Clinical snapshot

トミロン錠50

セフテラム ピボキシル

添付文書改訂 2021年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

セフテラムに感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属

  • 〈適応症〉

咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

  • 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎〉

通常、セフテラム ピボキシルとして成人1日150~300mg(力価)を3回に分割して食後経口投与する。

  • 〈肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎〉

通常、セフテラム ピボキシルとして成人1日300~600mg(力価)を3回に分割して食後経口投与する。

なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2ショックを起こすおそれがあるので、十分な問診を行うこと。

  3. 8.3急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

十分な問診を行うこと。アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすい。

  1. 9.1.3経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1高度の腎障害のある患者

投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2カルニチンの低下に注意すること。血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと。小児(特に乳幼児)においてピボキシル基を有する抗生物質(小児用製剤)の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがある。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  • 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。

  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1%未満
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
CK上昇 頻度不明
LDH上昇 1%未満
カンジダ症 頻度不明
そう痒 1%未満
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 頻度不明
めまい 1%未満
リンパ腺腫脹 1%未満
下痢・軟便 頻度不明
全身倦怠感 1%未満
出血傾向等)注2) 頻度不明
口内炎 頻度不明
口内炎 1%未満
好酸球増多 頻度不明
心窩部痛 1%未満
悪心・嘔吐 頻度不明
浮腫 1%未満
発熱 1%未満
発疹 頻度不明
神経炎等) 頻度不明
紅斑 頻度不明
胃部不快感 頻度不明
胸やけ 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血小板減少 1%未満
血清カルニチン低下 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 1%未満
顆粒球減少 1%未満
食欲不振 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

セフテラム ピボキシルは体内で代謝され、セフテラムとなり抗菌力を示す。作用機序は細菌の細胞壁合成阻害であり、ペニシリン結合タンパク(PBP)の3、1A、1Bsに強く結合して殺菌的に作用する21) 。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1セフテラムはグラム陽性・陰性菌に対し幅広い抗菌スペクトルを有し、特にグラム陽性のレンサ球菌属、肺炎球菌、グラム陰性の淋菌、大腸菌、クレブシエラ属、インフルエンザ菌及び嫌気性のペプトストレプトコッカス属等に対し強い抗菌力を示した21),22),23),24) 。さらに、従来の経口セフェム剤(セファレキシン、セファクロル等)で感受性の低いシトロバクター属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属に対しても優れた抗菌力を示し、その作用は殺菌的であった21),22),23) 。

  2. 18.2.2セフテラムは各種細菌産生のβ-ラクタマーゼに対し安定で、β-ラクタマーゼ産生株に対しても強い抗菌力を示した21),22),23) 。

18.3 実験的感染症に対する治療効果

大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス等によるラット及びマウス実験的感染症において、優れた治療効果を示し、さらにβ-ラクタマーゼ産生株感染に対する治療効果も、セファレキシン、セファクロルより優れていた21),22),23) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人6例に200mgを食後単回経口投与したとき、抗菌活性体であるセフテラムとして高い血中濃度が得られ、そのピークは3時間後に2.9μg/mL、半減期は0.9時間であった3) 。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織内移行

喀痰、耳漏、扁桃、上顎洞粘膜、鼻茸、篩骨洞粘膜、尿道分泌物、抜歯創等へ良好な移行が認められた4),5),6),7),8),9) 。また、子宮各組織への移行も認められたが、乳汁中への移行はほとんど認められなかった10),11) 。

16.4 代謝

本剤は吸収時に腸管粘膜でエステラーゼにより代謝され、抗菌活性を有するセフテラムとピバリン酸になる12) 。ピバリン酸は、カルニチン抱合をうけ、尿中にピバロイルカルニチンとして排泄される。

16.5 排泄

セフテラムは、活性体のまま一部胆汁中にも排泄されるが、主に尿中に排泄される12) 。

健康成人6例に200mgを食後単回経口投与したとき、8時間までの尿中排泄率は32.8%であった3) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害者の血中濃度

腎機能障害者に100mgを食後単回経口投与したとき、次表のとおり、腎機能の低下に伴い血中半減期の延長が認められた13) 。

腎機能障害の程度(Ccr:mL/min) 例数 血中半減期(hr)
正常者  (Ccr≧80) 4 0.83
軽 度  (70≧Ccr≧40) 8 1.46
中等度  (30≧Ccr≧20) 6 4.36