Clinical snapshot

ニコリン注射液100mg

シチコリン注射液

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 頭部外傷に伴う意識障害、脳手術に伴う意識障害

  • 脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復促進

  • ただし、発作後1年以内で、リハビリテーション及び通常の内服薬物療法(脳代謝賦活剤、脳循環改善剤などの投与)を行っている症例のうち、下肢の麻痺が比較的軽度なもの。

  • 下記疾患に対する蛋白分解酵素阻害剤との併用療法

  • 1)急性膵炎 2)慢性再発性膵炎の急性増悪期 3)術後の急性膵炎

  • 脳梗塞急性期意識障害

用法・用量

  • 〈頭部外傷に伴う意識障害、脳手術に伴う意識障害〉

シチコリンとして、通常成人1回100~500mgを1日1~2回点滴静脈内注射、静脈内注射又は筋肉内注射する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈脳卒中後の片麻痺〉

通常、シチコリンとして1日1回1,000mgを4週間連日静注する。又は、シチコリンとして1日1回250mgを4週間連日静注し、改善傾向が認められる場合には更に4週間継続投与する。

  • 〈膵炎〉

通常、蛋白分解酵素阻害剤と併用して、1日1回シチコリンとして1,000mgを2週間連日静脈内投与する。

  • 〈脳梗塞急性期意識障害〉

通常、1日1回シチコリンとして1,000mgを2週間連日静脈内投与する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者

9.5 妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 1%未満
一過性の血圧変動 1%未満
一過性の複視 1%未満
不眠 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
増強(脳卒中片麻痺に用いた場合) 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
熱感 1〜5%未満
痙攣 1%未満
発疹 1〜5%未満
肝機能検査値の異常 1〜5%未満
興奮 1%未満
頭痛 1%未満
食欲不振 1%未満
麻痺肢のしびれ感の発現 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

上行性網様体賦活系促進(意識水準上昇)、錐体路系促進(運動機能亢進)、脳血流改善、脳内ドパミン増加などの関与が示唆されている9)。

18.2 薬理作用

  • 〈意識障害、脳卒中後の片麻痺に対する作用〉
  1. 18.2.1意識障害患者1)、脳を低酸素状態にしたラット10)及び視床梗塞犬11)の脳波を改善する。

  2. 18.2.2大脳皮質刺激による皮質脳波覚醒反応及び誘発筋放電の閾値の上昇を抑制し、上行性網様賦活系及び錐体路系の働きを促進して意識水準及び運動機能を高める12)(ウサギ)。

  3. 18.2.3実験的脳虚血下の脳卒中易発症ラット13)、脳虚血-再灌流ラット14)、低酸素下の虚血ラット15)及び実験的脳梗塞サル16)などの病態モデルにおいて、急性卒中発作、神経症状(意識障害、運動障害)の発現を抑制し、死亡率を低下させる。

  4. 18.2.4脳循環障害患者において脳血流の増加作用、脳血管抵抗の低下作用を示し、脳循環を改善する17)。特に脳幹部血流量を増加させる18)(イヌ)。

  5. 18.2.5脳血管障害患者において、筋電図上、不全麻痺筋の低下した最大筋仕事量の増加19)及び荷重負荷時の疲労現象発現時間の延長をもたらし、中枢性運動機能障害を改善する。

  6. 18.2.6グルコースの脳内取り込み促進(脳虚血-再灌流ラット20)、ネコ脳灌流法21))、乳酸の脳内蓄積の抑制(ネコ脳灌流法21))、実験的脳梗塞家兎22)における脳ミトコンドリアの呼吸機能低下の改善、虚血により低下したグルコースからアセチルコリンの生合成促進23)(ラット)及びドーパミン代謝回転の改善24)(ラット)、脳虚血時の脳内脂肪酸遊離の抑制25),26)(ラット)等、脳機能・代謝改善作用を示す。

  7. 18.2.7脳虚血ラットにおいて神経細胞膜分画に取り込まれ、リン脂質生合成を促進し、リン脂質代謝を改善する23)。

  • 〈膵炎に対する作用〉
  1. 18.2.8実験的急性膵炎イヌ27)及びラット28)において膵・肝組織の壊死を主とする変性を軽減し、生存時間を延長させる。本剤の単独投与に比較して、本剤を蛋白分解酵素阻害剤(ガベキサートメシル酸塩又はアプロチニン)と併用した場合にその作用は増強される。

  2. 18.2.9実験的急性膵炎ラットの回復期に膵の膜脂質画分によく取り込まれることから、レシチン生合成促進作用を介して膵の生体膜修復に関与するものと推定される29)。

  3. 18.2.10ヒト膵液及び急性膵炎患者血清中のフォスフォリパーゼA2活性を阻害し、レシチンの分解を抑制する30),31),32)(in vitro)。