Clinical snapshot

テルビナフィン塩酸塩外用液1%「サワイ」

テルビナフィン塩酸塩

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

下記の皮膚真菌症の治療

  • 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬

  • 皮膚カンジダ症:指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)

  • 癜風

用法・用量

1日1回患部に塗布する。

使用上の注意

  • 〈乳児寄生菌性紅斑〉

アルコール性基剤(エタノール等)が局所刺激作用を有するため、注意して使用すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

9.7 小児等

低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒症 頻度不明
刺激感 頻度不明
接触皮膚炎 頻度不明
湿疹 頻度不明
疼痛 頻度不明
発疹 頻度不明
発赤 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚亀裂 1%未満
皮膚灼熱感 頻度不明
紅斑 頻度不明
色素沈着 頻度不明
落屑 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
血管浮腫 頻度不明
鱗屑 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

テルビナフィン塩酸塩は真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの蓄積並びにエルゴステロール含量の低下をもたらし抗真菌作用を示す6),7)。皮膚糸状菌に対しては低濃度で細胞膜構造を破壊し、殺真菌的に作用する7),8)。また、C.albicansに対しては低濃度から部分的発育阻止効果を示し、高濃度では直接的細胞膜障害作用により抗真菌活性をあらわす9)。

18.2 抗真菌作用

  1. 18.2.1テルビナフィン塩酸塩は広い抗真菌スペクトルをもち、皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して優れた抗真菌活性が認められている(in vitro)10),11),12)。

  2. 18.2.2テルビナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(T.rubrumT.mentagrophytes)に対して0.001~0.01μg/mLの最小発育阻止濃度(MIC)を示す13)。また、T.mentagrophytes発芽分生子に対し低濃度で明らかな殺真菌作用を示す(in vitro)11)。

  3. 18.2.3テルビナフィン塩酸塩はC.albicansに対して0.098μg/mL以上の濃度で酵母形から菌糸形への変換を阻止し14)、1μg/mL以上の濃度では酵母形増殖に対し静真菌作用を示す(in vitro)9)。

18.3 実験的白癬に対する作用

モルモットのT.mentagrophytes感染に対しテルビナフィン塩酸塩1%外用剤1日1回塗布により、治療開始4日目には明らかな症状の改善がみられ、2週間後には優れた真菌学的治療効果が認められている15)。また、テルビナフィン塩酸塩1%外用剤をT.mentagrophytes接種1~3日前に局所に単回塗布した場合、感染後14日間経過する期間を通して発症は全くみられなかったことから、薬効の持続性が示された。これはテルビナフィン塩酸塩の良好な皮膚貯留性に基づくものと考えられる16)。

18.4 生物学的同等性試験

モルモットに白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、癜風菌(Malassezia furfur)及びカンジダ菌(Candida albicans)を接種し、各々感染モデルを作成した(n=10)。感染確認後、テルビナフィン塩酸塩外用液1%「サワイ」又はラミシール外用液1%を1日1回塗布し(300mg/body)、経日的な病変部の観察(スコア化)及び感染部位の細菌学的検討により治療効果の比較検討を行った。その結果、いずれの試験においても有意な治療効果を示し、また、両剤間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復塗布

健康成人の内腿部にテルビナフィン塩酸塩1%液を1日1回反復塗布し、投与7日目の塗布直前と2時間後の血漿中濃度を測定したところ、いずれの測定時点においても測定限界(8ng/mL)以下であった1)。(外国人のデータ)

16.8 その他

  1. 16.8.1ケラチンへの吸着性

角質層の主要構成成分であるヒトケラチンへのテルビナフィン塩酸塩の吸着性を検討したところ、73~98%の吸着率が得られた。一方、一旦ケラチンに吸着されたテルビナフィン塩酸塩は、緩衝液で洗浄することにより遊離され、ほぼ100%の薬剤活性が回収されたことから、ケラチンがテルビナフィン塩酸塩の貯蔵器として活性型薬剤の濃度維持に役立っていると考えられる(in vitro)2)。