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麻酔時における悪性高熱症
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悪性症候群
効能・効果
用法・用量
- 〈麻酔時における悪性高熱症〉
通常、ダントロレンナトリウム水和物として、初回量1mg/kgを静脈内投与し、症状の改善が認められない場合には、1mg/kgずつ静脈内に追加投与する。 なお、症状により適宜増減できるが、投与総量は7mg/kgまでとする。
- 〈悪性症候群〉
通常、成人にはダントロレンナトリウム水和物として、初回量40mgを静脈内投与し、症状の改善が認められない場合には、20mgずつ追加投与する。年齢、症状により適宜増減するが、1日総投与量は200mgまでとする。通常7日以内の投与とする。
- 〈溶液調製法〉
通常、1バイアルに日局 注射用水60mLを加え、振り混ぜ、溶液が澄明になったことを確認の後、使用する。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
- 8.1投与開始後は肝機能検査(AST、ALT、アルカリフォスファターゼ、総ビリルビン等)を定期的に行うこと。 なお、救命を最優先とすることから、異常がみられた場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ慎重に投与すること。
- 〈悪性症候群〉
- 8.2過量にならないように注意すること。2日目40mg投与で過量のために呼吸不全を生じたとの報告がある。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1肺機能障害、特に閉塞性肺疾患の患者
本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.2心筋疾患による重篤な心機能障害の患者
本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.3筋無力症状のある患者
本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.4イレウスのある患者
本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
肝障害を増悪させることがある。
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
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9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また妊娠13日目及び19日目の雌ラットに14C-ダントロレンナトリウム水和物1mg/kgを経口投与した際、胎児へ移行することが報告されている1) 。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。分娩後14日目の雌ラットに14C-ダントロレンナトリウム水和物1mg/kgを経口投与した際、乳汁中に移行することが報告されている1) 。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • カルシウム拮抗剤• ベラパミル等 | 高カリウム血症に伴う心室細動、循環虚脱等があらわれることがある。 | 高カリウム血症を来すと考えられる。 |
| • 向精神薬 | 呼吸中枢抑制作用を増強する可能性がある。 | 薬理学的(呼吸中枢抑制作用)な相加作用による。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 5%以上 |
| LDH上昇) | 5%以上 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 強直性痙攣 | 1〜5%未満 |
| 悪寒 | 1%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 消化管出血 | 1〜5%未満 |
| 発熱 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 眠気 | 1〜5%未満 |
| 肝機能障害(AST上昇 | 5%以上 |
| 胸水貯留 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 1〜5%未満 |
| 血圧低下 | 1%未満 |
| 血小板減少 | 1〜5%未満 |
| 静脈炎 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ダントロレンナトリウム水和物は骨格筋において筋小胞体からのカルシウムイオン遊離を抑制する。また、中枢神経系において細胞内カルシウムイオン濃度上昇を抑制し神経伝達物質の遊離亢進を抑制する。
18.2 筋弛緩作用
- 〈麻酔時における悪性高熱症〉
マウスのモルヒネによる挙尾反応を顕著に抑制し、協調運動には影響を与えず、自発運動を軽度に抑制した。
18.3 悪性高熱に関する作用
- 〈麻酔時における悪性高熱症〉
ハロタンによる悪性高熱症ブタ摘出骨格筋の収縮を抑制した5) 。悪性高熱症の主な原因として、骨格筋細胞内に存在する筋小胞体からのカルシウムイオン遊離亢進が推定されている。
18.4 悪性症候群モデルにおける改善作用
- 〈悪性症候群〉
ラット悪性症候群モデルにおいて、体温上昇、筋硬直及び血清クレアチンホスホキナーゼ活性の上昇を抑制した6),7) 。
18.5 細胞内カルシウム動態に対する作用
- 〈悪性症候群〉
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18.5.1カエルの骨格筋において、急速冷却による拘縮を抑制した8) 。
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18.5.2マウスの培養神経芽細胞9) 及びラットの脳シナプトゾーム10) において、それぞれC48/80及びベラトリンによる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制した。
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18.5.3視索前視床下部へのベラトリン注入による体温上昇の抑制11) 及び視床下部切片において、ベラトリンによるセロトニンの遊離を抑制した12) 。
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18.5.4ドパミン-セロトニン神経活性の不均衡を改善し、体温上昇及び筋硬直を抑制する可能性も推定されている。 悪性症候群の原因として、骨格筋における筋小胞体からのカルシウムイオン遊離亢進並びに中枢神経系における細胞内カルシウムイオン濃度上昇に伴うドパミン-セロトニン神経活性の不均衡が推定されている。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人6名にダントロレンナトリウム水和物25mg注1) を静脈内投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与15分値で約0.77μg/mLに達したのち漸減傾向を示し、半減期は6.08時間、AUCは7.09μg・h/mLであった2) 。
16.4 代謝
健康成人6名にダントロレンナトリウム水和物25mg注1) を静脈内投与したとき、投与後24時間までに尿中に排泄された未変化体は投与量の0.2%と少なく、主代謝物の5-ヒドロキシダントロレンは13.1%であり、投与後いずれの時間においてもダントロレンに比べて低値であった2) 。
16.5 排泄
14C-ダントロレンナトリウム水和物25mg注1) を静脈内投与したとき、放射能は尿中に投与量の51.6%(0〜72時間)、糞便中に32.9%(0〜120時間)が排泄された3) 。
注1)本剤の承認された用量は、麻酔時における悪性高熱症に対しては、通常、初回量1mg/kgを静脈内投与し、症状の改善が認められない場合には、1mg/kgずつ静脈内に追加投与する。なお、症状により適宜増減できるが、投与総量は7mg/kgまでとする。 悪性症候群に対しては、通常、成人には、初回量40mgを静脈内投与し、症状の改善が認められない場合には、20mgずつ追加投与する。年齢、症状により適宜増減するが、1日総投与量は200mgまでとする。通常7日以内の投与とする。