Clinical snapshot

トリフリード輸液

電解質輸液(維持液10.5%複合糖加)

添付文書改訂 2026年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1遺伝性果糖不耐症の患者[果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。]

  2. 2.2高カリウム血症、乏尿、アジソン病、重症熱傷、高窒素血症の患者[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  3. 2.3高リン血症、副甲状腺機能低下症の患者[高リン血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  4. 2.4高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  5. 2.5高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある。]

  6. 2.6重篤な肝障害、高度の腎障害のある患者

効能・効果

経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・維持、エネルギー補給

用法・用量

通常成人には1回500~1000mLを点滴静注する。投与速度は、通常成人には糖質として1時間当たり0.5g/kg体重以下とする。 なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1インスリンの投与のみでしか血糖管理ができない患者(インスリン依存性糖尿病患者)

ブドウ糖製剤を用いる方が望ましい。

  1. 9.1.2糖尿病の患者

血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3心不全の患者

循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.5*本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1高度の腎障害のある患者

投与しないこと。水分、電解質代謝異常を悪化させるおそれがある。また、果糖、キシリトールの大量を急速投与すると、腎障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.2.2腎障害のある患者(高度の腎障害のある患者を除く)

水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。果糖、キシリトールの大量を急速投与すると、腎障害があらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

投与しないこと。水分、電解質代謝異常を悪化させるおそれがある。また、果糖、キシリトールの大量を急速投与すると、肝障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.3.2肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)

果糖、キシリトールの大量を急速投与すると、肝障害があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
末梢の浮腫 頻度不明
水中毒 頻度不明
発疹 頻度不明
肝障害 頻度不明
肺水腫 頻度不明
脳浮腫 頻度不明
腎障害 頻度不明
血栓性静脈炎 頻度不明
血管痛 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

果糖は主として肝のフルクトキナーゼによって代謝され、速やかにエネルギー源となる。キシリトールはインスリンの介助を要することなく細胞内に取り込まれエネルギー源となる。本剤は各糖質のこれら代謝的特徴により、糖質全体が効率的に利用されるよう糖質としてブドウ糖、果糖、キシリトールをそれぞれ4:2:1の比率で配合した10.5%複合糖加電解質液であり、水分・電解質の補給・維持、エネルギーの補給効果を示す。

18.2 エネルギー補給効果

  1. 18.2.1絶食ウサギを用いて、本剤のエネルギー補給効果を検討した結果、7.5%ブドウ糖加電解質維持液に比較し、血中総ケトン体濃度が有意に低値を示し、肝内グリコーゲン量も有意に高値となり、本剤に配合のブドウ糖、果糖、キシリトールが体内で有効に利用されていることが確認された。 また、一次水分バランスは正を示し、電解質バランスも維持あるいは負のバランスが軽減された13)。

  2. 18.2.2手術侵襲負荷中等度糖尿病ラットを用いて、本剤のエネルギー補給効果を検討した結果、10%ブドウ糖加電解質維持液に比較し、術後の血中グルコース濃度及び尿中総糖質排泄率が有意に低く、耐糖能低下時においても糖質利用が良好であることが確認された14)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性4例に本剤を3.9mL/kg/hrの速度で末梢静脈より8時間静注した結果、血漿中グルコース濃度は投与中軽度上昇し、投与終了後にいったん低下したが、2時間後にはほぼ前値に復した。また、血漿中フルクトース及びキシリトール濃度は、投与終了直後にそれぞれ8.5mg/dL、6.8mg/dLを示したが、1時間後にはいずれも血漿中には検出されなかった1)。

16.3 分布

14C標識した糖質を含む本剤を正常ラット及び手術侵襲負荷軽症糖尿病ラットに5mL/kg/hr及び10mL/kg/hrの速度で静脈内投与した結果、14C標識糖質由来の放射能は速やかに全身に分布し、特に肝臓と脳で高い放射能が観察された2)。

16.5 排泄

健康成人男性4例に本剤を3.9mL/kg/hrの速度で末梢静脈より8時間静注した結果、各糖質の投与量あたりの尿中排泄率はグルコース0.1%、フルクトース0.8%、キシリトール14.2%であり、総糖質の排泄率は、2.3%であった1)。 14C標識した糖質を含む本剤を正常ラット及び手術侵襲負荷軽症糖尿病ラットに5mL/kg/hr及び10mL/kg/hrの速度で静脈内投与した結果、主な放射能の排泄経路は呼気中で、いずれの動物モデルも投与24時間後までに約58%が14CO2として排泄された2)。