脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下の改善
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
頭蓋内出血後、止血が完成していないと考えられる患者[出血を助長するおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
ニセルゴリンとして、通常成人1日量15mgを3回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児及び出生児の発育抑制が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| そう痒 | 1%未満 |
| ほてり | 頻度不明 |
| めまい | 1%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口渇 | 1%未満 |
| 悪心 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 眠気 | 1%未満 |
| 立ちくらみ | 1%未満 |
| 耳鳴 | 1%未満 |
| 肝機能障害 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 食欲不振 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
脳血管を拡張し脳血流を増加させると共に、血小板凝集抑制作用、赤血球変形能改善作用及びPAF産生能抑制作用等により血液流動性を改善し脳循環を改善する。また、脳内アセチルコリン系及びドーパミン系の神経伝達機能を促進し、脳虚血時のグルコース、ATP及びピルビン酸等の各種脳エネルギー関連物質の代謝改善作用により脳代謝を改善する5),6),7),8),9),10),11)。
18.2 脳循環改善作用
-
18.2.1脳血管障害患者において、内頸及び椎骨動脈の血流量増加12),13)が、また、虚血病巣部での脳血流増加14)が認められている。
-
18.2.2ネコの内顎動脈血流量を用量依存的に増加させる15)。
18.3 血液流動性改善作用
健康成人5)及び脳血管障害患者10),16)において、ADP、コラーゲン等による血小板凝集抑制作用及び赤血球変形能亢進作用が認められている。
18.4 神経伝達系に対する作用
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18.4.1ラットにおいて、加齢により低下した脳内コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)活性及びムスカリン性アセチルコリン受容体の結合能を大脳皮質及び海馬において回復させる17)。
-
18.4.2ラットにおいて、加齢により低下した海馬のアセチルコリン遊離を回復させる18)。
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18.4.3アセチルコリンエステラーゼ(AChE)に選択的なコリンエステラーゼ阻害活性を有し、マウスにおいて、脳内AChE活性阻害と海馬アセチルコリン量の増加作用を示す6)。
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18.4.4ラットにおいて、連続経口投与によりドーパミンの代謝回転の促進作用が認められている7)。
18.5 脳エネルギー代謝改善作用
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18.5.1マウスの脳虚血モデル8)及び低酸素モデル19)において、脳エネルギー代謝障害に対し改善作用を示す。
-
18.5.2老齢ラットの脳梗塞モデル20)において、グルコースの取込み及び消費に対し改善作用を示す。
18.6 脳神経機能改善作用
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18.6.1マウスの脳虚血モデル8)及び低酸素モデル19)において、脳障害に対し保護作用を示す。
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18.6.2ラット海馬CA1領域神経細胞において、低閾値(T-type)カルシウムチャンネル遮断作用を示す21)。
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18.6.3スナネズミの一過性脳虚血モデルにおいて、海馬CA1領域神経細胞の遅発性壊死を抑制する22)。
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18.6.4老齢ラットの脳梗塞モデル20)及びマウスのスコポラミンによる健忘症モデル23)において、学習・記憶障害に対し改善作用を示す。
18.7 脳波改善作用
脳血管障害患者において、脳波異常の改善が認められている16)。
薬物動態
16.1 血中濃度
-
16.1.1健康成人にニセルゴリン15mg注)を経口投与した場合、吸収は速やかで、血漿中濃度は投与2~4時間後に最高に達した1)。
-
16.1.2生物学的同等性試験
ニセルゴリン錠5mg「NP」とサアミオン錠5mgのそれぞれ8錠(ニセルゴリンとして40mg)注)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中ニセルゴリン主代謝物MDL濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→24hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、両剤は生物学的に同等と判断された2)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0→24hr (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|
| ニセルゴリン錠5mg「NP」 | 377.22±85.16 | 38.0±8.0 | 3.31±1.01 | 9.70±4.52 |
| サアミオン錠5mg | 422.25±94.57 | 40.6±11.2 | 3.44±0.81 | 8.71±2.85 |
(Mean±S.D., n=16)
血漿中ニセルゴリン主代謝物MDL濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
- 16.3.1組織移行性
3H-ニセルゴリン(5mg/kg)をSD系雄ラットに経口投与した時、全身の放射能は投与後30~60分の時点で最高値を示し、肝臓、唾液腺、腎臓、肺及び心筋で高く、血液及び筋肉では中程度、脳では低かった3)。
- 16.3.2蛋白結合率
ヒト血漿蛋白への3H-ニセルゴリンの結合率は10~100ng/mLの濃度範囲で93~95%であった3)(in vitro、限外濾過法)。
16.5 排泄
健康成人にニセルゴリン錠5mg 8錠注)を経口投与したとき、大部分が代謝物として排泄され、24時間までの尿中排泄率は51%であった4)。
注)本剤の承認用法・用量は、通常成人1日量15mgを3回に分けて経口投与である。