Clinical snapshot

ニプラジロール点眼液0.25%「わかもと」

ニプラジロール

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2気管支喘息、気管支痙攣又はそれらの既往歴のある患者、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。]

  3. 2.3コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者[これらの症状を増悪させるおそれがある。]

効能・効果

緑内障、高眼圧症

用法・用量

通常、1回1滴、1日2回点眼する。

使用上の注意

  1. 8.1全身的に吸収される可能性があり、β遮断薬全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1肺高血圧による右心不全のある患者

肺高血圧症による右心不全の症状を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.2うっ血性心不全のある患者

うっ血性心不全の症状を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.3糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者

アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.4コントロール不十分な糖尿病のある患者

血糖値に注意すること。低血糖症状をマスクすることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で高用量の経口投与により胎児の死亡率増加及び発育抑制、死亡児数の増加、新生児生存率の低下が報告されている。

9.6 授乳婦

本剤投与中は授乳を避けさせること。動物実験において、経口投与で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カテコラミン枯渇剤
• レセルピン等
交感神経系に対し過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。 カテコラミンの枯渇を起こす薬剤は、β遮断作用を相加的に増強する可能性がある。
β遮断薬(全身投与)
• プロプラノロール塩酸塩
アテノロール
メトプロロール酒石酸塩
眼圧下降あるいはβ遮断薬の全身的な作用が増強されることがある。 作用が相加的にあらわれることがある。
カルシウム拮抗薬
• ジルチアゼム塩酸塩
ベラパミル塩酸塩
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。 相互に作用が増強されることがある。
アドレナリン 類薬(チモロールマレイン酸塩点眼液)において散瞳作用が助長されたとの報告がある。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT 頻度不明
CKの上昇 頻度不明
LDHの上昇 頻度不明
かぶれ 頻度不明
かゆみ 頻度不明
充血 頻度不明
動悸 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
流涙 頻度不明
灼熱感) 頻度不明
異物感 頻度不明
疼痛感 頻度不明
発疹 頻度不明
眼乾燥感 頻度不明
眼刺激症状(しみる感じ 頻度不明
眼底黄斑部の浮腫・混濁注2) 頻度不明
眼瞼が重い 頻度不明
眼瞼浮腫 頻度不明
眼瞼炎 頻度不明
眼瞼発赤 頻度不明
結膜充血 頻度不明
結膜浮腫 頻度不明
結膜濾胞 頻度不明
結膜炎 頻度不明
胸痛 頻度不明
虹彩炎 頻度不明
表層角膜炎 頻度不明
角膜びらん 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  • ニプラジロールの眼圧下降作用はβ受容体遮断作用による房水産生抑制、及びα1受容体遮断作用による房水流出促進によることが示唆されている。
  1. 18.1.1ウサギに0.25%ニプラジロール点眼液を点眼した結果、房水流量の有意な減少、房水流出率の有意な増加及びぶどう膜強膜流量の有意な増加を示した11)。

  2. 18.1.2健康成人男性12例に0.25%ニプラジロール点眼液を点眼した結果、房水流量の有意な減少を示し、ぶどう膜強膜流量の増加も推定された12)。

18.2 β受容体遮断作用

ニプラジロールのβ受容体遮断作用は非選択的で内因性交感神経刺激作用を有さない13)(モルモット in vitro)。 ウサギにニプラジロールを点眼した結果、眼局所におけるβ受容体遮断作用はチモロールマレイン酸塩の約1/2であった14)。

18.3 α1受容体遮断作用

ニプラジロールはα1受容体に対して選択的な遮断作用を示す13),15)(イヌ in vitro、モルモット in vitro)。

18.4 眼圧下降作用

  1. 18.4.1正常眼圧ウサギにニプラジロールを点眼した結果、用量依存的な眼圧下降を示し、0.25%点眼の効果は、0.5%チモロールマレイン酸塩を点眼した場合より大きかった14)。

  2. 18.4.2健康成人男性に0.25%ニプラジロール点眼液を単回(12例)又は反復(6例)点眼した結果、0.5%チモロールマレイン酸塩を点眼した場合と同等の眼圧下降作用を示した16)。

18.5 眼血流量増加作用

ネコに0.25%ニプラジロール点眼液を点眼した結果、眼血流量及び網膜血流量の増加が認められた17)。ウサギにおいても視神経乳頭部血流量の増加が認められた18)。

18.6 生物学的同等性試験

  • 健康成人男子に本剤とハイパジールコーワ点眼液0.25%をクロスオーバー法により1回1滴両眼に点眼し、2群の眼圧を測定した。最低眼圧値及び眼圧値の時間曲線下面積(AUC)を同等性の指標とし、得られた値の平均値の差を90%信頼区間法にて解析を行った結果、平均値の差の80~120%の範囲内であることから、両剤の生物学的同等性が確認された19)。

  • 最低眼圧値
    (mmHg)
    AUC0-24hr
    (mmHg・hr)
    ニプラジロール点眼液0.25%「わかもと」 12.43±1.14 338.9±33.82
    ハイパジールコーワ点眼液0.25% 12.32±1.35 336.9±31.03

(平均値±標準偏差、n=12)

  • 最低眼圧値並びにAUC等のパラメータは、被験者の選択、測定回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回点眼

健康成人男性6例に0.25%ニプラジロール点眼液1滴を単回片眼点眼し血漿中ニプラジロール濃度を測定した結果、検出限界(0.15ng/mL)以下であった1)。

  1. 16.1.2反復点眼

健康成人男性12例に0.25%ニプラジロール点眼液を1回1滴、1日2回、7日間反復片眼点眼し血漿中ニプラジロール濃度を測定した結果、検出限界(0.1ng/mL)以下であった2)。

16.2 吸収

白色ウサギに1%14C-ニプラジロール点眼液を単回点眼した結果、角膜から速やかに吸収された3)。

16.3 分布

白色ウサギに1%14C-ニプラジロール点眼液を単回点眼した結果、点眼15分後より角膜、虹彩、前部強膜、毛様体、前房水等の前眼部に高度に分布した。有色ウサギでは、メラニン色素を含むぶどう膜への分布が認められたが、メラニン色素を含まない組織での分布は白色ウサギと同様であった4),5)。

16.5 排泄

健康成人男性12例に0.25%ニプラジロール点眼液を1回1滴、1日2回、7日間反復片眼点眼した結果、最終点眼36時間後までの尿中排泄率はニプラジロール遊離型3.8%、同抱合型1.6%、脱ニトロニプラジロール遊離型5.5%、同抱合型0.5%であった2)。