Clinical snapshot

テビムブラ点滴静注100mg

チスレリズマブ(遺伝子組換え)製剤

添付文書改訂 2025年07月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

根治切除不能な進行・再発の食道癌

用法・用量

フルオロウラシル及びシスプラチンとの併用において、通常、成人には、チスレリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔で60分かけて点滴静注する。がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌に対しては、本剤を単独投与することもできる。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分まで短縮できる。

使用上の注意

  1. 8.1本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。

  2. 8.2間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。

  3. 8.3肝不全、肝機能障害、肝炎があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  4. 8.4心筋炎、心膜炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと。

  5. 8.5筋炎があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇等の観察を十分に行うこと。

  6. 8.6重症筋無力症があらわれることがあるので、筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害等の観察を十分に行うこと。

  7. 8.7甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を実施すること。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。

  8. 8.81型糖尿病があらわれることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。

  9. 8.9腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

免疫関連の副作用が発現又は増悪するおそれがある。

  1. 9.1.2間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者

間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。

  1. 9.1.3臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病が発現するおそれがある。

  1. 9.1.4結核の感染又は既往を有する患者

結核を発症するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施していないが、妊娠マウスに抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体を投与すると、流産率が増加することが報告されていることから、妊娠中の女性に対する本剤の投与は、胎児に対して有害な影響を及ぼす可能性がある。また、ヒトIgGは母体から胎児へ移行することが知られている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは乳汁中に移行することから、本剤も移行する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P増加(32.2%) 頻度不明
ALT増加(27.6%) 頻度不明
AST増加(34.7%) 頻度不明
CK増加(20.3%) 頻度不明
アルブミン減少(46.6%) 頻度不明
カリウム増加(22.2%) 頻度不明
カリウム減少(26.2%) 頻度不明
クレアチニン増加(22.6%) 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ナトリウム増加 頻度不明
ナトリウム減少(56.8%) 頻度不明
ぶどう膜炎 1%未満
ヘモグロビン増加 頻度不明
ヘモグロビン減少(68.4%) 頻度不明
リンパ球増加 頻度不明
リンパ球減少(58.4%) 頻度不明
口内炎 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
好中球減少(44.7%) 頻度不明
尋常性白斑 1%未満
疲労 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少(47.2%) 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
血中ビリルビン増加 頻度不明
血小板減少(29.9%) 頻度不明
関節炎 1%未満
関節痛 頻度不明
高血糖 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

チスレリズマブは、ヒトPD-1に対する抗体であり、PD-1とそのリガンド(PD-L1及びPD-L2)との結合を阻害することにより、がん抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を亢進し、腫瘍増殖を抑制すると考えられる。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人の食道扁平上皮癌患者10例に、本剤200mgを3週間間隔で反復静脈内投与したときの、初回投与後の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。

日本人患者に本剤200mgを静脈内投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差、n=10)

薬物動態パラメータ 初回投与後
Cmax(µg/mL) 73.3(21.9)
AUC0-21day(µg·day/mL) 672.9(23.8)
Tmax(hour) 1.29(1.13~1.62)
T1/2(day) 18.8(27.3)
CL(L/day) 0.161(34.9)

幾何平均(幾何CV%)、Tmaxについては中央値(最小~最大)

  1. 16.1.2反復投与

化学療法歴のある根治切除不能な進行・再発の日本人食道扁平上皮癌患者25例に、本剤200mgを3週間間隔で反復静脈内投与したときの血清中濃度は以下のとおりであった3)。

採血時点 n 血清中濃度(µg/mL)
Cycle1 Day1 投与後 25 63.17(23.9)
Cycle2 Day1 投与前 24 17.61(26.0)
Cycle5 Day1 投与前 13 43.67(30.6)
Cycle5 Day1 投与後 13 115.11(21.4)
Cycle9 Day1 投与前 9 57.29(33.2)
Cycle17 Day1 投与前 7 33.93(121.5)

幾何平均(幾何CV%)、1サイクルは21日間