- 〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
- 〈適応症〉
尋常性ざ瘡
クリンダマイシンリン酸エステル水和物・過酸化ベンゾイル
本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
尋常性ざ瘡
1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
8.1過度に塗布しても上乗せ効果は期待されず、皮膚刺激が増すおそれがあるので注意すること。
8.2本剤の使用中に皮膚剥脱、紅斑、刺激感、腫脹等があらわれることがある。紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例、水疱、びらん等があらわれ、重症化した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.3全身性の過敏反応や重度の皮膚刺激症状が認められた場合には本剤の使用を中止すること。
8.4本剤の使用中は日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用や紫外線療法は避けること。
8.5本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。
偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある。
重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行は不明である。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| エリスロマイシン含有製剤 | 本剤の効果が減弱する可能性がある。 | クリンダマイシンの作用と拮抗する可能性がある。 |
| 末梢性筋弛緩剤 • スキサメトニウム塩化物水和物 ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物 等 |
神経筋遮断作用が増強する可能性がある。 | クリンダマイシンは神経筋遮断作用を有する。 |
| 外用スルホンアミド製剤 • スルファジアジン スルフィソミジン等 |
同一部位に重ねて塗布した場合、皮膚及び顔毛に一過性の変色(黄色又は橙色)を呈する可能性がある。 | 機序は不明であるが、過酸化ベンゾイルによる反応と考えられる。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P | 頻度不明 |
| ALT | 頻度不明 |
| AST | 頻度不明 |
| ウロビリノーゲン陽性 | 頻度不明 |
| グラム陰性菌毛嚢炎 | 頻度不明 |
| ざ瘡悪化 | 頻度不明 |
| つっぱり感 | 頻度不明 |
| びらん | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 乾燥 | 5%以上 |
| 光線過敏性反応 | 頻度不明 |
| 変色を含む) | 5%以上 |
| 尿糖 | 頻度不明 |
| 尿蛋白 | 頻度不明 |
| 水疱 | 頻度不明 |
| 湿疹を含む) | 5%以上 |
| 灼熱感 | 頻度不明 |
| 瘙痒症 | 5%以上 |
| 発赤 | 5%以上 |
| 白血球増加 | 頻度不明 |
| 皮膚刺激 | 5%以上 |
| 皮膚剥脱 | 5%以上 |
| 皮膚炎(接触皮膚炎 | 5%以上 |
| 紅斑 | 5%以上 |
| 紅斑性皮疹 | 頻度不明 |
| 総コレステロール低下 | 頻度不明 |
| 総ビリルビンの上昇 | 頻度不明 |
| 脂性肌 | 頻度不明 |
| 腫脹 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血小板増加 | 頻度不明 |
| 過敏症 | 頻度不明 |
| 適用部位反応(疼痛 | 5%以上 |
| 錯感覚 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
感受性菌のリボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチド転移酵素反応を阻害して蛋白合成を阻害することにより、細菌の増殖を抑制する。
過酸化ベンゾイルが安息香酸に分解される過程で生成される活性酸素が細菌膜に作用し、細菌の必須構成成分を酸化することによって抗菌活性を示す5),10)。
クリンダマイシンリン酸エステルは生体内で加水分解され、クリンダマイシンとして尋常性ざ瘡の原因菌であるアクネ菌に対して抗菌活性を示す。また、アクネ菌のリパーゼ産生を抑制し、皮脂中の遊離脂肪酸を低下させ、白血球の遊走を抑制することで抗炎症作用を示す。
アクネ菌に対して殺菌的な抗菌活性を示す12)。アクネ菌の薬剤耐性株に対して、それぞれの感受性株と同程度の抗菌活性を示す13),14)。また、抗炎症作用、角質剥離作用及び面皰減少作用を示す15),16),17)。
クリンダマイシンはエリスロマイシン等のマクロライド系抗菌薬との間で交差耐性が報告されている11)。エリスロマイシンによる耐性誘導によってクリンダマイシンに耐性を示すこともある。
健康成人男性(6例)の背部皮膚にクリンダマイシン(CLDM)リン酸エステルゲル1% 2gを単回塗布したときの血漿中CLDM濃度は多くの被験者で定量限界(13.2pg/mL)以下であった。また、CLDMリン酸エステルゲル1% 2gを12時間毎に9回反復塗布したときの塗布後12時間の血漿中CLDM濃度は3回塗布でほぼ一定となり、最終塗布後のCmaxは平均161.3pg/mLであった2)。
中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(77例)の顔面にCLDMリン酸エステル1%-過酸化ベンゾイル(BPO)5%ゲル1gを1日1回及びCLDMリン酸エステルローション1% 0.5gを1日2回それぞれ4週間塗布したときの血漿中CLDM及びその代謝物であるS-酸化体の濃度を表-1に示す。
| CLDMリン酸エステル1%-BPO5% | CLDMリン酸エステルローション1% | |||
|---|---|---|---|---|
| CLDM (pg/mL) |
S-酸化体 (pg/mL) |
CLDM (pg/mL) |
S-酸化体 (pg/mL) |
|
| 塗布後1~4週 | 439.2±574.2 (39) |
93.3±93.1 (39) |
386.0±398.9 (37) |
77.4±88.5 (37) |
| 最終塗布後96時間 | 67.8±223.3 (35) |
13.4±36.9 (36) |
73.0±226.2 (30) |
44.5±51.3 (30) |
平均値±標準偏差(例数)
中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(24例)の顔面、上胸部、上背部、肩に本剤約4gを1日1回5日間塗布したときのCLDM及びS-酸化体の薬物動態パラメータを表-2に示す3)。
| パラメータ | CLDM (24例) |
S-酸化体 (23例) |
|---|---|---|
| Cmax(pg/mL) | 1294.2±1011.3 | 220.0±139.1 |
| tmax(hr) | 5.8±2.68 | 7.9±3.47 |
| AUC(0-t)(pg・h/mL) | 17786.3±14769.4 | 3956.5±2860.3 |
平均値±標準偏差
尋常性ざ瘡患者の顔面に本剤約0.7gを1日2回7日間塗布したときの血漿中安息香酸濃度は12例中2例で定量可能(定量下限:100ng/mL)であった。塗布前及び反復塗布後の血漿中馬尿酸濃度は、それぞれ46.7~84.8ng/mL及び38.2~100.3ng/mLであった。
In vitroにおいて、ヒト皮膚に本剤15.63mg/cm2を塗布したとき、安息香酸、CLDMリン酸エステル又はCLDMとして塗布6時間後までに経時的に皮膚を透過したが、BPOとしての皮膚透過は確認されなかった4)。
In vitroにおいて、ヒト皮膚に14C-BPO4556μgを塗布したときの塗布後8時間には安息香酸として真皮側から1.9%が回収された。皮膚中には塗布量の2.6%(BPO及び安息香酸がおおむね同量)が、皮膚表面には95.5%(BPO)が残った5)。
CLDMリン酸エステルは生体内で速やかにCLDMに加水分解された6),7),8)。また、in vitro試験において、CLDMは主にCYP3A4でS-酸化体に代謝された9)。
健康成人男性(6例)の背部皮膚にCLDMリン酸エステルゲル1% 2gを単回塗布及び12時間毎に9回反復塗布したとき、CLDMの尿中排泄率は単回及び反復塗布のいずれにおいても塗布量の0.01%以下であった2)。
中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(77例)の顔面にCLDMリン酸エステル1%-BPO5%ゲル1gを1日1回及びCLDMリン酸エステルローション1% 0.5gを1日2回それぞれ4週間塗布したとき、CLDMリン酸エステル1%-BPO5%ゲルの最終投与後24時間における尿中排泄量はCLDM及びS-酸化体でそれぞれ5.8及び5.4μgとCLDMリン酸エステルローション1%塗布時と同程度であった3)。
尋常性ざ瘡患者の顔面に本剤約0.7gを1日2回7日間塗布したとき、尿中安息香酸濃度は12例中3例で定量可能(定量下限:100ng/mL)であり、塗布前及び反復塗布後の尿中馬尿酸濃度は、それぞれ36.0~42.4μg/mL及び53.7~55.6μg/mLであった。