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ゾコーバ錠125mg(旧製品:凸錠)

エンシトレルビル フマル酸

添付文書改訂 2026年03月01日

【警告】

  • <予防>SARS-CoV-2による感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤はワクチンに置き換わるものではない。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2*次の薬剤を投与中の患者:ピモジド、キニジン硫酸塩水和物、ベプリジル塩酸塩水和物、チカグレロル、エプレレノン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、シンバスタチン、トリアゾラム、アナモレリン塩酸塩、イバブラジン塩酸塩、ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕、イブルチニブ、ブロナンセリン、ルラシドン塩酸塩、アゼルニジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、スボレキサント、ダリドレキサント塩酸塩、ボルノレキサント水和物、タダラフィル(アドシルカ)、マシテンタン・タダラフィル、バルデナフィル塩酸塩水和物、ロミタピドメシル酸塩、リファブチン、フィネレノン、ボクロスポリン、ロナファルニブ、マバカムテン、リバーロキサバン、アパルタミド、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

  3. 2.3腎機能又は肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者

  4. 2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

**SARS-CoV-2による感染症の治療及びその予防

用法・用量

通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服薬中のすべての薬剤を確認すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に相談するよう患者に指導すること。

  2. **8.2妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、本剤投与の必要性を十分に検討すること。本剤を予防に用いる場合は、SARS-CoV-2による感染症患者への接触後に必ずしもSARS-CoV-2による感染症を発症するとは限らないことを踏まえ、本剤投与の必要性を特に慎重に検討すること。また、投与が必要な場合には、次の注意事項に留意すること。

  3. 8.2.1本剤投与開始前に十分な問診により患者が妊娠していないこと及び妊娠している可能性がないことを確認すること。

  4. 8.2.2次の事項について、本剤投与開始前に患者に説明すること。

  • 妊娠中に本剤を服用した場合、胎児に影響を及ぼす可能性があること。

  • 本剤服用中に妊娠が判明した又は疑われる場合は、直ちに服用を中止すること。

  • 本剤服用中及び最終服用後2週間における妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに医師、薬剤師等に相談すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者

投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者

投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある。

  1. 9.3.2重度の肝機能障害患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)

重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。 ウサギにおいて、臨床曝露量の5.0倍相当以上で胎児に催奇形性が認められるとともに、臨床曝露量の5.0倍に相当する用量で流産が、臨床曝露量の7.4倍に相当する用量で胚・胎児生存率の低下が認められている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。 ラットにおいて、乳汁への移行が認められるとともに、母動物に毒性が認められた用量(臨床曝露量の6.6倍相当)で出生児の生後4日生存率低下及び発育遅延が認められている。

9.7 小児等

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • **本剤はチトクロームP450 3A(CYP3A)の基質であり、強いCYP3A阻害作用を有する。また、P-gp、BCRP阻害作用を有する。他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないため、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、用量に留意して慎重に投与すること。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ピモジド• (オーラップ)
• キニジン硫酸塩水和物
• ベプリジル塩酸塩水和物• (ベプリコール)
これらの薬剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• チカグレロル• (ブリリンタ) チカグレロルの血中濃度上昇により、血小板凝集抑制作用が増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• エプレレノン• (セララ) エプレレノンの血中濃度上昇により、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン• (クリアミン)
• エルゴメトリンマレイン酸塩
• メチルエルゴメトリンマレイン酸塩• (パルタンM)
• ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮等の重篤な副作用が発現するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• シンバスタチン• (リポバス) シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症が発現するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• トリアゾラム• (ハルシオン) トリアゾラムの血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制が発現するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• アナモレリン塩酸塩• (エドルミズ) アナモレリン塩酸塩の血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• イバブラジン塩酸塩• (コララン) 過度の徐脈があらわれることがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕• (ベネクレクスタ) ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、腫瘍崩壊症候群の発現が増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• イブルチニブ• (イムブルビカ) イブルチニブの血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ブロナンセリン• (ロナセン)
• ルラシドン塩酸塩• (ラツーダ)
これらの薬剤の血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• アゼルニジピン• (カルブロック)
• アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル• (レザルタス配合錠)
アゼルニジピンの作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• スボレキサント• (ベルソムラ)
• ダリドレキサント塩酸塩• (クービビック)
• ボルノレキサント水和物• (ボルズィ)
これらの薬剤の血中濃度上昇により、作用を著しく増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• タダラフィル• (アドシルカ)
• マシテンタン・タダラフィル• (ユバンシ配合錠)
• バルデナフィル塩酸塩水和物• (レビトラ)
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ロミタピドメシル酸塩• (ジャクスタピッド) ロミタピドメシル酸塩の血中濃度を著しく上昇させるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
リファブチン
• (ミコブティン)
リファブチンの血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• フィネレノン• (ケレンディア) フィネレノンの血中濃度を著しく上昇させるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ボクロスポリン• (ルプキネス) ボクロスポリンの血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ロナファルニブ• (ゾキンヴィ) ロナファルニブの血中濃度上昇により、副作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• マバカムテン
• (カムザイオス)
マバカムテンの副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• リバーロキサバン• (イグザレルト) リバーロキサバンの血中濃度上昇により、抗凝固作用が増強し、出血の危険性が増大するおそれがある。 本剤のCYP3A及びP-gp阻害作用により、リバーロキサバンのクリアランスが低下することが考えられる。
• アパルタミド• (アーリーダ)
• カルバマゼピン• (テグレトール)
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。 これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。また、本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝を阻害する。
• エンザルタミド• (イクスタンジ)
• ミトタン• (オペプリム)
• フェニトイン• (ヒダントール、アレビアチン)
• ホスフェニトインナトリウム水和物• (ホストイン)
• リファンピシン• (リファジン)
• セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。 これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 副腎皮質ステロイド剤• ブデソニド、シクレソニド、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• オピオイド系鎮痛剤• フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、オキシコドン塩酸塩水和物、メサドン塩酸塩 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• 免疫抑制剤• シクロスポリン、タクロリムス水和物 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• 抗悪性腫瘍剤• ドセタキセル、エベロリムス、テムシロリムス、ゲフィチニブ、ダサチニブ水和物、エルロチニブ塩酸塩、ラパチニブトシル酸塩水和物、ボルテゾミブ、イマチニブメシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ボスチニブ水和物、カバジタキセル、クリゾチニブ、シロリムス、パノビノスタット乳酸塩、ポナチニブ塩酸塩、ルキソリチニブリン酸塩、アキシチニブ、ニロチニブ塩酸塩水和物 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• マラビロク
• アプレピタント
• ロペラミド塩酸塩
• サルメテロールキシナホ酸塩
• シナカルセト塩酸塩
• アルプラゾラム
• ゾピクロン
• トルテロジン酒石酸塩
• オキシブチニン塩酸塩
• グアンファシン塩酸塩
• ジエノゲスト
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• アトルバスタチンカルシウム水和物 アトルバスタチンの血中濃度を上昇させ、横紋筋融解症やミオパチーが発現するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ミダゾラム ミダゾラムの血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制が発現するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ブプレノルフィン塩酸塩
• エレトリプタン臭化水素酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• カルシウム拮抗剤• ニフェジピン、フェロジピン、ベラパミル塩酸塩 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• 抗精神病剤• ハロペリドール、アリピプラゾール、クエチアピンフマル酸塩 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• 抗凝固剤• ワルファリンカリウム、アピキサバン これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ジソピラミド
• シロスタゾール
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤• ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、筋神経系の副作用を増強するおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病〕 ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• PDE5阻害剤• シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル(シアリス、ザルティア) これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• コルヒチン コルヒチンの血中濃度上昇により、作用が増強されるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• イトラコナゾール
• イサブコナゾニウム硫酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• リオシグアト *リオシグアトの血中濃度を上昇させるおそれがある。本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること。 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
• イリノテカン塩酸塩水和物 イリノテカンの活性代謝物の血中濃度を上昇させるおそれがある。 本剤のCYP3A阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる。
• ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩 ダビガトランの血中濃度を上昇させ、抗凝固作用を増強するおそれがある。 本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の排出を遅延させる。
• ジゴキシン 本剤との併用により、ジゴキシンの血中濃度の上昇が認められており、ジゴキシンの作用を増強するおそれがある。 本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の排出を遅延させる。
• ロスバスタチンカルシウム 本剤との併用により、ロスバスタチンの血中濃度の上昇が認められている。 **本剤のBCRP阻害作用により、ロスバスタチンのクリアランスが低下する。
• ボセンタン水和物 本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、ボセンタン水和物の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。 ボセンタン水和物のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。また、本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、ボセンタン水和物の代謝が阻害される。
• 中程度のCYP3A誘導剤• エファビレンツ、エトラビリン、フェノバルビタール、プリミドン等 本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。 これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
• メトトレキサート メトトレキサートの血中濃度を上昇させ、中毒症状(口内炎、汎血球減少)が発現するおそれがある。 in vitro試験より本剤はOAT3阻害作用を有することが示唆されており、メトトレキサートの尿中排出を遅延させるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
HDLコレステロール低下(16.6%) 5%以上
そう痒 頻度不明
トリグリセリド上昇 1%未満
ビリルビン上昇 1〜5%未満
下痢 1%未満
嘔吐 1%未満
悪心 1%未満
発疹 1%未満
脂質異常症 1%未満
腹部不快感 1%未満
血中コレステロール低下 1%未満
血清鉄上昇 1%未満
頭痛 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エンシトレルビルはSARS-CoV-2 3CLプロテアーゼを阻害し、ポリタンパク質の切断を阻止することで、ウイルスの複製を抑制する13)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1In vitroウイルス増殖抑制効果**

エンシトレルビルは細胞培養系を用いた試験において、SARS-CoV-2臨床分離株〔従来株(A系統)、alpha株(B.1.1.7系統)、beta株(B.1.351系統)、gamma株(P.1系統)、delta株(B.1.617.2系統)、theta株(P.3系統)、lambda株(C.37系統)、mu株(B.1.621系統)及びomicron株(BA.1.18、BA.1.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.2.75、BA.2.86、BA.4.1、BA.4.6、BA.5.2.1、BE.1、BF.7、BF.7.4.1、BQ.1.1、CH.1.1.11、EG.5.1、JN.1、KP.3.1.1、XBB.1、XBB.1.5、XBB.1.9.1、XBB.1.16、XBF、XE及びXEC系統)〕に対して抗ウイルス活性を示し、50%有効濃度(EC50値)は、VeroE6/TMPRSS2細胞で0.20~0.99μmol/L、HEK293T/ACE2-TMPRSS2細胞で0.026~0.064μmol/Lであった。ヒト気道上皮3次元器官培養モデルを用いた細胞培養系において、SARS-CoV-2臨床分離株〔delta株(B.1.617.2系統)、omicron株(BA.1.18、BE.1及びXBB.1.5.19系統)〕に対するEC90は0.0514~0.195μmol/Lであった14),15),16)。

  1. 18.2.2In vivo抗ウイルス作用**

SARS-CoV-2臨床分離株を接種した感染マウスにおいて、エンシトレルビルは、ウイルス接種直後からの投与及びウイルス接種24時間後からの投与のいずれの場合でも、肺組織内ウイルス力価を用量依存的に減少させた。また、SARS-CoV-2マウス馴化株を接種したマウス致死モデルにおいて、溶媒群と比較してエンシトレルビル群で生存率の改善、生存期間の延長及び体重減少の抑制が認められた17)。

SARS-CoV-2マウス馴化株を接種した致死性感染マウスにおいて、エンシトレルビルをウイルス接種24時間前に予防的に投与した場合、溶媒群と比較して肺組織内ウイルス力価を減少させた。また、溶媒群と比較して、エンシトレルビル群で、用量依存的に生存率の改善及び体重減少の抑制が認められた18)。

18.3 耐性

  1. 18.3.1臨床試験**
  • <治療>

国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221試験)第Ⅲ相パートにおいて、本剤群345例中、ベースライン前後で塩基配列解析が可能であった被験者204例のうち、19例で本剤投与後にSARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ領域にアミノ酸変異が認められた。そのうち、本剤群においてのみ2例以上認められたアミノ酸変異はM49L(12例)、M49I(3例)、S144A(2例)であった19)。

  • <予防>

国際共同第Ⅲ相試験(T1331試験)において、本剤群1030例中、本剤投与後にウイルスが検出された被験者243例のうち、51例で塩基配列解析が可能であった。そのうち、27例で本剤投与後にSARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ領域にアミノ酸変異が認められ、本剤群においてのみ2例以上認められたアミノ酸変異は、M49L(10例)、T25A(4例)、M49I(3例)、P52S(3例)、T25I(2例)であった20)。

  1. 18.3.2非臨床試験**

SARS-CoV-2臨床分離株を用いたin vitro耐性発現試験において、4代継代した結果、SARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ領域に単一のアミノ酸変異(D48G、M49L、P52S及びS144A)及び複数のアミノ酸変異(M49L/S144A)を有する株が認められた21)。

T25A、T25I、D48G、M49L、M49I、P52S又はS144Aを導入した組換えSARS-CoV-2 は、エンシトレルビルに対して2.9~17倍の感受性低下を示し、M49L/S144Aを導入した組換えSARS-CoV-2は、エンシトレルビルに対して100倍の感受性低下を示した22),23)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人女性8例に本剤を5日間空腹時反復経口投与した(エンシトレルビルとして1日目は375mg、2日目から5日目は125mg)ときの血漿中濃度推移を図16-1に、薬物動態パラメータ2)を表16-1に示す。

投与日 例数 Cmax※1
(μg/mL)
Tmax※2
(hr)
AUC0-τ※1
(μg・hr/mL)
T1/2※1
(hr)
1日目 8 22.3
(14.8)
2.50
(1.50, 8.00)
372.9
(12.0)
-
5日目 7 28.1
(15.6)
2.00
(1.00, 8.00)
518.3
(13.0)
51.4
(19.0)

※1:幾何平均値(%変動係数)

※2:中央値(最小値、最大値)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人14例に本剤(エンシトレルビルとして375mg)を空腹時又は高脂肪・高カロリー食摂取後に単回経口投与注1)したときの薬物動態パラメータ2)を表16-2に示す。

食事
条件
例数 Cmax※1
(μg/mL)
Tmax※2
(hr)
AUC0-inf※1
(μg・hr/mL)
空腹時 13 21.4
(23.5)
2.50
(1.50, 4.00)
1236
(23.2)
食後※3 14 20.0
(16.4)
6.00
(1.50, 16.00)
1538
(15.8)

※1:幾何平均値(%変動係数)

※2:中央値(最小値、最大値)

※3:高脂肪・高カロリー食

16.3 分布

エンシトレルビルのヒト血清蛋白結合率は、97.7~98.7%であった3)(in vitro)。

16.4 代謝

健康成人男性6例に[14C]-エンシトレルビル フマル酸375mg注1)を空腹時単回投与したとき、血漿中では主に未変化体が検出され、代謝物としてエンシトレルビルのクロル付加体が検出された。尿中及び糞便中では主に未変化体が検出された4)(外国人データ)。 また、in vitro代謝試験の結果、尿及び糞便中の代謝物であるエンシトレルビルのトリアゾール脱メチル体及びインダゾール脱メチル体は、CYP3Aを含む複数のCYP分子種により生成されると推定された5)。

16.5 排泄

健康成人男性6例に[14C]-エンシトレルビル フマル酸375mg注1)を空腹時単回投与したとき、投与量の64.8%及び25.8%がそれぞれ糞便中及び尿中に排泄された。未変化のエンシトレルビルの糞便中排泄率は投与量の50.7%、尿中排泄率は投与量の19.0%であり、投与量の18.7%(糞便中に投与量の12.0%、尿中に投与量の6.8%)が代謝物として排泄された4)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

軽度(60≦推算糸球体ろ過量[eGFR]<90mL/min)、中等度(30≦eGFR<60mL/min)、重度(eGFR<30mL/min)の腎機能障害患者各8例に本剤(エンシトレルビルとして375mg)を単回経口投与したとき注1)の薬物動態の比較を表16-3に示す。軽度、中等度及び重度腎機能障害患者のエンシトレルビルのAUCは、健康成人と比較してそれぞれ1.44倍、1.49倍及び1.60倍であった6)(外国人データ)。

投与群 例数 Cmax※1
(μg/mL)
AUC0-inf※1
(μg・hr/mL)
健康成人に対する比※2
Cmax AUC0-inf
健康成人 8 15.5
(34.7)
996.0
(26.0)
- -
腎機能障害 軽度 8 20.5
(18.9)
1432
(20.8)
1.32
(1.04-1.68)
1.44
(1.17-1.76)
中等度 8 20.5
(12.6)
1483
(26.0)
1.33
(1.06-1.66)
1.49
(1.19-1.86)
重度 8 17.2
(19.8)
1596
(26.1)
1.11
(0.87-1.42)
1.60
(1.28-2.01)

※1:幾何平均値(%変動係数)

※2:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)

  1. 16.6.2肝機能障害患者

軽度(Child-Pugh分類A)肝機能障害患者9例及び中等度(Child-Pugh分類B)肝機能障害患者8例に本剤(エンシトレルビルとして375mg)を単回経口投与したとき注1)の薬物動態の比較を表16-4に示す。軽度及び中等度肝機能障害患者のエンシトレルビルのAUCは、健康成人と比較してそれぞれ1.03倍及び0.87倍であった7)(外国人データ)。

投与群 例数 Cmax※1
(μg/mL)
AUC0-inf※1
(μg・hr/mL)
健康成人に対する比※2
Cmax AUC0-inf
健康成人 8 20.5
(15.1)
1150
(24.4)
- -
肝機能障害 軽度 9 18.2
(17.0)
1180
(30.1)
0.89
(0.77-1.02)
1.03
(0.81-1.29)
中等度 8 15.3
(30.4)
1003
(24.6)
0.74
(0.60-0.91)
0.87
(0.71-1.08)

※1:幾何平均値(%変動係数)

※2:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1In vitro試験

エンシトレルビルはCYP3Aを時間依存的に阻害し、CYP2B6及びCYP3Aを誘導する。

また、エンシトレルビルはP糖蛋白質(P-gp)及び乳がん耐性蛋白質(BCRP)の基質であり、P-gp、BCRP、有機アニオントランスポーターポリペプチド(OATP)1B1、OATP1B3、有機アニオントランスポーター(OAT)3及び有機カチオントランスポーター(OCT)1を阻害する8)。

  1. 16.7.2臨床試験

健康成人を対象に薬物相互作用を評価した。併用薬の薬物動態に及ぼすエンシトレルビルの影響及びエンシトレルビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響を表16-5及び表16-6に示す2),9),10)。

**なお、エンシトレルビルは、ドロスピレノン・エチニルエストラジオールの薬物動態に臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった。

併用薬 用法・用量 例数 併用薬の単独投与時に
対する比※1
本薬 併用薬 評価日 Cmax AUC0-inf
ミダゾラム
(CYP3A基質)
1日目
375mg、
2~5日目
125mg
(本剤)
2mg
単回
本薬投与
5日目
14 2.80
(2.38, 3.30)
6.77
(6.16,7.44)
デキサメタゾン
(合成副腎皮質ホルモン製剤)
1日目
750mg、
2~5日目
250mg
(錠剤)※2、注1)
1mg
単回
本薬投与
5日目
14 1.47
(1.30, 1.67)
3.47
(3.23, 3.72)
※3、※4
本薬最終投与から5日目 14 1.24
(1.09, 1.40)
2.38
(2.23, 2.54)
※4
本薬最終投与から10日目 14 1.17
(1.04, 1.33)
1.58
(1.47, 1.70)
※3、※4
プレドニゾロン
(合成副腎皮質ホルモン製剤)
10mg
単回
本薬投与
5日目
14 1.11
(1.00, 1.24)
1.25
(1.22, 1.28)
本薬最終投与から5日目 14 1.10
(0.99, 1.22)
1.12
(1.10, 1.15)
本薬最終投与から10日目 14 0.99
(0.89, 1.10)
1.04
(1.01, 1.07)
ジゴキシン
(P-gp基質)
500mg
単回
(本剤)注1)
0.25mg
単回
本薬投与
1日目
14 2.17
(1.72, 2.73)
1.31
(1.13, 1.52)
※3、※4
ロスバスタチン
(BCRP、
OATP1B1及び
OATP1B3基質)※5
2.5mg
単回
本薬投与
1日目
14 1.97
(1.73, 2.25)
1.65
(1.47, 1.84)
メトホルミン
(OCT1、OCT2、
MATE1及び
MATE2基質)
500mg
(塩酸塩
として)
単回
本薬投与
1日目
14 1.03
(0.91, 1.16)
1.02
(0.94, 1.11)
**ドロスピ
レノン・
エチニル
エストラ
ジオール
(経口避妊薬)※6
20日目
375mg、
21~24日目
125mg
(本剤)
1~24
日目
ドロスピ
レノン
3mg
24日目 23 1.50
(1.38, 1.63)
1.80
(1.69, 1.93)
※7
1~24
日目
エチニル
エストラ
ジオール
0.02mg
24日目 23 1.12
(1.04, 1.21)
1.07
(0.98, 1.18)
※7

※1:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)

※2:250mg錠

※3:併用時11例

※4:非併用時13例

※5:エンシトレルビル非併用投与時に対する併用投与時のコプロポルフィリンI(OATP1B1及びOATP1B3の内因性バイオマーカー)のCmax及びAUC0-96hの幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ1.15(1.11, 1.20)及び1.11(1.07, 1.16)であった。

※6:外国人データ。国内において、「避妊」に関する効能又は効果は承認されていない。

※7:AUC0-τ

併用薬 投与量 例数 本薬の単独投与時に対する比※1
併用薬 本薬 本薬投与
1日目
本薬投与
5日目
Cmax AUC0-τ Cmax AUC0-τ
イトラコナゾール 200mg
1日1回※2
1日目
375mg、
2~5日目
125mg
(本剤)
14 1.05
(0.98,1.14)※4
1.10
(1.03,1.18)※4
1.24
(1.18,1.30)※4
1.31
(1.26,1.38)※4
カルバマゼピン 300mg
1日2回※3
14 0.92
(0.66,1.28)※5
0.79
(0.63,0.99)※5
0.62
(0.55,0.69)※5
0.54
(0.50,0.59)※5

※1:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)

※2:イトラコナゾールは投与1日目のみ1日2回投与

※3:カルバマゼピンは1~3日目は100mgを1日2回投与、4~7日目は200mgを1日2回投与し、8日目から300mgを1日2回投与

※4:併用時13例

※5:併用時3例

注1)本薬の承認された剤形は125mg錠であり、用法・用量は「通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する」である。