄率は、いずれの投与量においても、0.033%であった14) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類Grade A)6例及び対応する健康成人6例、また中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類Grade B)4例及び対応する健康成人4例に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を空腹時単回経口投与した。軽度肝機能障害者、中等度肝機能障害者及び健康成人ともにいずれの時点においてもホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物の血漿中濃度は定量下限(25ng/mL)未満であった。血漿中ラブコナゾール濃度のAUC0-∞の健康成人に対する軽度肝機能障害者及び中等度肝機能障害者の幾何平均の比[90%信頼区間]はそれぞれ0.942[0.633, 1.400]及び1.984[1.234, 3.190]であった15) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1in vitro試験

ラブコナゾールは、CYP1A2、2B6及び2D6は阻害しなかったが、CYP2C8、2C9、2C19、3A(基質:テストステロン)及び3A(基質:ミダゾラム)を阻害し、IC50は、それぞれ2.69、1.51、7.49、2.28及び1.07μmol/Lであった16) 。 ラブコナゾールは、CYP1A2、2B6及び3A4のmRNAレベルをコントロールに対して平均で0.5μmol/Lでは1.37~1.49倍、2μmol/Lでは2.71~3.49倍上昇させた17) 。 ラブコナゾールはOATP1B1、OATP1B3、P-gp及びBCRPの基質ではなかった18) 。 ラブコナゾールは、OCT2、P-gp及びBCRPに対して阻害作用を示し、IC50は、それぞれ2.80、7.12及び1.14μmol/Lであった。OAT1、OAT3、OATP1B1、OATP1B3、MATE1、MATE2-K及びBSEPに対する阻害作用は認められなかった19) 。

  1. 16.7.2臨床試験

健康成人に本薬と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は以下のとおりであった20),21) 。

薬剤a) 用法・用量 例数 併用薬の薬物動態パラメータの比
併用時/単独投与時
[90%信頼区間]
併用薬 投与薬剤注1) Cmax AUC
トルブタミド 500mg単回 負荷投与:400mg BID
3日間、
維持投与:200mg QD
6日間b)
28 1.004
[0.966, 1.043]
0.879e)
[0.840, 0.921]
オメプラゾール 40mg単回 28 0.780
[0.698, 0.872]
0.745e)
[0.685, 0.810]
デキストロメトルファン 60mg単回 28 0.763
[0.670, 0.869]
0.719e)
[0.658, 0.786]
カフェイン 200mg単回 28 0.946
[0.899, 0.997]
0.920e)
[0.861, 0.982]
ミダゾラム 2mg単回
(経口)
28 2.384
[2.152, 2.641]
3.010e)
[2.667, 3.398]
2mg単回
(静脈内)
28 1.201
[1.094, 1.318]
1.405e)
[1.292, 1.529]
シンバスタチン 40mg単回 400mg QD
1日間c)
20 1.79
[1.52, 2.12]
2.06e)
[1.70, 2.50]
400mg QD
14日間c)
20 4.34
[3.68, 5.13]
3.98e)
[3.28, 4.84]
レパグリニド 0.25mg単回 400mg QD
7日間d)
12 1.065
[0.878, 1.292]
1.012f)
[0.903, 1.134]
ジゴキシン 0.25mg単回 12 1.132
[0.827, 1.551]
1.179f)
[1.074, 1.293]
ロスバスタチン 5mg単回 12 1.138
[1.000, 1.296]
1.139f)
[1.016, 1.277]

QD:1日1回、BID:1日2回 a)トルブタミド、オメプラゾール、デキストロメトルファン、カフェイン及びミダゾラム(経口)はカクテルとして同時投与、ジゴキシン及びロスバスタチンはカクテルとして同時投与 b)ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールに換算した1回投与量)を投与(外国人データ) c)ラブコナゾールを投与(外国人データ) d)本剤(ラブコナゾールに換算した1回投与量)を投与 e)AUC0-∞ f)AUC0-t

注1)本剤の承認された用量は、ラブコナゾールとして100mgを1日1回である。