Clinical snapshot

ダラキューロ配合皮下注

ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2025年11月01日

【警告】

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍又は全身性ALアミロイドーシスの治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 多発性骨髄腫

  • 全身性ALアミロイドーシス

  • **高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延

用法・用量

  • 〈多発性骨髄腫〉

  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1,800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え) として30,000単位(2,000単位/mL))を、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法又はB法の投与間隔で皮下投与する。 A 法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。 B 法:1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

  • 〈全身性ALアミロイドーシス〉

他の薬剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1,800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30,000単位(2,000単位/mL))を皮下投与する。 投与間隔は、1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与とする。

  • 〈高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延〉**

通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1,800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30,000単位(2,000単位/mL))を皮下投与する。28日間を1サイクルとし、第1及び2サイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、第3~6サイクルは2週間間隔で2回(1、15日目)、第7サイクル以降は4週間間隔で1回(1日目)皮下投与する。ただし、投与期間は3年間までとする。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.2本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験結果が偽陽性となる可能性がある。当該干渉は本剤最終投与より6ヵ月後まで持続する可能性がある。このため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査の実施をすること。輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること。1)

  3. 8.3腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること。

  4. 8.4本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。

  5. 8.5本剤の使用にあたっては、ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤との取り違えに注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1慢性閉塞性肺疾患若しくは気管支喘息のある患者又はそれらの既往歴のある患者

本剤の投与後処置として気管支拡張剤及び吸入ステロイド剤の投与を考慮すること。本剤投与後に遅発性を含む気管支痙攣の発現リスクが高くなるおそれがある。

  1. 9.1.2B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗体陽性の患者

本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。

  1. 9.1.3体重65kg 以下の患者

好中球減少等の骨髄抑制の発現が増加することがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。男性の受胎能に対する影響は検討されておらず不明である。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

***患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者のうち65歳未満と比較して65歳以上で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎、敗血症であった。造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者において、75歳未満と比較して75歳以上で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎であった。 本剤の臨床試験において、造血幹細胞移植の適応となる未治療の多発性骨髄腫患者、造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者、未治療の全身性ALアミロイドーシス患者及び高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫患者において、65歳以上における主な重篤な有害事象は肺炎であった。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
COVID-19 頻度不明
サイトメガロウイルス感染 頻度不明
そう痒症 頻度不明
上気道感染 頻度不明
下痢 5%以上
不眠症 頻度不明
低γグロブリン血症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
便秘 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
失神 頻度不明
尿路感染 頻度不明
心房細動 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
気管支炎 頻度不明
注射部位反応 5%以上
注射部位紅斑 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
無力症 5%以上
疲労 5%以上
発熱 5%以上
発疹 頻度不明
白血球減少 5%以上
筋痙縮 頻度不明
筋骨格痛 頻度不明
肺水腫 頻度不明
脱水 頻度不明
腹痛 頻度不明
貧血 5%以上
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、ダラツムマブ及びボルヒアルロニダーゼ アルファを含有する配合剤である。ダラツムマブは、ヒトCD38に結合し、補体依存性細胞傷害(CDC)活性、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性、抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性等により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。16),17),18),19),20),21)ボルヒアルロニダーゼ アルファは、結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解する酵素である。22) 本剤は、ボルヒアルロニダーゼ アルファによりヒアルロン酸が加水分解され、皮下組織における浸透性が増加することで、拡散吸収されたダラツムマブが腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1MMY1008試験(国内試験、単剤療法)

日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者6例に、本剤15mLを1週間隔で8週、続いて2週間隔で16週、それ以降は4週間隔で反復皮下投与した。初回投与後の血清中ダラツムマブ濃度推移を図1に示す。また、初回投与及び1週間隔での最終(8回目)投与後の薬物動態パラメータを表1 に示す。2)

C:サイクル,D:日 図1 日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者6 例に本剤を初回投与したときの血清中ダラツムマブ濃度推移(平均値±標準偏差)

初回投与後 8回目投与後
Cmax
(μg/mL)
177 (27.8) 1092 (318)
AUC0-7day
(μg・day/mL)
990 (145) 7015 (1895)
Tmax (day) 3.0 (2.9-7.0) 0.9(0.9-3.1)

平均値(標準偏差)、ただしTmax は中央値(範囲)

  1. 16.1.2MMY3012試験(国際共同試験、単剤療法)

再発又は難治性の多発性骨髄腫患者259例に、本剤15mLを1週間隔で8週、続いて2週間隔で16週、それ以降は4週間隔で反復皮下投与した。平均血清中ダラツムマブ濃度は、初回投与から3日後に124μg/mL、1週間隔での最終(8回目)投与から1週間後(2週間隔投与への移行日)の投与前に582μg/mL、2週間隔での初回投与から 3日目に738μg/mL、2週間隔での最終投与から 2週間後(4週間隔投与への移行日)の投与前に555μg/mL、4週間隔投与への移行から約5ヵ月後の投与前に297μg/mLであった。3)

  1. 16.1.3MMY2040試験(国際共同試験、ボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン又は prednisone※との併用療法)

未治療の多発性骨髄腫患者67例に、本剤15mL をボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン又は prednisone※との併用療法にて1週間隔で6週、続いて3週間隔で48週、それ以降は4週間隔で反復皮下投与した。平均血清中ダラツムマブ濃度は、初回投与から3日後に99μg/mL、1週間隔での最終(6回目)投与から1週間後(3週間隔投与への移行日)の投与前に482μg/mL、3週間隔での初回投与から3日目に 612μg/mL、3週間隔での3回目投与の投与前に392μg/mLであった。4) ※:国内未承認

  1. 16.1.4AMY3001試験(国際共同第Ⅲ相試験)

未治療の全身性ALアミロイドーシス患者381例を対象に、本剤をボルテゾミブ、シクロホスファミド水和物及びデキサメタゾンとの併用療法にて1週間隔で8週、続いて2週間隔で16週、それ以降は4週間隔で反復皮下投与した。平均血清中ダラツムマブ濃度は、初回投与から4日後に149μg/mL、2週間隔での初回投与(9週目)の投与前及び投与4日後に597μg/mL及び708μg/mL、4週間隔での初回投与(25週目)の投与前に478μg/mL、4週間隔投与への移行後から約5ヵ月後の投与前に273μg/mLであった。5)