Clinical snapshot

デュピクセント皮下注200mgペン

デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤

添付文書改訂 2026年03月01日

【警告】

本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 300mgペン、300mgシリンジ 既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患

  • アトピー性皮膚炎注2)

  • 結節性痒疹

  • 特発性の慢性蕁麻疹

  • **中等症から重症の水疱性類天疱瘡

  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)注2)

  • 慢性閉塞性肺疾患(既存治療で効果不十分な患者に限る)注2)

  • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)注2)

  • 200mgペン、200mgシリンジ 既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患

  • アトピー性皮膚炎注2)

  • 特発性の慢性蕁麻疹

  • *気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)注2)

注2)最適使用推進ガイドライン対象

用法・用量

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。 通常、生後6カ月以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

  • 5kg以上15kg未満:1回200mgを4週間隔 15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔 30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔 60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔

  • 〈結節性痒疹〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。 通常、12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

  • 30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔 60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔

  • **〈水疱性類天疱瘡〉通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈気管支喘息〉

*通常、成人及び12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。 通常、6歳以上12歳未満の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

  • 15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔 30kg以上:1回200mgを2週間隔

  • 〈慢性閉塞性肺疾患〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与間隔変更後及び投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。

  2. 8.2ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切に対処できるようにしておくこと。

  3. 8.3長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。

  4. 8.4*好酸球増加症があらわれることがあり、特に喘息治療中の患者では好酸球性肺炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症等の臨床症状を伴う好酸球増加症の発現も認められている。これらは経口ステロイド薬の減量・中止時以外にも認められている。本剤投与中は、好酸球数の推移、並びに血管炎性皮疹、肺症状の悪化、心臓合併症及びニューロパチー等に注意すること。

  5. 8.5本剤はIL-4及びIL-13の阻害作用により2型免疫応答を抑制する。2型免疫応答は寄生虫感染に対する生体防御機能に関与している可能性がある。患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。

  6. 8.6本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。

  7. 8.7本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者自ら又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者又はその保護者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者又はその保護者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。

  • 〈アトピー性皮膚炎〉
  1. 8.8本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
  • 〈気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患〉
  1. 8.9本剤の投与開始後に症状がコントロール不良又は悪化した場合には、医師の診療を受けるよう患者に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1寄生虫感染患者

本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。また、本剤のサル相同抗体を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。

9.7 小児等

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

低出生体重児、新生児及び生後6カ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈結節性痒疹、水疱性類天疱瘡、慢性閉塞性肺疾患、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉**

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉

6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。臨床試験において、6歳以上12歳未満の小児に対する投与経験は極めて限られている。

  • 〈気管支喘息〉

*6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アレルギー性結膜炎 頻度不明
単純ヘルペス 頻度不明
口腔ヘルペス 頻度不明
注射部位そう痒感 頻度不明
注射部位内出血 頻度不明
注射部位反応 頻度不明
注射部位浮腫 頻度不明
注射部位疼痛 頻度不明
注射部位発疹 頻度不明
注射部位皮膚炎 頻度不明
注射部位硬結 頻度不明
注射部位紅斑 5%以上
潰瘍性角膜炎 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
眼そう痒症 頻度不明
眼乾燥 頻度不明
眼瞼炎 頻度不明
結膜炎 頻度不明
蟯虫症 頻度不明
血清病 頻度不明
血清病様反応 頻度不明
角膜炎 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

**デュピルマブは、ヒトインターロイキン-4及びインターロイキン-13受容体の複合体が共有しているIL-4受容体αサブユニットに特異的に結合することにより、IL-4及びIL-13の両シグナル伝達を阻害する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体である。IL-4及びIL-13はアトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の病態において重要な役割を担うType 2サイトカインである15) 。

18.2 IL-4及びIL-13シグナル伝達に対する作用

デュピルマブは高親和性にヒトIL-4Rαに結合し、IL-4及びIL-13を介したシグナル伝達をin vitro及びin vivoで抑制した15) 。

18.3 2型炎症モデルにおける炎症抑制作用

内因性マウスIL-4及びIL-4Rαの外部領域の両方を、相当するヒト配列で置換した遺伝子改変マウスを用いたチリダニアレルゲン誘発性Type 2炎症モデルにおいて、デュピルマブは、血清中IgE濃度、アレルゲン特異的IgG1濃度等を低下させるとともに、肺好酸球浸潤、杯細胞化生並びに肺機能障害を抑制した15) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人に本剤300mg又は600mgを単回皮下投与したときのデュピルマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。

投与量
(mg)
Cmax
(mg/L)
tmax注3)
(day)
AUClast
(mg・day/L)
t1/2z注4)
(day)
300
(6例)
38.3±15.3 7.01
(6.99-10.00)
700±234 5.13±1.42
600
(6例)
70.1±24.1 7.00
(3.00-7.02)
1780±699 8.77±5.18

(平均値±標準偏差)

注3)中央値(最小値-最大値)

注4)血清中薬物濃度の経時的推移を片対数プロットしたときの最終消失相の回帰直線の傾きから算出

  1. **16.1.2反復投与(成人)アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者に本剤300mgを隔週で反復投与したときのデュピルマブのトラフ濃度(平均値±標準偏差)を効能別に示す2),6),7),8),9),12),13)(日本人及び外国人データ)。
効能 例数
(名)
トラフ濃度
(mg/L)
アトピー性皮膚炎 219 73.3±40.0 16
結節性痒疹 65 60.2±34.7 24
特発性の慢性蕁麻疹 62 63.5±34.2 24
水疱性類天疱瘡 48 66.7±47.4 16
気管支喘息 544 69.0±37.8 24
慢性閉塞性肺疾患 427 62.1±34.4 24
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 142 80.2±35.3 24
  1. 16.1.3反復投与(小児)

*小児のアトピー性皮膚炎患者及び気管支喘息患者に本剤を反復投与したときのデュピルマブのトラフ濃度(平均値±標準偏差)を示す5),11) (日本人データ)。

体重 用量 例数
(名)
トラフ濃度
(mg/L)
アトピー性皮膚炎
60kg以上 300mg Q2W 3 90.1±26.2 16
30kg以上60kg未満 200mg Q2W 14 62.5±29.7 16
15kg以上30kg未満 300mg Q4W 7 86.6±29.9 16
5kg以上15kg未満 200mg Q4W 3 95.7±38.6 16
気管支喘息
15kg以上30kg以下 300mg Q4W 3 55.2±14.6 24
30kg超 200mg Q2W 6 98.3±18.1 24

Q2W:2週に1回投与、Q4W:4週に1回投与

  1. 16.1.4母集団薬物動態解析

本剤は主に血管内のコンパートメントに分布し、母集団薬物動態解析により推定される分布容積は約4.6Lであった。 母集団薬物動態解析により、定常状態時の最終投与から本剤の血清中濃度が定量下限未満に低下する時間の中央値は、300mg隔週投与で10~12週間と推定された。

16.2 吸収

**母集団薬物動態解析により推定される皮下投与時の絶対バイオアベイラビリティは、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者の間で類似しており、61~66%であった。