Clinical snapshot

トロンビン液モチダ ソフトボトル5千

トロンビン

添付文書改訂 2023年01月01日

【警告】

本剤を注射しないこと。[静脈内に誤って注射すると、血液を凝固させ致死的な結果をまねくおそれがある。また、アナフィラキシーを起こすおそれがあるので、静脈内はもちろん皮下・筋肉内にも注射しないこと。]

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤又は牛血液を原料とする製剤(フィブリノリジン、幼牛血液抽出物等)に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2凝固促進剤(ヘモコアグラーゼ)、抗プラスミン剤(トラネキサム酸)、アプロチニン製剤を投与中の患者

効能・効果

  • 通常の結紮によって止血困難な小血管、毛細血管及び実質臓器からの出血(例えば、外傷に伴う出血、手術中の出血、骨性出血、膀胱出血、抜歯後の出血、鼻出血及び上部消化管からの出血など)

用法・用量

  • 〈上部消化管出血以外〉

通常、出血局所に本剤をそのまま噴霧もしくは灌注するか、又は撒布する。 なお、出血の部位及び程度により適宜増減する。

  • 〈上部消化管出血〉

適当な緩衝剤で希釈した液(トロンビンとして200~400単位/mL)を経口投与する。 なお、出血の部位及び程度により適宜増減する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1重篤な肝障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)等網内系活性の低下が考えられる病態を有する患者

微量のトロンビンの血管内流入により、血管内血栓を形成するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ヘモコアグラーゼ• レプチラーゼ
• トラネキサム酸• トランサミン
血栓形成傾向があらわれるおそれがある。 凝固促進剤、抗プラスミン剤及びトロンビンは血栓形成を促進する薬剤であり、併用により血栓形成傾向が相加的に増大する。
• アプロチニン 血栓形成傾向があらわれるおそれがある。 アプロチニンは抗線溶作用を有するため、トロンビンとの併用により血栓形成傾向が増大する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
発赤 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1トロンビンは古くから知られている血液凝固因子のひとつであり、血液凝固過程の最終段階、すなわちフィブリノーゲンに直接作用してフィブリンに転化する。従って、血液中にフィブリノーゲンが存在すれば下記の作用機序により出血局所の血液を急速に凝固して損傷血管端を閉塞し、血小板の存在のもとに凝血塊は収縮して血管断端を完全に止血する。

  2. 18.1.2トロンビンはフィブリノーゲンを加水分解して2種のペプチドを遊離し、できたフィブリンは生理的条件下で速やかにゲル化する。このゲルにさらに、活性化されたⅩⅢ因子が作用してフィブリン分子を共有結合で結びつけ、安定化したフィブリンを形成する4)。

  3. 18.1.3血液凝固速度はトロンビン溶液の濃度に依存する。正常ヒト血漿を用いた試験において、トロンビン1、3、10及び30単位/mLの血液凝固時間は約24、10、6及び4秒であった5)(in vitro)。