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テオフィリン徐放カプセル100mg「サンド」

テオフィリン徐放性製剤

添付文書改訂 2024年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者

  2. 2.212時間以内にアデノシン(アデノスキャン)を使用する患者

効能・効果

  • 気管支喘息

  • 喘息性(様)気管支炎

  • 慢性気管支炎

  • 肺気腫

用法・用量

  • 〈テオフィリン徐放カプセル100mg「サンド」〉

通常、テオフィリンとして、成人1回200mg(本剤2カプセル)を、小児1回100〜200mg(本剤1~2カプセル)を、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。 また、気管支喘息については、テオフィリンとして成人1回400mg(本剤4カプセル)を、1日1回就寝前に経口投与することもできる。 なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈テオフィリン徐放カプセル200mg「サンド」〉

通常、テオフィリンとして、成人1回200mg(本剤1カプセル)を、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。 また、気管支喘息については、テオフィリンとして成人1回400mg(本剤2カプセル)を、1日1回就寝前に経口投与することもできる。 なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい。

  2. 8.2小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。

  3. 8.3小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかんの患者

中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。

  1. 9.1.2甲状腺機能亢進症の患者

甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。

  1. 9.1.3うっ血性心不全の患者

血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1急性腎炎の患者

腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。

9.6 授乳婦

本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1テオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど、学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、慎重に投与すること。特に次の小児にはより慎重に投与すること。成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい。
  • てんかん及び痙攣の既往歴のある小児 痙攣を誘発することがある。

  • 発熱している小児 テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。

  • 6ヵ月未満の乳児 6ヵ月未満の乳児ではテオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。

  1. 9.7.2低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。高齢者では、非高齢者に比べ最高血中濃度の上昇及びAUCの増加が認められたとの報告がある。

相互作用

  • 本剤は主として肝代謝酵素CYP1A2で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アデノシン
(アデノスキャン)
本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。 本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他のキサンチン系薬剤
(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、カフェイン等)
中枢神経興奮薬
(エフェドリン塩酸塩、マオウ等)
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。
交感神経刺激剤
(β刺激剤)
(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。
低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ハロタン 不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。
ケタミン塩酸塩 痙攣があらわれることがある。
痙攣の発現に注意し、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと。
痙攣閾値が低下するためと考えられる。
シメチジン
メキシレチン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
アミオダロン塩酸塩
ピペミド酸水和物
シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
トスフロキサシントシル酸塩水和物
パズフロキサシンメシル酸塩
プルリフロキサシン
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
ロキシスロマイシン
チクロピジン塩酸塩
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フルボキサミンマレイン酸塩
フルコナゾール
ジスルフィラム
デフェラシロクス
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
インターフェロン
イプリフラボン
シクロスポリン
アロプリノール
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。
リファンピシン
フェノバルビタール
ランソプラゾール
リトナビル
テオフィリンの効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
フェニトイン
カルバマゼピン
テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。
肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
ジピリダモール ジピリダモールの作用を減弱させることがある。 アデノシン拮抗作用による。
ラマトロバン ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。 ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。
リルゾール リルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。 in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。
タバコ 禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喫煙により肝代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウにより誘導された肝代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
ASTの上昇 1%未満
CK上昇 1〜5%未満
LDHの上昇 1〜5%未満
γ-GTPの上昇 頻度不明
いらいら感) 頻度不明
しびれ 1%未満
しびれ(口 頻度不明
しゃっくり 1%未満
そう痒感 1%未満
むくみ 1%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不安 頻度不明
不整脈(心室性期外収縮等) 1〜5%未満
不機嫌 頻度不明
不眠 1〜5%未満
不随意運動 1%未満
低カリウム血症 頻度不明
倦怠感 1%未満
動悸 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
四肢痛 頻度不明
固定薬疹 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
悪心 1〜5%未満
振戦 1〜5%未満
消化不良(胸やけ等) 1〜5%未満
発汗 頻度不明
発疹 1%未満
神経過敏(興奮 頻度不明
筋緊張亢進 1%未満
紅斑(多形滲出性紅斑等) 頻度不明
耳鳴 頻度不明
胸痛 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
舌周囲) 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 1〜5%未満
血清尿酸値上昇 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
関節痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頻尿 頻度不明
頻脈 1%未満
顔面潮紅 1%未満
顔面蒼白 1%未満
食欲不振 1〜5%未満
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

テオフィリン の作用機序は、phosphodiesteraseの作用を阻害して細胞内cyclic 3’,5’-AMP濃度を高めることによるとされている15),16),17),18),19),20)。 このほかにも、アデノシン受容体に対する拮抗作用、細胞内カルシウムイオンの分布調節作用、内因性カテコールアミンの遊離促進作用及びプロスタグランジンに対する拮抗作用等が報告されており、いまだ作用機序については不明な点が多い。

18.2 気管支拡張作用等

気管支拡張、肺血管拡張、呼吸中枢刺激、気道の粘液線毛輸送能の促進、横隔膜の収縮力増強、肥満細胞からの化学伝達物質(気管支収縮因子)の遊離抑制等の作用により、気管支喘息等の諸症状を改善する15),16)。

18.3 抗炎症作用

喘息患者の気管支生検において活性化好酸球数、総好酸球数の減少等の抗炎症作用を示す17)。

18.4 その他の薬理作用(in vitro

ヒト炎症細胞からの活性酸素及びサイトカインの産生に対する抑制作用18)、IL-5のヒト好酸球寿命延長に対する抑制作用19)、ヒト好酸球の接着因子発現の抑制作用等20)が報告されている。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与
  • テオフィリン徐放カプセル100mg「サンド」

テオフィリン徐放カプセル100mg「サンド」を健康成人14名に臨床量に従い2カプセル(テオフィリン200mg)空腹時経口投与し、投与後32時間までの血中濃度をHPLC法により測定した2)。

テオフィリン徐放カプセル100mg「サンド」投与後の血漿中濃度推移

AUC0-32
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
MRT
(hr)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
47.02±13.41 2.80±0.52 12.38±1.44 6.86±1.51 9.52±3.49

(Mean±S.D., n=14)

  • テオフィリン徐放カプセル200mg「サンド」

テオフィリン徐放カプセル200mg「サンド」を健康成人11名に臨床量に従い1カプセル(テオフィリン200mg)空腹時経口投与し、投与後32時間までの血中濃度をHPLC法により測定した3)。

テオフィリン徐放カプセル200mg「サンド」投与後の血漿中濃度推移

AUC0-32
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
MRT
(hr)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
52.84±10.40 2.74±0.44 13.32±1.09 7.09±1.38 11.06±2.51

(Mean±S.D., n=11)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  1. 16.1.2反復投与

気管支喘息患者(n=24)にテオフィリン徐放カプセル200mg「サンド」を1カプセル、1日2回、12時間ごとに4週間連続して服用させた際に得られた平均血清テオフィリン濃度は7.3~9.0μg/mL前後であり、日内変動は小さかった4)。

テオフィリン徐放カプセル200mg「サンド」 1日2回連続服用後の血清テオフィリン濃度

16.2 吸収

消化管からほぼ100%吸収される5)。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

一般に約0.45L/kgとされている5)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

約60%5)

  1. 16.3.3組織への移行性

ラットに14C-theophyllineを経口投与した場合、テオフィリン及びその代謝物が特異的に分布、蓄積する臓器は認められなかった6)。

  1. 16.3.4胎児への移行性

12例の喘息を有する母親の妊娠中の平均血清中テオフィリン濃度は9.69μg/mLであり、同時に得られた平均臍帯血テオフィリン濃度は10.21μg/mLであり、有意差を認めなかった7)。

  1. 16.3.5乳汁中への移行性

5例の授乳婦を対象にテオフィリンの血清中濃度と乳汁中濃度を検討したところ、乳汁/血清中濃度比は平均で0.7であった8)。

16.4 代謝

健康成人にテオフィリン徐放錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を経口投与した場合、テオフィリンは主として肝臓で代謝され、尿中代謝物は1,3-dimethyluric acid、1-methyluric acid及び3-methylxanthineが同定された。 テオフィリンの代謝にはP450の分子種のうちCYP1A2が主たる分子種として、3A4や2E1がマイナーな分子種として関与することが示唆されている9),10)。

16.5 排泄

テオフィリン徐放錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を投与後48時間に健康成人の尿中に排泄される未変化のテオフィリンは投与量の約8%、代謝物は約80%であった9)。

16.8 その他

テオフィリンの治療上有効な血清中濃度は5~20μg/mLであり、20μg/mLを超えると中毒作用が発現することがある11)。