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デュファストン錠5mg

ジドロゲステロン

添付文書改訂 2025年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

重篤な肝障害・肝疾患のある患者

効能・効果

無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、子宮内膜症、切迫流早産、習慣性流早産、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止、生殖補助医療における黄体補充

用法・用量

  • 〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、子宮内膜症、切迫流早産、習慣性流早産〉

ジドロゲステロンとして、通常成人1日5~15mgを1~3回に分割経口投与する。子宮内膜症には1日5~20mgを経口投与する。

  • 〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉

ジドロゲステロンとして、通常、月経周期2~5日目より1日20mgを1又は2回に分割経口投与する。

  • 〈生殖補助医療における黄体補充〉

ジドロゲステロンとして、通常、1回10mgを1日3回経口投与する。

使用上の注意

  • 〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、黄体機能不全による不妊症、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止、生殖補助医療における黄体補充〉

本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心疾患のある患者又はその既往歴のある患者

黄体ホルモンは電解質代謝に影響を及ぼし、ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

  1. 9.1.2ポルフィリン症の患者

症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者

黄体ホルモンは電解質代謝に影響を及ぼし、ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害・肝疾患のある患者

投与しないこと。本剤は肝臓にて代謝されるため、肝機能障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.3.2肝障害のある患者(重篤な肝障害・肝疾患のある患者を除く)

症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
乳房痛 頻度不明
体重増加 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
肝機能異常 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
膣出血 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ジドロゲステロンは、黄体ホルモンとしての作用を現す。生物学的には、プロゲステロンに近いジェスタージェンであるが、エストロゲンやアンドロゲンのようなホルモン作用は認められず、排卵や基礎体温上昇を抑制しない合成黄体ホルモンである6)。

18.2 子宮内膜に対する作用

ジドロゲステロンは子宮内膜に対して、天然プロゲステロンとほとんど同様の分泌期像をつくる7),8),9)。このため着床障害を起こすことなく、実際に本剤投与中でも妊娠例が認められている8),9),10)。

18.3 排卵に対する作用

基礎体温の観察7)、投与中の妊娠成立8),10)、開腹手術による新生黄体の確認10)等により、排卵の抑制は認められていない。また、無排卵性周期の患者に投与し、排卵の誘発を認め、本剤に排卵誘発作用のあることが認められている9)。 したがって、ジドロゲステロンは妊娠の可能性を保ちつつ、治療を行うことができる。

18.4 基礎体温に及ぼす作用

ジドロゲステロン投与中の患者の基礎体温の観察により上昇作用のないことが認められている7),8)。このため、一相性の患者で、投与中に基礎体温の上昇が起これば、排卵したものと推定でき、ジドロゲステロンによる治療中でも基礎体温の観察により診断が可能である。

18.5 男性化作用

妊娠ラットにジドロゲステロンを投与し、雌胎児及び新生児の肛門性器間距離を調べた結果、男性化作用は認められていない11)。また、胎児男性化指数12)、副性器重量7)の成績でもジドロゲステロン使用による男性化作用は認められていない。

18.6 尿中プレグナンジオールの排泄

ジドロゲステロンは主にC20ケト基のみが還元された型で排泄され、生体内のプレグナンジオール排泄測定値に影響を与えないので、投与中でも生理的なプロゲステロンのみの測定が可能で、このため、治療中プレグナンジオールの測定により黄体機能が観察できる8)。

18.7 間脳・下垂体・性腺に対する作用

動物実験(ラット)において、ACTHや他のゴナドトロピンの分泌抑制作用は認められていない7),8)。

18.8 その他のホルモン作用

エストロゲン作用7),8),14)、コルチコイド作用7),13),14)等は認められていない。

18.9 調節卵巣刺激下の早発排卵を防止する作用

卵胞期においてエストラジオール依存的に下垂体から分泌される黄体形成ホルモン等の一過的上昇(LHサージ)は、調節卵巣刺激下の早発排卵の引き金となる。雌アカゲザル及び雌羊を用いたエストラジオール誘発性LHサージモデルにおいて、黄体ホルモン(プロゲステロン)はLHサージを抑制することが認められており15),16)、黄体ホルモンと同様の作用を示すジドロゲステロン7),8),9)はLHサージを抑制することで調節卵巣刺激下の早発排卵を防止すると推定される。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人5例にジドロゲステロン10mgを単回経口投与した場合、血漿中にジドロゲステロンはほとんど検出されず、20α-hydroxy-9β,10α-pregna-4,6-dien-3-one(DHD)及びDHD-glucuronideが主代謝物として存在した。これらの血漿中濃度推移は投与後1時間で最高濃度DHD約85ng/mL、DHD-glucuronide約120ng/mLに達し、以後急速に減少し8時間後ではいずれも約10ng/mLとなった2)。

16.3 分布

去勢ラットに3H-ジドロゲステロンを経口投与した場合、24時間後では肝、腎、胃、肺、副腎の順に濃度が高く、他の臓器では差は認められていない3)。

16.4 代謝

In vitro試験において、主な薬理活性代謝物質であるDHDを生成させる主要代謝経路は、アルド-ケト還元酵素AKR1Cによるものであることが示された4)。また、ジドロゲステロンの代謝に関与するチトクロームP-450分子種は主としてCYP3A4であり、DHDはCYP3A4により複数の代謝物に代謝される。

16.5 排泄

子宮癌術後患者にジドロゲステロン10mgを経口投与した場合、尿中排泄率は1日後までに投与量の約20%であり、以後尿中排泄は急速に減少し、6日後までの累積排泄率は21~29%で7日後には排泄は認められなかった5)。