Clinical snapshot

トラピジル錠100mg「サワイ」

トラピジル

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1頭蓋内出血発作後、止血が完成していないと考えられる患者[本剤は血小板凝集抑制作用を有する。]

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 狭心症

用法・用量

  • 〈トラピジル錠50mg「サワイ」〉

通常、成人1回2錠(トラピジルとして100mg)、1日3回経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。

  • 〈トラピジル錠100mg「サワイ」〉

通常、成人1回1錠(トラピジルとして100mg)、1日3回経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.3 肝機能障害患者

副作用が発現しやすくなる。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で、高用量において胎児の発育遅延が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALTの上昇 頻度不明
しびれ感 頻度不明
そう痒感等 頻度不明
めまい 1%未満
リンパ節腫脹 頻度不明
下痢 頻度不明
不整脈等 頻度不明
不眠 頻度不明
便秘 1%未満
倦怠感 頻度不明
出血傾向等 頻度不明
口内炎等 頻度不明
口渇 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
徐脈 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
悪寒・戦慄 頻度不明
気分不良 頻度不明
浮腫 頻度不明
疼痛 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹・発赤 頻度不明
白血球減少 頻度不明
眠気 頻度不明
筋肉・関節痛等 頻度不明
総ビリルビンの上昇等 頻度不明
胃部不快感 1%未満
胃部膨満感 頻度不明
胃重感 1%未満
胸部不快感 頻度不明
胸部圧迫感 頻度不明
腹痛 頻度不明
血圧低下 頻度不明
血小板減少 頻度不明
赤血球減少 頻度不明
頭痛 1%未満
頭部不快感 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

血小板におけるトロンボキサンA2の合成及び作用を抑制するとともに、血管におけるプロスタサイクリンの産生を促進し、抗血小板作用及び血管拡張作用を発揮する7),8),9),10),11),12)。また、抗PDGF(血小板由来成長因子)作用により動脈硬化の進展を抑制する13),14)。

18.2 冠血流量増加作用

  1. 18.2.1冠血流量を増加させ、冠動・静脈酸素較差を減少させる15),16),17),18),19),20),21)(胸痛症候群患者、虚血性心疾患患者、ラット、イヌ、ミニブタ)。

  2. 18.2.2ニトログリセリンと同様に、比較的太い血管に作用し、虚血部の血流を改善する7),18),22)(ラット、イヌ、ブタ)。

  3. 18.2.3側副血行路の形成促進作用を有する23)(イヌ)。

18.3 前負荷減少作用

ニトログリセリンに類似した静脈拡張作用を有し、静脈圧を低下させる24),25),26)(健康成人男性、虚血性心疾患患者、イヌ)。

18.4 後負荷減少作用

末梢血管抵抗減少に基づく緩和な降圧作用を有する16),19),20),21),24),25)(胸痛症候群患者、虚血性心疾患患者、イヌ、ミニブタ)。

18.5 心機能維持作用

  1. 18.5.1陽性の変力・変周期作用を有し、心機能維持作用を示す。また、この作用はプロプラノロールにより遮断されず、心筋への直接作用と考えられる15),16),17),18),19),20),21),24),25),27)(胸痛症候群患者、虚血性心疾患患者、ラット、イヌ、ミニブタ)。

  2. 18.5.2労作性狭心症患者の運動耐容能を増加させる28)。しかも、虚血性心疾患患者において、心機能維持作用を有する29),30)。

  3. 18.5.3虚血性心疾患患者において、プロプラノロールとの併用により運動耐容能の増加、心筋酸素消費量の減少が認められ、しかもプロプラノロールにより低下傾向を示す心機能を改善する27)。

18.6 抗動脈硬化作用

抗PDGF作用により動脈硬化の進展を抑制する13),14)(ラット、in vitro)。

18.7 血小板凝集抑制作用

ADP、アドレナリン、コラーゲン、アラキドン酸、トロンビン等による血小板凝集を抑制する7),31),32),33)(動脈硬化性疾患患者、in vitro)。

18.8 トロンボキサンA2及びプロスタサイクリンに対する作用

  1. 18.8.1強力な血管収縮作用及び血小板凝集作用を有するトロンボキサンA2の合成及び作用を抑制するとともに、強力な血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を有するプロスタサイクリンの産生を促進する7),8),9),10),11),12)(虚血性心疾患患者、ラット、ウサギ、in vitro)。

  2. 18.8.2トロンボキサンA2の合成及び作用の抑制、プロスタサイクリンの産生促進により、虚血性心疾患患者の血管攣縮の抑制24)が認められる。

18.9 脂質代謝改善作用

HDL-コレステロールの上昇作用、LDL-コレステロールの減少作用を有し、脂質代謝を改善する34),35),36),37)(低HDL-コレステロール血症患者、高脂血症患者、マウス、ラット、ハムスター、ウズラ)。

18.10 赤血球変形能亢進作用

赤血球内のATP含量を高めることにより赤血球変形能を亢進させ、微小循環における赤血球の通過性を高める31)(ラット、in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1経口投与の場合、投与1~2時間後に最高血中濃度に達し、血中消失半減期は約4~5時間であった2)。

  2. 16.1.2生物学的同等性試験

  • 〈トラピジル錠50mg「サワイ」〉

トラピジル錠50mg「サワイ」とロコルナール錠50mgを健康成人男子にそれぞれ2錠(トラピジルとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血清中トラピジル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)。

Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-10hr
(μg・hr/mL)
トラピジル錠50mg「サワイ」 2.57±0.35 1.4±0.6 1.3±0.7 7.34±1.47
ロコルナール錠50mg 2.48±0.38 1.3±0.5 1.3±0.6 7.61±1.71

(Mean±S.D.)

  • 〈トラピジル錠100mg「サワイ」〉

トラピジル錠100mg「サワイ」とロコルナール錠100mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(トラピジルとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血清中トラピジル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。

Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-8hr
(μg・hr/mL)
トラピジル錠100mg「サワイ」 2.95±0.60 1.6±0.9 3.0±4.5 9.70±2.67
ロコルナール錠100mg 3.01±0.60 1.1±0.4 1.9±1.0 9.07±1.95

(Mean±S.D.)

血清中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.5 排泄

経口投与後、尿中には主に代謝産物が検出された。また、投与後72時間までに投与量の約30%が尿中に排泄された2)。