-
気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)
-
**鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)
テゼスパイア皮下注210mgペン
テゼペルマブ(遺伝子組換え)製剤
【警告】
本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
-
**〈気管支喘息〉通常、成人及び12歳以上の小児にはテゼペルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを4週間隔で皮下に注射する。
-
**〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉通常、成人にはテゼペルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを4週間隔で皮下に注射する。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
-
8.1本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
-
**8.2本剤の投与によって合併する他のアレルギー疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。
-
8.3*本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理のもとで慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
- 〈気管支喘息〉
- 8.4本剤の投与開始後に喘息症状がコントロール不良であったり、悪化した場合には、医師の診療を受けるように患者に指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1長期ステロイド療法を受けている患者
本剤の投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
- 9.1.2寄生虫に感染している患者
本剤の投与開始前に寄生虫感染を治療すること。また、患者が本剤投与中に感染し、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、本剤の投与を一時中止すること。本剤は胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し、TSLP受容体との相互作用を阻害する。TSLPは、一部の寄生虫(蠕虫)感染に対する免疫応答に関与している可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(カニクイザル)で本剤が胎盤を通過することが示唆されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(カニクイザル)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
- 〈気管支喘息〉
- 9.7.112歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
- **9.7.2小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般的に生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 咽頭炎 | 1%未満 |
| 注射部位反応(紅斑 | 頻度不明 |
| 疼痛等) | 頻度不明 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 腫脹 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
**テゼペルマブは胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に対するヒトIgG2λのモノクローナル抗体であり、ヒトTSLPに結合し、ヘテロ二量体のTSLP受容体との相互作用を阻害する8),9),10)。TSLPは炎症誘導経路の上流に位置する上皮細胞由来サイトカインであり、喘息及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に伴う気道及び粘膜炎症の発症及び持続において重要な役割を果たしている。喘息及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎では、アレルギー性及び非アレルギー性曝露のいずれによってもTSLP産生が誘導される11)。テゼペルマブでTSLPを阻害することにより、血中好酸球、IgE、FeNO、IL-5、IL-13等の炎症に関連する広範囲のバイオマーカー及びサイトカインが減少し、気道過敏性が軽減する9),12)。
18.2 効能・効果を裏付ける薬理作用
- 18.2.1TSLP機能的活性に対する中和作用13)
TSLP受容体を安定発現する細胞株を用いたin vitro細胞増殖アッセイで、テゼペルマブは、組み換え型及び天然型ヒトTSLPに誘発される細胞増殖を抑制し、IC50値はそれぞれ37pM及び33pMであった。
表面プラズモン共鳴法による評価で、テゼペルマブはヒト及びカニクイザルのTSLPに結合親和性を示し、それぞれのKD値は15.8pM及び32.2pMであった。
- 18.2.2全血アッセイにおけるTSLP誘導活性に対する抑制作用14)
テゼペルマブはヒト全血の存在下でTSLPに結合し、TSLPタンパク質添加に誘発されるシグナル伝達を阻止するとともに、TSLPのへテロ二量体受容体を介したシグナル伝達を阻害した。
- 18.2.3In vivo試験15)
BALB/cマウスの卵白アルブミン(OVA)誘発アレルギー性気道炎症モデルにおいて、感作誘導中及びOVA曝露期の前に、抗マウスTSLP代替抗体(M702)の投与により、対照ラットIgG投与マウスと比較して気管支肺胞洗浄液中の細胞数及びメタコリン曝露に対する気道過敏性が抑制された。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与3)
日本人健康成人にテゼペルマブ35、105及び280mg注1)を皮下単回投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。投与量35~280mgの範囲で、テゼペルマブの血清中濃度は用量に概ね比例した増加を示した。
注1)本剤の承認用量は1回210mgである。
| 投与量(例数) | 35mg (6例) | 105mg (6例) | 280mg (5例) |
|---|---|---|---|
| tmax (day)注) | 7.000 (3.000, 10.04) |
8.515 (5.000, 14.03) |
10.04 (7.000, 14.03) |
| Cmax (µg*day/mL) |
5.193±0.8191 | 15.67±1.722 | 39.74±7.809 |
| AUClast (µg*day/mL) |
188±26.6 | 633.7±59.5 | 1544±145.7 |
| AUC∞ (µg*day/mL) |
207.2±32.94 | 718±78.04 | 1612±157.7 |
| t½ (day) | 23.88±2.831 | 26.32±3.372 | 24.04±2.792 |
算術平均±標準偏差
注)中央値(最小値、最大値)
- 16.1.2反復投与
第III相国際共同臨床試験(NAVIGATOR試験)において、中用量又は高用量の吸入ステロイド及びその他の長期管理薬で治療してもコントロール不良な成人及び12歳以上の小児喘息患者(日本人を含む)にテゼペルマブ210mgを4週間に1回反復皮下投与したときの血清中トラフ濃度は下記のとおりである。テゼペルマブ投与後の平均血清中トラフ濃度は投与回数と共に増加し、投与12週時までに定常状態に達した1)。
| 評価時点 | 血清中トラフ濃度 (µg/mL) |
|---|---|
| 投与4週時 | 11.5±4.9 (512例) |
| 投与12週時 | 20.7±8.9 (491例) |
| 投与24週時 | 22.5±10.2 (460例) |
| 投与36週時 | 21.9±10.2 (463例) |
| 投与52週時 | 22.6±10.4 (447例) |
算術平均±標準偏差(例数)
**第III相国際共同臨床試験(WAYPOINT試験)において、手術や全身性ステロイド薬(推奨されない場合を除く)によっても効果不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎を有する成人患者(日本人を含む)にテゼペルマブ210mgを4週間に1回反復皮下投与したときの血清中トラフ濃度は下記のとおりである。テゼペルマブ投与後の平均血清中トラフ濃度は投与回数と共に増加し、投与12週時までに定常状態に達した2)。
| 評価時点 | 血清中トラフ濃度 (µg/mL) |
|---|---|
| 投与4週時 | 12.9±4.3 (183例) |
| 投与12週時 | 23.2±9.1 (174例) |
| 投与24週時 | 26.1±10.8 (171例) |
| 投与36週時 | 27.6±11.5 (167例) |
| 投与52週時 | 26.2±11.1 (146例) |
算術平均±標準偏差(例数)
16.2 吸収
外国人健康被験者にテゼペルマブ210mgを皮下投与したときの絶対バイオアベイラビリティは81%であった4)。
16.3 分布
母集団薬物動態解析において、テゼペルマブの中央コンパートメント及び末梢コンパートメントの分布容積は、体重70kgの患者においてそれぞれ3.91L及び2.17Lと推定された5)。
16.4 代謝
テゼペルマブはモノクローナル抗体であり、体内に広く分布するタンパク質分解酵素による分解により消失すると推定される。