下記におけるサイトメガロウイルス感染症
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後天性免疫不全症候群
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臓器移植(造血幹細胞移植も含む)
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悪性腫瘍
1.1本剤の投与により、重篤な白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少、汎血球減少、再生不良性貧血及び骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。
1.2動物実験において一時的又は不可逆的な精子形成機能障害を起こすこと及び妊孕性低下が報告されていること、また、ヒトにおいて精子形成機能障害を起こすおそれがあることを患者に説明し慎重に投与すること。
1.3動物実験において、催奇形性、遺伝毒性及び発がん性のあることが報告されていることを患者に説明し慎重に投与すること。
2.1好中球数500/mm3未満又は血小板数25,000/mm3未満等、著しい骨髄抑制が認められる患者[本剤の投与により重篤な好中球減少及び血小板減少が認められている。]
2.2ガンシクロビル、バルガンシクロビル又は本剤の成分、ガンシクロビル、バルガンシクロビルと化学構造が類似する化合物(アシクロビル、バラシクロビル等)に対する過敏症の既往歴のある患者
2.3*マリバビルを投与中の患者
2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性
下記におけるサイトメガロウイルス感染症
後天性免疫不全症候群
臓器移植(造血幹細胞移植も含む)
悪性腫瘍
初期治療は、通常、ガンシクロビルとして1回体重1kg当たり5mgを1日2回、12時間毎に1時間以上かけて、点滴静注する。維持治療は、後天性免疫不全症候群の患者又は免疫抑制剤投与中の患者で、再発の可能性が高い場合は必要に応じ維持治療に移行することとし、通常、体重1kg当たり1日6mgを週に5日又は1日5mgを週に7日、1時間以上かけて点滴静注する。 維持治療中又は投与終了後、サイトメガロウイルス感染症の再発が認められる患者においては必要に応じて再投与として初期治療の用法・用量にて投与することができる。 なお、腎機能障害のある患者に対しては、腎機能障害の程度に応じて適宜減量する。 (注射液の調製法) 1バイアル(ガンシクロビル500mgを含有)を注射用水10mLに溶解し、投与量に相当する量を1バイアル当たり通常100mLの補液で希釈する。なお、希釈後の補液のガンシクロビル濃度は10mg/mLを超えないこと。
8.1本剤の投与による重篤な副作用が報告されていること及び本剤がサイトメガロウイルス感染症を完治させる薬剤でないことを念頭におき、重大な副作用が発現するおそれのあること並びにその内容を患者によく説明し同意を得た後、投与すること。
8.2本剤の投与中は、血球数、血小板数等の血液学的検査を行うこと。
8.3本剤の投与により腎不全を起こすことが報告されているので、血清クレアチニン若しくはクレアチニンクリアランスを慎重に観察すること。
8.4本剤の投与により痙攣、鎮静、めまい、運動失調、錯乱が報告されているので、本剤投与中の患者には自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事させないこと。
8.5サイトメガロウイルス網膜炎の投与期間については、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
8.6本剤の結晶が尿細管に沈着するおそれがあるので、十分な水分の補給を行い、尿への排泄を促すよう考慮すること。
本剤の投与により重篤な好中球減少が認められている。
本剤の投与により重篤な血小板減少が認められている。
精神神経系障害を悪化させるおそれがある。
ガンシクロビルの血中半減期の延長とクリアランスの低下の報告がある。
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
9.4.1妊娠する可能性のある女性が使用する場合、投与期間中は有効な避妊を行うよう指導すること。
9.4.2パートナーが妊娠する可能性のある男性が使用する場合、投与期間中及び投与後90日間は有効な避妊を行うよう指導すること。マウスを用いた小核試験等において遺伝毒性が認められている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ウサギ、静脈内投与)で、妊孕性の低下、催奇形性(外形異常等)及び遺伝毒性があることが報告されている。
投与期間中は授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、乳汁への移行が認められている。また、本剤は動物実験(マウス)において発がん性が認められている。
長期投与による発がん性及び生殖毒性の可能性があることを慎重に考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
腎機能障害例への投与を参考にし、用量を調節するなど、慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| *マリバビル(リブテンシティ) | *併用により、本剤の抗ウイルス作用が阻害されるおそれがある。 | *マリバビルは、本剤の活性化又はリン酸化に必要なウイルス由来のUL97を阻害する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジドブジン | ジドブジンのAUCが17%増加したとの報告がある。また、併用により有意ではないがガンシクロビルの血漿中濃度の低下傾向がみられたとの報告がある。ガンシクロビル及びジドブジンはいずれも好中球減少、貧血の原因となる可能性があるので、併用する場合は本剤又はジドブジンを減量すること。 | 相加的に本剤及び併用薬剤の双方の作用を増強させる。 |
| ジダノシン | ジダノシンの血漿中濃度が上昇したとの報告がある(ガンシクロビル3g/日、6g/日の経口投与で、ジダノシンのAUCが84%、124%増加、5mg/kg/日、10mg/kg/日の静脈内投与でAUCが38%、67%増加)。併用により、ガンシクロビルの血漿中濃度が臨床的に有意に増加したとの報告はないが、併用する場合はジダノシンの毒性を注意深く観察すること。 | 生物学的利用率の増加もしくは代謝の遅延が考えられる。 |
| イミペネム・シラスタチンナトリウム | 痙攣が報告されている。 | 機序は不明である。 |
| 骨髄抑制作用のある薬剤及び腎機能障害作用のある薬剤 • ジアフェニルスルホン • ビンクリスチン硫酸塩 • ビンブラスチン硫酸塩 • ドキソルビシン塩酸塩 • ヒドロキシカルバミド • フルシトシン • アムホテリシンB • ペンタミジンイセチオン酸塩 • 核酸誘導体等 |
毒性が増強するおそれがある。 | 相加的に本剤及び併用薬剤の双方の作用を増強させることが考えられる。 |
| スルファメトキサゾール・トリメトプリム | トリメトプリムの併用により、ガンシクロビルの腎クリアランスが16%低下し、血漿中消失半減期が15%延長したとの報告がある。しかし、ガンシクロビルのAUC及びCmaxに影響はなく臨床的に有意な変化とは考えられなかった。また、トリメトプリムのCminが12%上昇したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| シクロスポリン | シクロスポリンの薬物動態に影響を与えたとの報告はないが、血清クレアチニン濃度が上昇するとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| プロベネシド | ガンシクロビルの腎クリアランスが20%低下し、その結果、曝露量が40%上昇したとの報告がある。 | 腎尿細管での分泌が競合する。 |
| ミコフェノール酸 モフェチル | ガンシクロビル及びミコフェノール酸 モフェチルの代謝物であるグルクロン酸抱合体の血漿中濃度が上昇するおそれがあるが、ミコフェノール酸 モフェチルの活性代謝物の薬物動態に実質的な変化はないと考えられる。腎機能障害患者に、ミコフェノール酸 モフェチルと本剤(腎機能障害患者への推奨量)を併用する場合は、患者の症状に注意し慎重に投与すること。 | 腎尿細管での分泌が競合する。 |
| 免疫抑制剤 • プレドニゾロン • タクロリムス |
本剤との併用により、重篤な血小板減少が報告されている。 | 相加的に本剤及び併用薬剤の双方の作用を増強させることが考えられる。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP上昇 | 5%以上 |
| ALT上昇 | 5%以上 |
| AST上昇 | 5%以上 |
| BUN上昇等の腎機能障害 | 5%以上 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| LDH上昇等の肝機能障害 | 5%以上 |
| アフタ性口内炎 | 頻度不明 |
| インポテンス | 頻度不明 |
| うつ病 | 頻度不明 |
| おくび | 頻度不明 |
| クレアチニンクリアランス低下 | 5%以上 |
| クレアチニン上昇 | 5%以上 |
| ざ瘡 | 頻度不明 |
| せん妄 | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| ミオクロヌス | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不整脈 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 両下肢痙直 | 頻度不明 |
| 乳房痛 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 低色素性貧血 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 低血糖 | 頻度不明 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便失禁 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 偏頭痛 | 頻度不明 |
| 健忘症 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚倒錯 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳の増加 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嚥下障害 | 頻度不明 |
| 多幸症 | 頻度不明 |
| 失明 | 頻度不明 |
| 好酸球増多 | 5%以上 |
| 尿路感染 | 頻度不明 |
| 思考異常 | 頻度不明 |
| 性欲減退 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 情緒不安 | 頻度不明 |
| 感染 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 斑状丘疹 | 頻度不明 |
| 歩行異常 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 潰瘍性口内炎 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 異夢 | 頻度不明 |
| 異常感覚 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 痛み | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 頻度不明 |
| 眼痛 | 頻度不明 |
| 硝子体混濁 | 頻度不明 |
| 神経質 | 頻度不明 |
| 神経障害 | 頻度不明 |
| 筋無力症 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 精神病 | 頻度不明 |
| 結膜炎 | 頻度不明 |
| 網膜剥離 | 頻度不明 |
| 網膜炎 | 頻度不明 |
| 緊張亢進 | 頻度不明 |
| 耳痛 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 肝炎 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 頻度不明 |
| 胃腸障害 | 頻度不明 |
| 背痛 | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 脾腫 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部腫脹 | 頻度不明 |
| 蜂巣炎 | 頻度不明 |
| 血尿 | 頻度不明 |
| 血管拡張 | 頻度不明 |
| 視覚障害 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 躁病反応 | 頻度不明 |
| 運動失調 | 頻度不明 |
| 運動過多 | 頻度不明 |
| 鎮静 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 難聴 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 静脈投与による静脈炎 | 頻度不明 |
| 頭痛(12.5%) | 5%以上 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 食道炎 | 頻度不明 |
| 骨痛 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
| 高血糖 | 頻度不明 |
| 黄疸 | 頻度不明 |
| 鼓腸放屁 | 頻度不明 |
ガンシクロビルはサイトメガロウイルス感染細胞内においてウイルス由来のプロテインキナーゼ(UL97)にリン酸化されてガンシクロビル一リン酸になり、さらにウイルス感染細胞に存在するプロテインキナーゼにリン酸化されて活性型のガンシクロビル三リン酸になる。ガンシクロビル三リン酸はウイルスDNAポリメラーゼの基質であるデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)の取り込みを競合的に阻害し、ガンシクロビル三リン酸がDNAに取り込まれ、ウイルスDNAの延長を停止又は制限することによってDNA鎖の複製を阻害する4),5),6)。
18.2.1ヒトサイトメガロウイルスの標準株(AD169, Towne, Major, BT1943, Davis)に対するin vitroにおけるガンシクロビルのIC50値は、0.4~7.0μmol/Lであった。また、臨床分離株(後天性免疫不全症候群、ヒトサイトメガロウイルス単核症及び腎移植患者等からの分離株)に対するin vitroでのガンシクロビルのIC50値は、0.08~14μmol/Lであった7),9),10),11),12)。
18.2.2マウスにマウスサイトメガロウイルスを接種し、感染後6時間目より、1~50mg/kgを1日2回、5日間皮下投与した実験では、ガンシクロビル投与群の生存率は25mg/kg以上の用量で75%以上であったが、対照(生理食塩液)群では10%であった8)。
免疫機能の低下した患者に発症したサイトメガロウイルス感染症の治療のためにガンシクロビルを点滴静注あるいは経口で長期間投与した場合、耐性ウイルスが検出される場合がある。耐性ウイルスには、ガンシクロビルのモノリン酸化に関与するウイルスキナーゼ(UL97)遺伝子又はウイルスDNAポリメラーゼ(UL54)遺伝子の変異がみられる。UL97遺伝子が変異したウイルスはガンシクロビルに対してのみ耐性を示し、一方、UL54遺伝子が変異したウイルスは、類似の作用機序を持つ他の抗ウイルス剤にも交差耐性を示す。 サイトメガロウイルス網膜炎と診断されたAIDS患者にガンシクロビルが点滴静注され、3ヵ月以内の投与では耐性ウイルスは検出されなかったが、3ヵ月以上の投与では7.6%の患者に耐性ウイルスが検出された。 固形臓器移植患者に移植後10日以内から100日までガンシクロビルが経口投与され、移植後100日目に採血できた103例の血液サンプルから分離した多形核白血球について、サイトメガロウイルスの遺伝子型変異解析を実施した結果、2例にUL97耐性変異体(1.9%)が検出された。また、移植後12ヵ月までにサイトメガロウイルス感染症が疑われた患者33例の内、2例にUL97耐性変異体(6.1%)が検出されたが、UL54耐性変異体は検出されなかった13),14),15),16),17),18)。
腎機能正常患者にガンシクロビル5mg/kgを1時間点滴静注時の平均血中半減期は約3.6時間、全身クリアランスは4.20±2.13mL/min/kgであった1)(外国人のデータ)。
血漿蛋白結合率は、0.5~51μg/mLの濃度範囲において、1~2%(外国人のデータ、平衡透析法)。
大部分が未変化体のままで尿中に排泄される1)(外国人のデータ)。
患者に3日間で総量1,800~2,550mgを点滴静注したときの3日間の尿中回収率は37~126%であった1)(外国人のデータ)。
腎機能障害患者に5mg/kgを1時間点滴静注時の平均血中半減期は約11.5時間、全身クリアランスは1.20±0.87mL/min/kgであった1)(外国人のデータ)。