Clinical snapshot

テッペーザ点滴静注用500mg

テプロツムマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2025年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

活動性甲状腺眼症

用法・用量

通常、成人にはテプロツムマブ(遺伝子組換え)として初回は10mg/kgを、2回目以降は20mg/kgを7回、3週間間隔で計8回点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与により聴覚障害(難聴、聴力低下、耳管機能障害、耳管開放、聴覚過敏、耳鳴、鼓膜障害等)があらわれることがあり、重篤かつ不可逆的な事象も報告されている。本剤の投与前及び投与中は定期的に聴力検査を行い、患者の状態を十分に観察した上で、投与継続の適切性を慎重に判断すること。また、本剤投与により聴覚障害が発現する場合があることを患者に説明し、聴覚障害に関連する症状が認められた場合には、医療機関を受診するよう患者に指導すること。

  2. 8.2本剤投与により高血糖又は糖尿病があらわれることがあり、糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性高血糖状態に至った症例が報告されている。本剤投与中は、定期的に血糖値、HbA1c等の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3本剤はタンパク質製剤であり、アナフィラキシー等重度のアレルギー反応が起こる可能性がある。異常が認められた場合には直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1聴覚障害のある患者

本剤投与の適否を慎重に判断すること。聴覚障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2糖尿病患者、耐糖能異常のある患者

本剤の投与開始前から血糖値を適切にコントロールすること。糖尿病又は耐糖能異常が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3炎症性腸疾患のある患者

本剤投与の適否を慎重に判断すること。投与する場合は炎症性腸疾患の状態を十分に観察し、症状が悪化した場合には必要に応じて本剤の休薬又は投与中止を含む適切な処置を行うこと。炎症性腸疾患の症状が悪化するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。また、必要に応じて本剤投与開始前に妊娠検査を実施し、妊娠していないことを確認すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。カニクイザルに75mg/kg/週(臨床用量である20mg/kgを3週間に1回投与時の約8.8倍の曝露量に相当)を静脈内投与した場合に、児毒性(胎児死亡、胎児重量の低値)及び催奇形性(ドーム状の頭蓋、両眼の近接、大泉門の開大、顔面下部の発育不全、鼻先端の狭小化、頭蓋骨の菲薄化)が認められている。1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤がヒト乳汁中へ移行するかは不明であるが、一般にヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢 5%以上
不規則月経 頻度不明
口内炎 頻度不明
味覚不全 5%以上
味覚障害 頻度不明
悪心 頻度不明
無力症 頻度不明
無月経 頻度不明
爪の障害 頻度不明
爪変色 頻度不明
爪破損 頻度不明
疲労 頻度不明
皮膚乾燥 5%以上
筋痙縮 頻度不明
耳不快感 頻度不明
脱毛症 頻度不明
過少月経 頻度不明
重度月経出血 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

甲状腺眼症発症の一因として、IGF-1Rに対する自己免疫反応による眼窩線維芽細胞の活性化が考えられている。本薬は、ヒト型抗IGF-1Rモノクローナル抗体であり、IGF-1Rの下流の細胞内シグナル伝達を阻害する。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1IGF-1Rに対する結合能

本薬のヒトIGF-1Rに対するKd値は2.2nmol/Lであった。

  1. 18.2.2IGF-1Rの自己リン酸化阻害作用

ヒトIGF-1R発現3T3細胞において、本薬は濃度依存的にIGF-1Rの自己リン酸化を阻害した(IC50値1nmol/L)。

  1. 18.2.3細胞増殖抑制作用

ヒトIGF-1R発現3T3細胞において、本薬は濃度依存的に細胞増殖を抑制した(IC50値6.93nmol/L)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人10例に、本薬として1500mgを単回点滴静脈内投与したとき、血清中本薬の薬物動態パラメータは下表のとおりであった(外国人データ)。

Cmax
(μg/mL)
AUClast
(μg・day/mL)
t1/2
(day)
CL
(mL/day)
Vz
(mL)
598(20.7) 6200(24.2) 17.9(18.8) 244(25.8) 6300(23.3)

幾何平均値(変動係数%)

  1. 16.1.2母集団薬物動態解析

健康成人、活動性甲状腺眼症患者等186例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析を実施した。日本人活動性甲状腺眼症患者(27例)に本剤を初回投与として10mg/kgを点滴静注後、3週間ごとに本剤20mg/kgを7回反復点滴静脈内投与したとき、定常状態における薬物動態パラメータの推定値(幾何平均値(変動係数%))は、Cmax(μg/mL)は556.7(13.9)、AUC0-3weeks,ss(μg・day/mL)は4872(13.7)であった。2)