Clinical snapshot

デュタステリドカプセル0.5mgAV「トーワ」

デュタステリドカプセル

添付文書改訂 2024年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2女性

  3. 2.3小児等

  4. 2.4重度の肝機能障害のある患者

効能・効果

前立腺肥大症

用法・用量

通常、成人にはデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。

  2. 8.2本剤投与前に直腸診や他の前立腺癌の検査を実施すること。また、本剤投与中においても定期的にこれらの検査を実施すること。

  3. 8.3本剤は、血清前立腺特異抗原(PSA)に影響を与えるので、以下の点に注意すること。

  • PSA値は、前立腺癌のスクリーニングにおける重要な指標である。一般に、PSA値が基準値(通常、4.0ng/mL)以上の場合には、更なる評価が必要となり、前立腺生検の実施を考慮に入れる必要がある。なお、本剤投与中の患者で、本剤投与前のPSA値が基準値未満であっても、前立腺癌の診断を除外しないように注意すること。

  • 本剤は、前立腺癌の存在下であっても、投与6ヵ月後にPSA値を約50%減少させる。したがって、本剤を6ヵ月以上投与している患者のPSA値を評価する際には、測定値を2倍した値を目安として基準値と比較すること。なお、PSA値は、本剤投与中止後6ヵ月以内に本剤投与開始前の値に戻る。

  • 本剤投与中におけるPSA値の持続的増加に対しては、前立腺癌の発現や本剤の服薬不遵守を考慮に含め、注意して評価すること。

  • 本剤投与中において、free/total PSA比は一定に維持されるので、前立腺癌のスクリーニングの目的で% free PSAを使用する場合には、測定値の調整は不要である。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害のある患者

投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。

  1. 9.3.2肝機能障害のある患者(重度の肝機能障害のある患者を除く)

本剤は主に肝臓で代謝される。肝機能障害のある患者に投与した場合の薬物動態は検討されていない。

9.5 妊婦

女性には投与しないこと。ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。

9.6 授乳婦

女性には投与しないこと。本剤が乳汁中に移行するかは不明である。

9.7 小児等

小児等には投与しないこと。小児等に対する適応はなく、小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は、主としてCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
• リトナビル等
これらの薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 CYP3A4による本剤の代謝が阻害される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アレルギー反応 頻度不明
リビドー減退 頻度不明
下痢 頻度不明
乳房不快感) 頻度不明
乳房痛 頻度不明
乳房障害(女性化乳房 頻度不明
乳頭痛 頻度不明
倦怠感 1%未満
勃起不全 頻度不明
味覚異常 頻度不明
多毛症 頻度不明
射精障害 1%未満
抑うつ気分 頻度不明
浮動性めまい 1%未満
瘙痒症 頻度不明
発疹 頻度不明
精巣痛 頻度不明
精巣腫脹 頻度不明
脱毛症(主に体毛脱落) 頻度不明
腹部不快感 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血中CK増加 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
限局性浮腫 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害する。ジヒドロテストステロンは前立腺肥大に関与する主なアンドロゲンである22)。

18.2 In vitro及び動物における成績

  1. 18.2.15α還元酵素阻害作用

In vitroにおいて、ヒト1型及び2型5α還元酵素を阻害した。また、去勢ラットにおいて、外因性に投与したテストステロンの前立腺におけるジヒドロテストステロンへの変換を阻害した23),24)。

  1. 18.2.2前立腺組織中のジヒドロテストステロン濃度低下作用

ラットに反復投与することにより、前立腺組織中ジヒドロテストステロン濃度を低下させた25)。

  1. 18.2.3前立腺縮小作用及び肥大抑制作用

ラットに反復投与することにより、前立腺を縮小させた。また、去勢ラットに反復投与することにより、テストステロン誘発前立腺肥大を抑制した26),27)。

18.3 ヒトにおける成績

  1. 18.3.1血清中のジヒドロテストステロン濃度低下作用

前立腺肥大症患者にデュタステリド0.05~2.5mg注3)を1日1回反復経口投与した時、血清中ジヒドロテストステロン濃度は投与2週までに速やかに低下した。反応は用量依存的であり、投与6ヵ月の0.5mgによる減少は89.7%と2.5mgと同程度で最大であった28)。

  1. 18.3.2前立腺組織中のジヒドロテストステロン濃度低下作用

前立腺肥大症患者にデュタステリド0.5mgを1日1回反復経口投与した時、投与3ヵ月の前立腺組織中ジヒドロテストステロン濃度はプラセボ投与と比較して93%減少した(外国人データ)29)。

注3)本剤の承認用量は1日1回0.5mgである。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人にデュタステリド1~20mg注1)を単回経口投与した時、投与後2.0~2.3時間に最高血漿中薬物濃度(Cmax)に達し、みかけの分布容積は232~298Lであった。Cmaxは投与量に依存して増加し、終末相の消失半減期(t1/2)は89~174時間であり、消失は非線形であった4)。

  1. 16.1.2反復投与

前立腺肥大症患者にデュタステリド0.05~2.5mg注1)を1日1回6ヵ月間反復経口投与した時、0.5mgではおよそ投与5ヵ月で定常状態に達し、6ヵ月での血清中薬物濃度は44.82±17.91ng/mLであった。0.5mg投与の定常状態におけるt1/2は3.4±1.2週間であり、消失は非線形であった5)。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験

デュタステリドカプセル0.5mgAV「トーワ」とアボルブカプセル0.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(デュタステリドとして0.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された6)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-72
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
デュタステリドカプセル
0.5mgAV「トーワ」
53.7±24.1 2.866±0.993 2.27±1.36 56.6±19.5
アボルブカプセル0.5mg 53.7±23.0 2.858±1.093 2.09±1.01 58.0±22.6

(平均値±SD,31例)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人にデュタステリド2.5mg注1)を食後単回経口投与した時、薬物動態パラメータに若干の変化を認め、AUC0-∞は空腹時投与の2573から2197ng・hr/mLに減少した。なお、この変化は臨床上影響を与えるものではない7)。

  1. 16.2.2生物学的利用率

健康成人にデュタステリド0.5mgを単回経口投与した時、生物学的利用率は59%であった(外国人データ)8)。

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

In vitro試験において、デュタステリド(2000ng/mL)のヒト血清蛋白結合率は99.8%と高く、血清アルブミン、α1-酸性糖蛋白、コルチコステロイド結合グロブリン及び性ホルモン結合グロブリンに対する結合率は、それぞれ99.0%、96.6%、89.2%及び87.6%であった。また、これらの蛋白に対する結合率は20~2000ng/mLの範囲で線形であった(限外ろ過法)9)。

  1. 16.3.2精液移行

健康成人にデュタステリド0.5mgを反復経口投与した時、精液中/血清中薬物濃度比は平均11.5%であった(外国人データ)10)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝酵素

In vitro試験において、デュタステリドはCYP3A4/CYP3A5によって水酸化されたが、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6及び2E1では代謝されなかった11)。

  1. 16.4.2代謝酵素阻害

In vitro試験において、デュタステリドはCYP1A2、2C9及び2D6活性を阻害しなかったが、CYP2C19及び3A4活性を阻害し、IC50は50μMであった12)。

  1. 16.4.3代謝酵素誘導

In vitro試験において、デュタステリドはPXR活性化によるCYP3A4誘導能を示さなかった13)。

  1. 16.4.4主代謝物

前立腺肥大症患者にデュタステリド0.5mgを1日1回反復経口投与した時、主代謝物として1,2-二水素化体、4'-水酸化体、6-水酸化体が確認された5)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1単回投与

健康成人にデュタステリド1~20mg注1)を単回経口投与した時、投与後48時間以内の尿中に未変化体は検出されなかった4)。

  1. 16.5.2反復投与

健康成人にデュタステリド0.5mgを1日1回6ヵ月以上反復経口投与した時、糞中に約5%の未変化体が排泄され、関連物質(未変化体+代謝物)として約42%が回収された。尿中への未変化体の排泄は0.1%未満であり、関連物質の排泄も微量であった(外国人データ)14)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1高齢者

24~87歳の健康成人にデュタステリド5mg注1)を単回経口投与した時、50~69歳及び70歳以上の年齢群のt1/2は49歳以下の年齢群に比べて延長し、AUC0-∞は約20%増加した。なお、この変化は臨床上影響を与えるものではない(外国人データ)15)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1CYP3A4阻害作用を有する薬剤

  2. (1)In vitro試験において、デュタステリドの酸化的代謝はCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾールによって阻害された11)。

  3. (2)CYP3A4阻害薬とデュタステリドの薬物相互作用試験は実施されていないが、臨床試験で血漿中薬物濃度が測定された患者データの母集団薬物動態解析の結果、ベラパミル塩酸塩又はジルチアゼム塩酸塩との併用によりデュタステリドのクリアランスが低下した(外国人データ)16)。

  4. 16.7.2その他の薬剤

デュタステリド0.5mgあるいは5mg注1)と、コレスチラミン、ワルファリン、ジゴキシン、タムスロシン塩酸塩、テラゾシン塩酸塩との併用において薬物相互作用は認められなかった(外国人データ)17)。

注1)本剤の承認用量は1日1回0.5mgである。