Clinical snapshot

ダフクリア錠200mg

フィダキソマイシン錠Fidaxomicin

添付文書改訂 2024年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル

  • 〈適応症〉

感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)

用法・用量

通常、成人にはフィダキソマイシンとして1回200mgを1日2回経口投与する。

使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態に注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 1%未満
下痢 1%未満
便秘 頻度不明
口内乾燥 1%未満
味覚異常 1%未満
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
浮動性めまい 1%未満
腹部膨満 1%未満
頭痛 1%未満
食欲減退 1%未満
鼓腸 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細菌のRNAポリメラーゼを阻害することにより、抗菌活性を示す23)。

18.2 抗菌作用

フィダキソマイシンは、クロストリジウム・ディフィシルをはじめとする一部のグラム陽性菌に抗菌活性を示し、ほとんどのグラム陰性菌に対しては抗菌活性を示さない24)(in vitro試験)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを食後単回経口投与注)したとき、血漿中フィダキソマイシン濃度は投与後2~3時間で最大値に達し、その後速やかに消失した。主代謝物であるOP-1118の血漿中濃度は本剤投与後3時間で最大値を示した2)。

用量(mg) 例数 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
AUCinf
(ng・h/mL)
t1/2
(h)
フィダキソマイシン
100 9 4.5±2.4 3.0(1.0~4.1) 40.6±15.8a) 7.0±3.5a)
200 9 8.3±4.5 2.0(1.0~6.0) 55.6±26.4b) 10.6±8.1b)
OP-1118
100 9 8.6±4.0 3.0(1.0~6.0) 92.7±40.3a) 8.8±3.1a)
200 9 18.0±7.6 3.0(1.0~6.0) 154.2±48.5b) 11.5±7.6b)

(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))

a) 8例、b) 7例

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを1日2回食後経口投与したときの10日目のフィダキソマイシン及びOP-1118の血漿中薬物動態パラメータは下表のとおりである2)。

用量(mg) 例数 Cmax(ng/mL) Tmax(h) AUC12h(ng・h/mL)
フィダキソマイシン
100 9 5.3±2.9 2.0(1.0~6.0) 32.8±20.5
200 8 8.7±5.3 3.0(1.0~8.0) 58.5±36.7
OP-1118
100 9 10.2±4.8 2.0(1.0~6.0) 67.6±31.9
200 8 19.8±8.9 3.0(1.0~8.0) 144.2±74.9

(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))

  1. 16.1.3クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者

クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回経口投与したときのフィダキソマイシン及びOP-1118の血漿中濃度は下表のとおりである3)。

例数 血漿中薬物濃度(ng/mL)
フィダキソマイシン 90 54.7±73.8
OP-1118 90 135.6±199.2

(平均値±標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1吸収

本薬の消化管管腔内のpH値(pH1~7.5)における溶解度及びCaco-2細胞単層膜における膜透過性は低く4)、さらにP-糖蛋白質(P-gp)の基質であった5)(in vitro試験)。 イヌにおける絶対バイオアベイラビリティは3%以下と低値であった6)。ヒトにおける本剤の絶対バイオアベイラビリティは不明であるが、経口投与後の本剤の吸収は極めて低いと考えられる。

  1. 16.2.2食事の影響

健康成人(27例)に本剤400mg注)を空腹時又は食後単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する食後投与のフィダキソマイシンのCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は79%(67%~92%)及び97%(87%~107%)、OP-1118のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は67%(58%~76%)及び90%(82%~98%)であった7)(外国人データ)。

16.3 分布

本剤は経口投与後、消化管内に局在する。フィダキソマイシン及びOP-1118の血漿蛋白結合率は、それぞれ97.4%~98.3%及び95.6%~96.4%であった8)(in vitro試験)。

16.4 代謝

フィダキソマイシンは、主にイソブチリルエステル基の加水分解により活性代謝物OP-1118へ代謝される9)。

16.5 排泄

健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを経口投与したとき、フィダキソマイシン及びOP-1118の尿中への排泄率は非常に低く(0.594%以下)、そのほとんどがフィダキソマイシン及びOP-1118として糞中に排泄される2),7)(日本人及び外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときの腎機能正常患者、軽度、中等度及び重度の腎機能低下患者の投与3~5時間後の血漿中薬物濃度を比較した結果、腎機能に伴う血漿中フィダキソマイシン及びOP-1118濃度の変動は見られなかった10)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

経口投与されたフィダキソマイシン及びOP-1118の消化管吸収はほとんどないと考えられたことから、肝機能障害患者におけるフィダキソマイシン及びOP-1118の薬物動態については検討していない。

  1. 16.6.3高齢者

クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときの高齢患者のフィダキソマイシン及びOP-1118の血漿中濃度は非高齢患者に比べ高い傾向を示したが血漿中薬物濃度の差について臨床的意義は無いと考えられた10)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1臨床薬物相互作用試験
併用薬 併用薬の用量 本剤の用量 例数 フィダキソマイシン OP-1118
幾何平均比(90%信頼区間)
(併用投与/単独投与)
AUC Cmax AUC Cmax
シクロスポリン11)
(P-gp阻害剤)
200mg
単回
200mg
単回注)
14a) 192%
(139%~264%)
415%
(323%~532%)
411%
(306%~553%)
951%
(693%~1305%)

a) 健康成人男性

併用薬 併用薬の
用量
本剤の用量
投与期間
例数 幾何平均比(90%信頼区間)
(併用投与/単独投与)
AUC Cmax
ワルファリンa)12)
(CYP2C9基質)
10mg
単回
200mg
1日2回
7日間
24b) 113%
(110%~117%)
109%
(104%~115%)
オメプラゾール12)
(CYP2C19基質)
40mg
単回
103%
(93%~114%)
93%
(82%~106%)
ミダゾラム12)
(CYP3A基質)
5mg
単回
96%
(88%~106%)
92%
(83%~102%)
ジゴキシン13)
(P-gp基質)
0.5mg
単回
200mg
1日2回
11日間
14c) 112%
(103%~122%)
114%
(99%~131%)
ロスバスタチン14)
(BCRP、MRP2、OATP2B1基質)
10mg
単回
200mg
1日2回
10日間
26b) 110%
(99%~122%)
117%
(106%~129%)

a) S-ワルファリンの濃度を基に算出、b) 健康成人男性、c) 健康成人

  1. 16.7.2In vitro試験

フィダキソマイシンはCYP2C9に対して阻害作用(IC50値7.2μg/mL)を示した15)。また、フィダキソマイシン及びOP-1118は、P-gpの基質であった5)。フィダキソマイシン及びOP-1118は、P-gp(IC50値2.74及び>123μg/mL)、乳癌耐性蛋白(BCRP)(IC50値4.13及び17.1μg/mL)、多剤耐性関連蛋白2(MRP2)(IC50値2.22及び46.4μg/mL)及び有機アニオン輸送ポリペプチド2B1(OATP2B1)(IC50値0.95及び<1.35μg/mL)に対して阻害作用を示した5),16),17)。

注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはフィダキソマイシンとして1回200mgを1日2回経口投与する。」である。