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ソル・コーテフ静注用500mg

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者

  3. 2.3免疫抑制が生じる量の本剤を投与中の患者には生ワクチン又は弱毒生ワクチンを接種しないこと

効能・効果

  • 急性循環不全(出血性ショック、外傷性ショック)及びショック様状態における救急

  • 気管支喘息

用法・用量

  • 〈急性循環不全(出血性ショック、外傷性ショック)及びショック様状態における救急〉

通常、ヒドロコルチゾンとして1回250~1000mgを緩徐に静注又は点滴静注する。なお、症状が改善しない場合には、適宜追加投与する。

  • 〈気管支喘息〉

通常、成人には、ヒドロコルチゾンとして初回投与量100~500mgを緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する。症状が改善しない場合には、1回50~200mgを4~6時間毎に緩徐に追加投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。 通常、2歳以上の小児には、ヒドロコルチゾンとして初回投与量5~7mg/kgを緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する。症状が改善しない場合には、1回5~7mg/kgを6時間毎に緩徐に追加投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。 通常、2歳未満の小児には、ヒドロコルチゾンとして初回投与量5mg/kgを緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する。症状が改善しない場合には、1回5mg/kgを6~8時間毎に緩徐に追加投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与により、誘発感染症、循環器障害、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。

  2. 8.1.1本剤を感染性ショックに使用した場合の有効性は、確認されていない。

  3. 8.1.2ショック状態の患者には、ショックが改善すれば、直ちに投与を中止すること。

  4. 8.1.3他の副腎皮質ホルモン剤で高用量を急速静注することにより、心停止、循環性虚脱、不整脈等があらわれたとの報告があるので、本剤の高用量を使用する場合には緩徐に投与すること。

  5. 8.1.4投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。

  6. 8.1.5副腎皮質ホルモン剤の連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。

  7. 8.2特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。

  8. 8.2.1本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。

  9. 8.2.2水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を行うこと。

  10. 8.2.3水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。

  11. 8.3高用量を数日間以上投与する場合には、高ナトリウム血症を発現することがあるため、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムなどの他のステロイド剤に置き換えることが望ましい。

  12. 8.4連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査することが望ましい。

  13. 8.5*リンパ系腫瘍を有する患者にヒドロコルチゾン製剤(注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群があらわれたとの報告がある。本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し、適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1以下の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

  2. (1)有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者

免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させるので、感染症を悪化させるおそれがある。

  1. (2)急性心筋梗塞を起こした患者

心破裂を起こしたとの報告がある。

  1. 9.1.2消化性潰瘍、憩室炎の患者

消化管保護作用を減弱させ、また、組織の修復を阻害するので、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.3糖尿病の患者

糖新生を促進させ、また、細胞のインスリンに対する感受性を低下させるので、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4感染症の患者(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者を除く)

感染症に対する適切な処置を行うこと。免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。また、炎症反応を抑制し、徴候を隠蔽するおそれがある。

  1. 9.1.5結核性疾患の患者

免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させ、症状を悪化又は顕性化させるおそれがあるので、適宜抗結核療法を併用すること。

  1. 9.1.6単純疱疹性角膜炎の患者

角膜に穿孔を生じるおそれがある。

  1. 9.1.7骨粗鬆症の患者

骨基質の合成を阻害し、骨形成を抑制するので、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.8精神病の患者

中枢神経刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.9後嚢白内障の患者

水晶体嚢の透過性を変化させ、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.10緑内障の患者

眼圧を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.11高血圧症、うっ血性心不全の患者

ナトリウム貯留作用により、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.12電解質異常のある患者

電解質代謝に影響を与えるので、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.13甲状腺機能低下のある患者

代謝が阻害され、副作用があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.14脂肪肝、脂肪塞栓症の患者

脂質代謝に影響を与えるので、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.15血栓症の患者

血液凝固促進作用により、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.16重症筋無力症の患者

使用当初、一時症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.17気管支喘息の患者

喘息発作を悪化させることがある。薬物、食物、添加物等に過敏な喘息患者(アスピリン喘息の既往を有する患者等)には特に注意が必要である。

  1. 9.1.18最近行った内臓の手術創のある患者

組織の修復を阻害するので、創傷治癒が障害されるおそれがある。

  1. 9.1.19潰瘍性大腸炎(切迫穿孔、膿瘍、他の化膿性感染症の疑いがある場合)の患者

炎症反応を抑制するので、これらの疑いがある場合、その徴候を隠蔽するおそれがある。

  1. 9.1.20B型肝炎ウイルスキャリアの患者

本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。また、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎不全の患者

ナトリウム貯留作用により、症状を悪化させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝硬変の患者

代謝が阻害され、副作用があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、腹腔内投与)で催奇形作用(口蓋裂)が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。糖質コルチコイドは母乳中へ移行することがある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1観察を十分に行うこと。発育抑制があらわれることがある。

  2. 9.7.2長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。

  3. 9.7.3新生児及び乳児において一過性の肥大型心筋症が起こることが報告されている1)ため、本剤投与前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)によるモニタリングを行うなど、児の状態を十分に観察すること。

9.8 高齢者

慎重に投与すること。長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。

相互作用

  • 本剤は、主にCYP3A4により代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
生ワクチン又は弱毒生ワクチン
• (乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥BCGワクチン等)
ワクチン株の異常増殖又は毒性の復帰があらわれるおそれがある。 免疫抑制が生じる量の副腎皮質ホルモン剤の投与を受けている患者
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿) 低ナトリウム血症が発現するおそれがある。 機序不明

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エリスロマイシン
エストロゲン(経口避妊薬を含む)2)
本剤の作用が増強するおそれがある。
必要に応じて本剤又はこれらの薬剤を減量するなど用量に注意すること。
これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。
抗凝血剤
• パルナパリンナトリウム
ワルファリンカリウム等
抗凝血剤の作用を増強又は減弱させるおそれがある。
必要に応じて本剤又は抗凝血剤の用量を調節すること。
本剤は血液凝固能を高め、抗凝血剤の効果に拮抗する可能性がある。
また一方、本剤の消化器系の副作用により、抗凝血剤の出血の危険性が増大する可能性がある。
非脱分極性筋弛緩剤
• ベクロニウム臭化物
パンクロニウム臭化物等
非脱分極性筋弛緩剤の作用を増強又は減弱させるおそれがある。
また、併用により短期間でミオパチーがあらわれ、四肢麻痺に至るおそれがある。
必要に応じて本剤又は非脱分極性筋弛緩剤の用量を調節すること。
機序不明
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤
• サザピリン
ジクロフェナク等
消化器系の副作用(消化性潰瘍、消化管出血等)を起こすおそれが高くなる。
必要に応じて本剤又は非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤を減量するなど用量に注意すること。
ともに消化器系の副作用を起こすおそれがある。
カリウム排泄型利尿剤
• トリクロルメチアジド
ヒドロクロロチアジド
フロセミド等
低カリウム血症があらわれるおそれがある。
必要に応じて本剤又はカリウム排泄型利尿剤を減量するなど用量に注意すること。
カリウム排泄が促進される。
ジゴキシン ジゴキシン中毒があらわれるおそれがある。
必要に応じて本剤又はジゴキシンを減量するなど用量に注意すること。
カリウム排泄による血中カリウム値低下により、ジゴキシンの作用が増強する。
サリチル酸誘導体
• サザピリン
アスピリン等
サリチル酸中毒(めまい、耳鳴、悪心・嘔吐、過呼吸、高熱、意識障害等の症状)を起こすおそれがある。
必要に応じて本剤又はサリチル酸誘導体の用量を調節すること。
サリチル酸中毒があらわれた場合には、サリチル酸誘導体の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤はサリチル酸誘導体の代謝・排泄を促進すると考えられているので、本剤の急な減量又は中止により、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加すると考えられる。
バルビツール酸誘導体
• フェノバルビタール等フェニトイン
リファンピシン2),3)
本剤の作用が減弱するおそれがある。
必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の用量を調節すること。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。
糖尿病用剤
• ビグアナイド系薬剤
スルホニルウレア剤
速効型インスリン分泌促進剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤インスリン製剤等
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。
必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の用量を調節すること。
本剤の糖新生促進作用等により、血糖値を上昇させる。
シクロスポリン 双方の血中濃度が上昇するおそれがある。また、痙攣が起こるおそれがある。
必要に応じて本剤又はシクロスポリンを減量するなど用量に注意すること。
相互に代謝が阻害される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
カリウム低下 頻度不明
クッシング様症状 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
ステロイド腎症 頻度不明
そう痒 頻度不明
ナトリウム貯留 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不眠 頻度不明
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害 頻度不明
仮性脳腫瘍 頻度不明
低カリウム性アルカローシス 頻度不明
体重増加 頻度不明
創傷治癒障害 頻度不明
口渇 頻度不明
多幸症 頻度不明
多毛 頻度不明
徐脈 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
月経異常 頻度不明
浮腫 頻度不明
満月様顔貌 頻度不明
無菌膿瘍 頻度不明
疲労感 頻度不明
発汗異常 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球増多 頻度不明
皮下溢血 頻度不明
皮膚菲薄化・脆弱化 頻度不明
眼球突出 頻度不明
窒素負平衡 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
精子数及びその運動性の増減 頻度不明
紅斑 頻度不明
紫斑 頻度不明
線条 頻度不明
胃痛 頻度不明
胸やけ 頻度不明
脂肪織炎 頻度不明
脂肪肝 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
膵炎 頻度不明
色素沈着 頻度不明
色素脱失 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血圧降下 頻度不明
野牛肩 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲亢進 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細胞内の受容体を介してDNAに働き、遺伝子の転写を調節することにより、作用を発揮する。

18.2 薬効を裏付ける試験成績

  1. 18.2.1副腎機能不全の補償作用

コルチコステロイドは副腎機能不全に伴う副腎皮質ステロイドの不足を補充する7),8),9),10),11)。

  1. 18.2.2抗ショック作用

コルチコステロイドはカテコラミンの作用を増強し、ライソゾームの安定化、血小板凝集阻止に加え毛細血管内膜及び肺胞上皮細胞を保護する7),8),9),10),11)。

  1. 18.2.3抗炎症作用

コルチコステロイドは、炎症の初期過程(浮腫、フィブリン沈着、毛細管拡張等)及び晩期過程(毛細血管と線維芽細胞の分裂等)を抑制する。抗炎症作用がサイトカインの接着分子の抑制を介して、nuclear factor κB(NF-κB)作用を抑制する7),8),9),10),11)。

  1. 18.2.4抗アレルギー作用、抗体産生の抑制

コルチコステロイドは、毛細血管透過亢進、血管拡張、非血管性平滑筋収縮などの因子と同様に種々の化学走化物質の産生を抑制することにより白血球等の作用を阻止する7),8),9),10),11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ヒドロコルチゾンとして1回1mg/kg筋肉内投与後の血中濃度は、30~60分で最高値となり、また、1回100mg静脈内投与後の生物学的半減期は約100分である4),5)(外国人データ)。

16.3 分布

ラットに3H-ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムを投与したとき、15分後における体内分布は、副腎を除くと肝が最も高く、次いで血清、腎、肺、脾、脳、筋肉の順であった6)。

16.4 代謝

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムは体内で速やかに加水分解され、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル及びヒドロコルチゾンとして存在した(ラット)。生物学的作用・代謝等は、ヒドロコルチゾンを投与したときとほぼ同様に行われるものと考えられる6)。

16.5 排泄

ヒトのコルチコステロイドは主としてグルクロン酸抱合型で尿中に排泄されることが知られている6)。