Clinical snapshot

トスフロ点眼液0.3%

トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液

添付文書改訂 2023年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

〈適応菌種〉

トスフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌

〈適応症〉

眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

用法・用量

通常、成人及び小児に対して1回1滴、1日3回点眼する。

なお、疾患、症状により適宜増量する。

使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9.7 小児等

経過を十分観察し、漫然と使用しないよう注意すること。 成人に比べて短期間で治療効果が認められる場合がある。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
点状角膜炎等の角膜障害 1%未満
異物感 頻度不明
発疹 頻度不明
発赤 頻度不明
眼そう痒症 頻度不明
眼の充血 頻度不明
眼刺激 1%未満
眼痛 頻度不明
眼瞼炎 頻度不明
結膜炎(結膜充血・浮腫等) 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
角膜沈着物 頻度不明
霧視 頻度不明
霰粒腫 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細菌のDNAの高次構造を変換するDNA gyrase及びtopoisomerase Ⅳに作用し、DNA複製を阻害することにより、殺菌的に作用する13)。

18.2 抗菌作用

本剤の活性本体であるトスフロキサシンの抗菌スペクトルは広範囲に及び、in vitroでブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌、モラクセラ属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起因菌に対して強い抗菌力を示す14),15),16)。

18.3 実験的眼感染症に対する治療効果

ウサギの角膜実質に緑膿菌あるいは表皮ブドウ球菌の臨床分離株を接種して作成した眼感染症モデルに対して、本剤は治療効果を示した17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人眼に本剤を1回1滴、1日3回14日間点眼したとき、最終点眼1.5時間後の血清中トスフロキサシン濃度は定量限界(<0.0347μg/mL)以下であった。また、健康成人眼に本剤を1回1滴、1日8回14日間点眼したとき、点眼14日目の初回点眼24時間後の血清中トスフロキサシン濃度は定量限界(<0.0347μg/mL)以下であった6)。

16.3 分布

  1. 16.3.1結膜嚢内濃度

健康成人眼に本剤を1回1滴、1日8回14日間点眼したとき、点眼14日目の初回点眼24時間後の結膜嚢内濃度は2.0μg/mLであった6)。

  1. 16.3.2動物における眼組織内移行
  • (1)結膜嚢内濃度

有色ウサギに本剤を1回40μL点眼したときの結膜嚢内トスフロキサシン濃度は、点眼5分後で168μg/mL、4時間後では3.31μg/mLであり、6時間後では0.670μg/mLであった7)。

  • (2)眼組織内濃度

有色ウサギに14C標識トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液0.3%を1回40μL点眼したとき、点眼1時間後には硝子体を除く各眼組織に広く分布し、放射能濃度は、眼瞼結膜で436ng eq./g、眼球結膜で128ng eq./g、前房水で89.3ng eq./mL及び角膜で1,800ng eq./gを示した。また、メラニン含有組織である虹彩・毛様体及び脈絡膜・網膜は1時間後でそれぞれ421ng eq./g及び249ng eq./g、24時間後ではそれぞれ3,250ng eq./g及び759ng eq./gを示した7)。

ビーグル犬に14C標識トスフロキサシントシル酸塩水和物を20mg/kgの投与量で1日1回14日間反復経口投与したとき、脈絡膜・色素上皮及び虹彩・毛様体の放射能濃度は、投与終了12時間後に322μg eq./g及び425μg eq./gを示し、投与終了360日後まで徐々に減少した7)。

幼若ウサギを用いた13週間反復点眼による眼毒性試験において、本剤投与群の眼瞼結膜、角膜、脈絡膜・色素上皮及び虹彩・毛様体内トスフロキサシン濃度は、成熟ウサギに本剤を39週間反復点眼した場合と比較して平均値で1.4~2.3倍とやや高値を示した。一方、眼球結膜及び前房水の薬剤濃度は幼若ウサギと成熟ウサギでほぼ同様な値を示した8)。