再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)
【警告】
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1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
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1.2重度のサイトカイン放出症候群があらわれることがあるので、特に治療初期は入院管理等の適切な体制下で本剤の投与を行うこと。また、サイトカイン放出症候群に対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うとともに、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと。
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1.3重度の神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群含む)があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供する免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはテクリスタマブ(遺伝子組換え)として、漸増期は、1日目に0.06mg/kg、その後は2~4日の間隔で0.3mg/kg、1.5mg/kgの順に皮下投与する。その後の継続投与期は、1.5mg/kgを1週間間隔で皮下投与する。なお、継続投与期において、部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合には、投与間隔を2週間間隔とすることができる。
使用上の注意
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8.1サイトカイン放出症候群があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。
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8.1.1サイトカイン放出症候群は投与初期に多く認められることから、少なくとも漸増期(初回(0.06mg/kg)、2回目(0.3mg/kg)及び3回目(1.5mg/kg)の投与時)の投与後48時間は必ず入院管理とし、漸増期の初回から3回目投与48時間経過後、及び継続投与期の4回目以降の投与後についても患者の状態に応じて入院管理を検討すること。
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8.1.2サイトカイン放出症候群に対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うこと。
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8.1.3本剤の投与中は、発熱、悪寒、低血圧、頻脈、低酸素症、頭痛、肝酵素上昇(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ及びアラニンアミノトランスフェラーゼ増加)等について、観察を十分に行うこと。
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8.1.4サイトカイン放出症候群が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.1.5緊急時に備えてトシリズマブ(遺伝子組換え)を速やかに使用できるように準備しておくこと。
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8.2神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群含む)があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。
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8.2.1本剤の投与中は、失語症、意識レベルの変化、認知能力の障害、筋力低下、痙攣発作、脳浮腫等について、観察を十分に行うこと。
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8.2.2免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.2.3免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群があらわれた場合、次回以降の本剤投与時は患者の状態に応じて入院管理を検討すること。
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8.3神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群含む)として錯乱状態、意識レベルの低下、睡眠障害等があらわれるおそれがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
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8.4感染症(日和見感染症を含む)の発現若しくは悪化、又はサイトメガロウイルス感染等の再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立ってニューモシスチス・イロベチイ等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤の投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること。
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8.5血球減少があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
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8.6腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること。
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8.7低γグロブリン血症があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び本剤投与中は定期的に免疫グロブリン濃度を測定すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1感染症を合併している患者
血球減少により感染症が悪化するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、本剤の作用機序から、本剤の妊娠中の曝露により、B細胞リンパ球減少症、サイトカイン放出に関連する二次的な炎症作用等、妊婦又は胚・胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 治療域の狭いCYP基質 ワルファリン、シクロスポリン、タクロリムス等 |
これらの薬剤の副作用が増強される おそれがあるので、本剤の投与開始から2回目の治療用量投与前まで、並びにサイトカイン放出症候群発現時及び発現後一定期間は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
本剤の投与によりサイトカインが放出され、CYPが抑制されることにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 生ワクチン又は弱毒生ワクチン | 接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。 | 本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| トランスアミナーゼ上昇 | 5%以上 |
| リパーゼ増加 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 低アルブミン血症 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 低カルシウム血症 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 低マグネシウム血症 | 頻度不明 |
| 低リン血症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 低血糖 | 頻度不明 |
| 低酸素症 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 出血 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 5%以上 |
| 嘔吐 | 5%以上 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 注射部位反応(37.2%) | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 5%以上 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋骨格痛 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 血中ALP増加 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高アミラーゼ血症 | 頻度不明 |
| 高カリウム血症 | 頻度不明 |
| 高カルシウム血症 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
テクリスタマブは、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3に対するヒト化免疫グロブリン(Ig)G4二重特異性モノクローナル抗体である。テクリスタマブは、T細胞の細胞膜上に発現するCD3と多発性骨髄腫(MM)細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、BCMAを発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられる。7)
18.2 抗腫瘍効果
テクリスタマブは、ヒトT細胞の存在下において、BCMAを発現するMM患者由来初代培養細胞及びヒトMM由来細胞株(NCI-H929、MM.1R及びRPMI8226)に対して細胞傷害作用を示した(in vitro)。7) テクリスタマブは、インターロイキン2受容体γ鎖が完全欠損した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスに、①ヒト末梢血単核球を静脈内移植し、ヒトMM由来NCI-H929細胞株を皮下移植した、又は②ヒトT細胞を腹腔内移植し、ヒトMM由来RPMI8226細胞株を皮下移植した際に、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。8)
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(MMY1002試験)の第Ⅰ相パートで、日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者5例にテクリスタマブを漸増用量である0.06及び0.3mg/kgを皮下投与後、治療用量である1.5mg/kgを初回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。なお、漸増用量投与から初回の治療用量投与時までの各投与の投与間隔は2~4日間とされ、本剤投与開始後4~8日目に初回の治療用量を投与することとされた。2)
| 例数 | 5 |
|---|---|
| Tmax(hours) | 142.50(69.55-191.63) |
| Cmax(μg/mL) | 6.96(3.13) |
| AUCtau(μg・h/mL) | 907(524) |
平均値(標準偏差)、Tmaxは中央値(範囲)
16.2 吸収
母集団薬物動態解析により、テクリスタマブを皮下投与したときの平均バイオアベイラビリティは72%と推定された。3)
16.3 分布
母集団薬物動態解析により、テクリスタマブの総分布容積の平均値(CV%)は5.63L(29%)と推定された。3)
16.5 排泄
母集団薬物動態解析により、定常状態のクリアランスの幾何平均値(CV%)は0.472L/日(64%)と推定された。3)