Clinical snapshot

タフィンラー小児用分散錠10mg

ダブラフェニブメシル酸塩

添付文書改訂 2025年03月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 〈カプセル〉

  • BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫

  • BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

  • 標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸癌を除く)

  • BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病

  • BRAF遺伝子変異を有する低悪性度神経膠腫

  • 〈小児用分散錠〉

  • 標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸癌を除く)

  • BRAF遺伝子変異を有する低悪性度神経膠腫

用法・用量

  • カプセル

  • 〈悪性黒色腫〉

通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。ただし、術後補助療法の場合には、トラメチニブと併用し、投与期間は12ヵ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 〈非小細胞肺癌、有毛細胞白血病〉

トラメチニブとの併用において、通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 〈固形腫瘍、低悪性度神経膠腫〉

トラメチニブとの併用において、通常、ダブラフェニブとして以下の用量を1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 成人には、1回150mg

  • 小児には、体重に合わせて次の用量

体重 26kg以上
38kg未満
38kg以上
43kg未満
43kg以上
51kg未満
51kg以上
1回
投与量
75mg 100mg 125mg 150mg
  • 小児用分散錠

    • 〈固形腫瘍、低悪性度神経膠腫〉

トラメチニブとの併用において、通常、小児にはダブラフェニブとして体重に合わせて次の用量を1日2回、用時、水に分散して空腹時に経口投与する。

体重 8kg以上
10kg未満
10kg以上
14kg未満
14kg以上
18kg未満
18kg以上
22kg未満
22kg以上
26kg未満
26kg以上
30kg未満
1回
投与量
20mg 30mg 40mg 50mg 60mg 70mg
体重 30kg以上
34kg未満
34kg以上
38kg未満
38kg以上
42kg未満
42kg以上
46kg未満
46kg以上
51kg未満
51kg以上
1回
投与量
80mg 90mg 100mg 110mg 130mg 150mg

使用上の注意

  1. 8.1発熱が高頻度に認められ、重度の脱水、低血圧を伴う例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬や解熱剤の投与など適切な処置を行い、感染症等の有無を評価すること。解熱剤で効果が不十分な場合には、経口ステロイド剤の投与を検討すること。

  2. 8.2有棘細胞癌(皮膚の扁平上皮癌)、新たな原発性悪性黒色腫があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

  3. 8.3皮膚以外の部位に悪性腫瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

  4. 8.4心障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前には、患者の心機能を確認すること。本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察すること。

  5. 8.5ぶどう膜炎(虹彩炎を含む)等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

  6. 8.6肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。

  7. **8.7好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心疾患又はその既往歴のある患者

症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1中等度以上の肝機能障害患者

本剤の曝露量が増加する可能性がある。

9.4 生殖能を有する者

  1. **9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用すること。

  2. **9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後2週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では、ラットにおいて母動物の体重増加量・胎児体重の低値、骨化遅延が20mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.3倍)以上の群でみられ、黄体数・着床数の低値、着床前・後死亡率の高値、生存胎児数の低値、心室中隔欠損及び胸腺分離が300mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約1.9倍)群で認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

  • 〈悪性黒色腫、非小細胞肺癌、有毛細胞白血病〉

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈固形腫瘍、低悪性度神経膠腫〉

低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤はCYP2C8及び3A4の基質となる。また、本剤はCYP2C9及び3A4を誘導することが示されている。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A阻害剤
• ケトコナゾール(経口剤は国内未承認)
クラリスロマイシン
リトナビル等
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP3A阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること。 これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP2C8阻害剤
• ゲムフィブロジル(国内未承認)等
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP2C8阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること。 これらの薬剤がCYP2C8を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3A及びCYP2C8誘導剤
• リファンピシン等
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、CYP3A及びCYP2C8誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 これらの薬剤がCYP3A及びCYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A基質
• ミダゾラム
経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)
デキサメタゾン等
CYP3Aにより代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。 本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C9基質
• ワルファリン等
CYP2C9により代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。 本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
OATP1B1及びOATP1B3基質
• HMG-CoA還元酵素阻害剤(ロスバスタチン)等
OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 本剤がOATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 頻度不明
QT/QTc間隔延長 1%未満
γ-GTP増加 頻度不明
アクロコルドン 1%未満
インフルエンザ様疾患 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ぶどう膜炎 頻度不明
リンパ浮腫 1%未満
上咽頭炎 1%未満
下痢 頻度不明
乳頭腫 1%未満
低ナトリウム血症 頻度不明
低リン血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
体重増加 頻度不明
便秘 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
出血(鼻出血 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
多汗症 頻度不明
寝汗 頻度不明
尿細管間質性腎炎 1%未満
尿路感染 1%未満
徐脈 1%未満
心拍数減少 頻度不明
急性熱性好中球性皮膚症(Sweet症候群) 頻度不明
急性腎障害 1%未満
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
房室ブロック 1%未満
手掌・足底発赤知覚不全症候群 頻度不明
日光角化症 頻度不明
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
横紋筋融解症 1%未満
歯肉出血等) 頻度不明
毛包炎 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
無力症 頻度不明
爪囲炎 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱(49.6%) 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚亀裂 頻度不明
皮膚病変 頻度不明
眼窩周囲浮腫 1%未満
筋痙縮 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
粘膜の炎症 頻度不明
紅斑 頻度不明
網脈絡膜症 1%未満
網膜剥離 1%未満
網膜色素上皮剥離 1%未満
肺臓炎 1%未満
脂漏性角化症 頻度不明
脂肪織炎 頻度不明
脱毛症 頻度不明
脱水 頻度不明
腎不全 1%未満
腎炎 1%未満
腹痛 頻度不明
膵炎 1%未満
膿疱性皮疹 頻度不明
蜂巣炎 1%未満
血中CK増加 頻度不明
血小板減少症 頻度不明
視力障害 頻度不明
貧血 頻度不明
過敏症 1%未満
過角化 頻度不明
間質性肺炎 1%未満
関節痛 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 頻度不明
顔面浮腫 1%未満
食欲減退 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ダブラフェニブは、BRAF変異型(V600E、V600K及びV600D)のキナーゼ活性を阻害した27)。また、ダブラフェニブは、A375P F11細胞株を移植したマウスの腫瘍組織において、RAFシグナル経路下流のERKのリン酸化を阻害した28)。

18.2 抗腫瘍効果

  1. 18.2.1In vitro

  2. (1)ダブラフェニブは、BRAF V600E変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来細胞株(UACC-257、SK-MEL-1、COLO-829等)、ヒト非小細胞肺癌由来MV522細胞株及びヒト甲状腺未分化癌由来細胞株(8505C及び8305C)、BRAF V600K変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来細胞株(WW165、YUMAC、YULAC及びYUSIT1)並びにBRAF V600D変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来WM-115細胞株の増殖を抑制した29),30),31)。

  3. (2)ダブラフェニブを、MEK1及びMEK2阻害薬であるトラメチニブと併用することにより、UACC-257、SK-MEL-1、COLO-829、MV522、8505C、8305C細胞株等に対する増殖抑制作用は各薬剤単独処理と比較して増強した29),30),31)。

  4. 18.2.2In vivo

ダブラフェニブは、BRAF V600E変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来A375P F11細胞株を皮下移植したマウスにおいて、腫瘍増殖を抑制した32)。また、ダブラフェニブとトラメチニブを併用投与することにより、各薬剤単独投与と比較して腫瘍増殖抑制作用が増強した28)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回及び反復投与

日本人固形癌患者12例にダブラフェニブ75~150mg(ヒプロメロースカプセル)を空腹時に単回経口投与した時、血漿中ダブラフェニブ濃度は投与1.0~4.0時間後に最大となった2)。その後、血漿中ダブラフェニブ濃度は二相性を示して低下し、消失半減期は約5~15時間であった。Cmax及びAUC0-12hは75mg群と100mg群の間では投与量増加に伴い増加したが、100mg群と150mg群は同程度であった。反復投与後の血漿中ダブラフェニブのAUC0-12hは単回投与時と比べて約40%減少し、ダブラフェニブ代謝の自己誘導が示唆された。血漿中ダブラフェニブ濃度は、投与開始後21日目までには定常状態に達すると考えられた。外国人固形癌患者4例のマイクロドーズ試験で、ダブラフェニブ150mgを単回経口投与した時の、[14C]ダブラフェニブ50μgを単回静脈内投与に対する絶対的バイオアベイラビリティは94.5%であった3)。

日本人固形癌患者にダブラフェニブ150mgを単回及び反復経口投与したときの血漿中ダブラフェニブ濃度推移(平均値+標準偏差、1日目:n=6、21日目:n=5)

投与量
(mg)
例数
(n)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-12h
(μg・hr/mL)
T1/2
(hr)
1日目 75 3 1.39
(29.9)
4.0
(3.0-4.0)
4.63
(35.6)
15.2(2,140.1)
100 3 3.81
(32.2)
1.0
(0.9-2.0)
11.4
(42.9)
13.1(55.4)
150 6 2.41
(40.1)
2.5
(1.0-4.0)
9.24
(29.3)
5.07(47.0)a
21日目 75 3 1.43
(75.5)
3.0
(1.5-4.0)
2.85
(41.5)
-
100 3 2.90
(22.1)
1.0
(0.9-2.0)
6.02
(17.3)
-
150 5 2.08
(37.0)
1.5
(1.0-3.0)
5.90
(33.3)
-

幾何平均値(変動係数%)、Tmaxは中央値(最小値-最大値) a:n=5

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

外国人固形癌患者14例にダブラフェニブ150mgを高脂肪・高カロリー食摂食後に単回経口投与した時、AUC及びCmaxは絶食下に比べてそれぞれ約31及び51%低下した。また、食後のTmax(6時間)は絶食下(2時間)に比べて遅延した4)。

16.3 分布

ダブラフェニブのヒト血漿蛋白結合率は99.7%であった5)(in vitro)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1In vitro

ダブラフェニブは主にCYP2C8及び3A4により水酸化体に代謝され、更にCYP3A4によりカルボン酸体に代謝された。また、カルボン酸体は非酵素的に脱メチル化された6)。

  1. 16.4.2In vivo

血漿中には、主にカルボン酸体が検出された(血中放射能の約54%)(外国人)7)。その他にはt-ブチル基が酸化された水酸化体、脱カルボン酸化された脱メチル体が検出された2),7)(外国人及び日本人)。

16.5 排泄

外国人固形癌患者4例に[14C]ダブラフェニブの95mg(懸濁液)を単回経口投与した時、尿糞中には投与量の93.8%が回収された(投与後240時間)。放射能の主排泄経路は糞中(投与量の約71.1%)であり、尿中には22.7%が回収された7)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1小児

海外第Ⅰ相試験(A2102試験及びX2101試験)及び国際共同第Ⅱ相試験(G2201試験)に組み入れられた109例(6歳以上18歳未満)のデータを用いた母集団薬物動態解析の結果、①26kg以上38kg未満の患者に75mg、②38kg以上43kg未満の患者に100mg、③43kg以上51kg未満の患者に125mg、④51kg以上の患者に150mgをそれぞれ1日2回反復経口投与した際の、ダブラフェニブのCmax(μg/mL)及びAUC0-12h(μg・hr/mL)の中央値は、①1.29及び4.35、②1.48及び5.20、③1.65及び6.05並びに④1.50及び5.25と推定された。 また、海外第Ⅰ相試験(A2102試験及びX2101試験)及び国際共同第Ⅱ相試験(G2201試験)に組み入れられた243例(0歳以上18歳未満)のデータを用いた母集団薬物動態解析の結果、①17kg未満の患者に2.5mg/kg、②17kg以上26kg未満の患者に2.5mg/kg、③26kg以上38kg未満の患者に2.5mg/kg、④38kg以上51kg未満の患者に2.5mg/kg、⑤51kg以上の患者に150mgをそれぞれ1日2回反復経口投与した際の、ダブラフェニブのCmax(μg/mL)及びAUC0-12h(μg・hr/mL)の中央値は、①1.25及び3.70、②1.37及び4.41、③1.42及び4.77、④1.47及び4.97並びに⑤1.38及び4.90と推定された。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1In vitro

ダブラフェニブはCYP2B6及び3A4を誘導した8)。また、ダブラフェニブはCYP2C8及び2C19を阻害した(IC50値:それぞれ8.2及び22.4μmol/L)9)。ダブラフェニブはPgp及びBCRPの基質であった10)。

  1. 16.7.2In vivo

  2. (1)ケトコナゾール

外国人固形癌患者16例にCYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤は国内未承認)400mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ75mg注)の1日2回反復経口投与と併用したときのダブラフェニブのAUC及びCmaxは、ダブラフェニブ単独投与に比べてそれぞれ約71及び33%増加した11)。

  1. (2)ゲムフィブロジル

外国人固形癌患者17例にCYP2C8の阻害作用を有するゲムフィブロジル(国内未承認)600mgの1日2回反復経口投与をダブラフェニブ75mg注)の1日2回反復経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べてダブラフェニブのAUCは約47%増加したものの、Cmaxは変化しなかった12)。

  1. (3)ワルファリン

外国人固形癌患者14例にダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与とワルファリン(S体:CYP2C9の基質、R体:CYP3A4及びCYP1A2の基質)15mg単回経口投与を併用したときのワルファリンのAUCは、ワルファリン単独投与に比べて、S体で約37%、R体で約33%減少した。また、ワルファリンのCmaxはワルファリン単独投与に比べて、S体で約18%、R体で約19%増加した13)。

  1. (4)ミダゾラム

外国人固形癌患者12例にダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与とミダゾラム(CYP3Aの基質)3mgの単回経口投与を併用したときのミダゾラムのAUC及びCmaxは、ミダゾラム単独投与に比べてそれぞれ約74及び61%減少した14)。

  1. (5)リファンピシン

外国人固形癌患者17例にCYP3A及びCYP2C8の誘導作用を有するリファンピシン600mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回反復投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べて、ダブラフェニブのCmaxは27%、AUCは34%減少した15)。

  1. (6)ロスバスタチン

外国人がん患者16例にロスバスタチン(OATP1B1及びOATP1B3の基質)10mgの単回経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ非併用投与に比べて、ロスバスタチンのCmaxは94%、AUCは22%増加した。また、ダブラフェニブ150mgを1日2回14日間反復投与した後にロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、ダブラフェニブ非併用投与に比べて、ロスバスタチンのCmaxは156%増加、AUCは7%増加した16)。

  1. (7)その他の薬剤

トラメチニブ 外国人固形癌患者17例にトラメチニブ2mgの1日1回反復経口投与とダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与を併用した時、血漿中ダブラフェニブのCmax及びAUCは、ダブラフェニブ単独投与時に比べて、それぞれ約16及び23%増加した17)。 ラベプラゾール 外国人固形癌患者17例にラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べてダブラフェニブのAUCは3%増加し、Cmaxは12%減少した15)。 注)本剤の承認用法・用量は、ダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時経口投与である。