Clinical snapshot

ニセルゴリン錠5mg「サワイ」

ニセルゴリン

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

頭蓋内出血後、止血が完成していないと考えられる患者[出血を助長するおそれがある。]

効能・効果

脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下の改善

用法・用量

ニセルゴリンとして、通常成人1日量15mgを3回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児及び出生児の発育抑制が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒 1%未満
ほてり 頻度不明
めまい 1%未満
下痢 1%未満
不眠 頻度不明
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
動悸 頻度不明
口渇 1%未満
悪心 1%未満
発疹 1%未満
眠気 1%未満
立ちくらみ 1%未満
耳鳴 1%未満
肝機能障害 頻度不明
腹痛 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
頭痛 1%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

脳血管を拡張し脳血流を増加させると共に、血小板凝集抑制作用、赤血球変形能改善作用及びPAF産生能抑制作用等により血液流動性を改善し脳循環を改善する。また、脳内アセチルコリン系及びドーパミン系の神経伝達機能を促進し、脳虚血時のグルコース、ATP及びピルビン酸等の各種脳エネルギー関連物質の代謝改善作用により脳代謝を改善する6),7),8),9),10),11),12)。

18.2 脳循環改善作用

  1. 18.2.1脳血管障害患者において、内頸及び椎骨動脈の血流量増加13),14)が、また、虚血病巣部での脳血流増加15)が認められている。

  2. 18.2.2ネコの内顎動脈血流量を用量依存的に増加させる16)。

18.3 血液流動性改善作用

健康成人6)及び脳血管障害患者11),17)において、ADP、コラーゲン等による血小板凝集抑制作用及び赤血球変形能亢進作用が認められている。

18.4 神経伝達系に対する作用

  1. 18.4.1ラットにおいて、加齢により低下した脳内コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)活性及びムスカリン性アセチルコリン受容体の結合能を大脳皮質及び海馬において回復させる18)。

  2. 18.4.2ラットにおいて、加齢により低下した海馬のアセチルコリン遊離を回復させる19)。

  3. 18.4.3アセチルコリンエステラーゼ(AChE)に選択的なコリンエステラーゼ阻害活性を有し、マウスにおいて、脳内AChE活性阻害と海馬アセチルコリン量の増加作用を示す7)。

  4. 18.4.4ラットにおいて、連続経口投与によりドーパミンの代謝回転の促進作用が認められている8)。

18.5 脳エネルギー代謝改善作用

  1. 18.5.1マウスの脳虚血モデル9)及び低酸素モデル20)において、脳エネルギー代謝障害に対し改善作用を示す。

  2. 18.5.2老齢ラットの脳梗塞モデル21)において、グルコースの取込み及び消費に対し改善作用を示す。

18.6 脳神経機能改善作用

  1. 18.6.1マウスの脳虚血モデル9)及び低酸素モデル20)において、脳障害に対し保護作用を示す。

  2. 18.6.2ラット海馬CA1領域神経細胞において、低閾値(T-type)カルシウムチャンネル遮断作用を示す22)。

  3. 18.6.3スナネズミの一過性脳虚血モデルにおいて、海馬CA1領域神経細胞の遅発性壊死を抑制する23)。

  4. 18.6.4老齢ラットの脳梗塞モデル21)及びマウスのスコポラミンによる健忘症モデル24)において、学習・記憶障害に対し改善作用を示す。

18.7 脳波改善作用

脳血管障害患者において、脳波異常の改善が認められている17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健康成人にニセルゴリン15mgを経口投与した場合、吸収は速やかで、血漿中濃度は投与2~4時間後に最高に達した1)。

  2. 16.1.2生物学的同等性試験

  • 〈ニセルゴリン錠5mg「サワイ」〉

ニセルゴリン錠5mg「サワイ」とサアミオン錠5mgを健康成人男子にそれぞれ3錠(ニセルゴリンとして15mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、ニセルゴリンの代謝物である1-MMDLの血漿中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
ニセルゴリン錠5mg「サワイ」 6.8±4.6 1.1±0.5 3.2±1.1 26.7±15.6
サアミオン錠5mg 6.6±3.5 1.1±0.5 3.3±1.7 27.0±17.7

(Mean±S.D.)

  • 〈ニセルゴリン細粒1%「サワイ」〉

ニセルゴリン細粒1%「サワイ」とサアミオン散1%を健康成人男子にそれぞれ1.5g(ニセルゴリンとして15mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、ニセルゴリンの代謝物である1-MMDLの血漿中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
ニセルゴリン細粒1%「サワイ」 6.1±4.0 1.1±0.9 4.8±5.0 25.7±15.3
サアミオン散1% 5.9±3.0 0.9±0.5 5.5±5.7 25.8±15.5

(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織移行性

3H-ニセルゴリン(5mg/kg)をSD系雄ラットに経口投与した時、全身の放射能は投与後30~60分の時点で最高値を示し、肝臓、唾液腺、腎臓、肺及び心筋で高く、血液及び筋肉では中程度、脳では低かった4)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

ヒト血漿蛋白への3H-ニセルゴリンの結合率は10~100ng/mLの濃度範囲で93~95%であった4)(in vitro、限外濾過法)。

16.5 排泄

健康成人にニセルゴリン錠5mg 8錠を経口投与したとき、大部分が代謝物として排泄され、24時間までの尿中排泄率は51%であった5)。

注)本剤の承認用法及び用量は、通常成人1日量15mgを3回に分けて経口投与である。