中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
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2.2気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
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2.3慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
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2.4痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
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2.5麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制する。]
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2.6急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
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2.7本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
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2.8出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
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2.9ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはヒドロモルフォンとして1日0.5~25mgを持続静脈内又は持続皮下投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
使用上の注意
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8.1連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
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8.2眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
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8.3本剤を投与する場合には、以下の対応を念頭におき、副作用に十分注意すること。
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便秘に対する対策として緩下剤を併用、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤を併用する。
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鎮痛効果が得られている患者で通常と異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性があるので、本剤の減量を考慮する。
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8.4本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。
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8.5本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1細菌性下痢のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長をきたすおそれがある。
- 9.1.2心機能障害あるいは低血圧のある患者
循環不全を増強するおそれがある。
- 9.1.3呼吸機能障害のある患者
呼吸抑制を増強するおそれがある。
- 9.1.4脳に器質的障害のある患者
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
- 9.1.5ショック状態にある患者
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
- 9.1.6代謝性アシドーシスのある患者
呼吸抑制を起こすおそれがある。
- 9.1.7甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者
呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
- 9.1.8副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
- 9.1.9薬物依存・アルコール依存又はその既往歴のある患者
依存性を生じやすい。
- 9.1.10衰弱者
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
- 9.1.11前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者
排尿障害を増悪することがある。
- 9.1.12器質的幽門狭窄又は最近消化管手術を行った患者
消化管運動を抑制する。
- 9.1.13痙攣の既往歴のある患者
痙攣を誘発するおそれがある。
- 9.1.14胆嚢障害、胆石症又は膵炎の患者
オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある。
- 9.1.15重篤な炎症性腸疾患のある患者
連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。なお、重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。マウス及びハムスターで胎児奇形(頭蓋奇形、軟部組織奇形、骨格変異)が、ラットで出生児の体重及び生存率の低下が報告されている。 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。 分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。
相互作用
- 本剤は主にグルクロン酸抱合により代謝される。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ナルメフェン塩酸塩水和物 • セリンクロ |
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。 | μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 中枢神経抑制剤 • フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等吸入麻酔剤 モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 β遮断剤 アルコール |
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。 | 相加的に中枢神経抑制作用が増強される。 |
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリン |
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。 | 機序は不明である。 |
| 抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。 | 相加的に抗コリン作用が増強される。 |
| ブプレノルフィン、ペンタゾシン等 | 本剤の鎮痛作用を減弱させることがある。また、退薬症候を起こすことがある。 | ブプレノルフィン、ペンタゾシン等は本剤の作用するμ受容体の部分アゴニストである。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| アロディニア | 頻度不明 |
| カテーテル留置部位反応注2) | 5%以上 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| ミオクローヌス | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 傾眠(22.0%) | 5%以上 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 5%以上 |
| 尿閉 | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 注射部位反応(疼痛 | 頻度不明 |
| 異常感 | 頻度不明 |
| 痛覚過敏注1) | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 縮瞳 | 頻度不明 |
| 肝機能異常 | 頻度不明 |
| 腫脹等) | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ヒドロモルフォンはδ及びκよりもμオピオイド受容体に対し高い親和性を示した13)。また、ヒドロモルフォンはμオピオイド受容体に対してアゴニスト活性を示し、代謝物のヒドロモルフォン-3-グルクロニドの同活性はその約1/2,280と低かった14)(in vitro)。
18.2 鎮痛作用
ヒドロモルフォンはマウス及びラットにおいて、試験方法(Hot plate法及びTail flick法は熱刺激、Writhing法は化学刺激による方法)、投与経路(経口、静脈内、皮下)に関わらず、鎮痛作用を示した15)。
| 動物種 | 試験方法 | 投与経路 | ED50(mg/kg)[95%信頼区間] |
|---|---|---|---|
| マウス | Hot plate法 | 皮下 | 0.160[0.146~0.174] |
| Writhing法 | 0.210[0.165~0.266] | ||
| ラット | Hot plate法 | 経口 | 23.0[18.4~28.7] |
| 静脈内 | 0.170[0.149~0.193] | ||
| 皮下 | 0.220[0.191~0.253] | ||
| Tail flick法 | 皮下 | 0.220[0.166~0.290] |
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1持続投与
日本人がん疼痛患者に持続静脈内投与(28例)又は持続皮下投与(8例)したときの、1日あたりの投与量と定常状態における血漿中ヒドロモルフォン濃度(投与開始72時間後)の関係は次のとおりであった。なお、採血の30時間以内に本剤の投与量変更又は臨時追加投与が行われた患者は除外した1),2)。
1日あたりの投与量と定常状態の血漿中ヒドロモルフォン濃度
- 16.1.2急速単回投与
日本人健康成人にヒドロモルフォン塩酸塩注射剤1mgを静脈内又は皮下に急速単回投与注5)したときの、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった3)。
急速単回投与時の血漿中ヒドロモルフォン濃度推移
| 投与経路 ・投与量 |
例数 | AUClast (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax注3) (hr) |
t1/2 (hr) |
|---|---|---|---|---|---|
| 静脈内投与 1mg |
6 | 8.4±1.3 | 20±7.2 | 0.083 (0.033~0.10) |
2.5±0.36注4) |
| 皮下投与 1mg |
6 | 9.9±1.6 | 9.8±3.5 | 0.26 (0.083~0.28) |
5.1±3.5 |
平均値±標準偏差
注3)中央値(最小値~最大値)
注4)例数は4例
- 16.1.3男女差
健康成人男女各18例に、ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤8mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった4)(外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1母乳中への移行
健康授乳婦8例に、ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤2mgを経鼻投与したとき、ヒドロモルフォンの乳汁/血漿中のAUCの比は2.56であった5)(外国人データ)。
- 16.3.2血漿蛋白結合率
平衡透析法で測定したヒト血漿蛋白結合率は24~30%であった6)(in vitro)。
16.4 代謝
ヒトにおけるヒドロモルフォンの主代謝経路は、3位水酸基のグルクロン酸抱合によるヒドロモルフォン-3-グルクロニドへの代謝である7)(外国人データ)。 ヒドロモルフォン及びヒドロモルフォン-3-グルクロニドは、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5を阻害せず8)、CYP1A2、2B6及び3A4を誘導しなかった9)(in vitro)。
16.5 排泄
日本人健康成人にヒドロモルフォン塩酸塩注射剤1mgを静脈内及び皮下に急速単回投与注5)したとき、投与後48時間までの尿中に、静脈内投与では投与量の約8%、皮下投与では約11%がヒドロモルフォンとして、静脈内投与では約36%、皮下投与では約27%がヒドロモルフォン-3-グルクロニドとして排泄された3)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
腎機能正常者7例、中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス40~60mL/min)8例及び重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)8例にヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤4mgを単回経口投与したとき、腎機能正常者よりも、中等度腎機能障害患者ではAUCが2倍、重度腎機能障害患者では4倍高かった10)(外国人データ)。
- 16.6.2肝機能障害患者
肝機能正常者及び中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)各12例にヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤4mgを単回経口投与したとき、肝機能正常者よりも、中等度肝機能障害患者ではAUCが4倍高かった11)(外国人データ)。
- 16.6.3高齢者
健康高齢者(65~74歳)及び健康非高齢者(18~38歳)各18例に、ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤4mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった12)(外国人データ)。
注5)本剤の承認された用法及び用量は、1日0.5~25mgを持続静脈内又は持続皮下投与である。