Clinical snapshot

セフゾンカプセル50mg

セフジニルカプセルCefdinir

添付文書改訂 2026年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

通常、セフジニルとして成人1回100mg(力価)を1日3回経口投与する。 なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。

  3. 8.3汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  4. 8.4急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  5. 8.5劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST、ALT、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

  3. 9.1.3経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1高度の腎障害のある患者

腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。

  • 生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。

  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
鉄剤 本剤の吸収を約10分の1まで阻害するので、併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、本剤の投与後3時間以上間隔をあけて投与する。 腸管内において鉄イオンとほとんど吸収されない錯体を形成する。
ワルファリンカリウム ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。 腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。
制酸剤(アルミニウム又はマグネシウム含有) 本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与後2時間以上間隔をあけて投与する。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
BUN上昇 1%未満
カンジダ症 頻度不明
しびれ 頻度不明
そう痒 1%未満
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 頻度不明
めまい 1%未満
下痢 1〜5%未満
便秘 1%未満
出血傾向等) 頻度不明
口内炎 1%未満
口内炎 頻度不明
嘔吐 1%未満
好酸球増多 1〜5%未満
悪心 1%未満
浮腫 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1〜5%未満
神経炎等) 頻度不明
紅斑 頻度不明
胃部不快感 1〜5%未満
胸やけ 1%未満
胸部圧迫感 1%未満
腹痛 1〜5%未満
蕁麻疹 1%未満
頭痛 1%未満
顆粒球減少 1%未満
食欲不振 頻度不明
食欲不振 1%未満
黒毛舌 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

作用機序は細菌細胞壁の合成阻害であり、その作用点は菌種により異なるが、ペニシリン結合蛋白(PBP)の1(1a、1bs)、2及び3に親和性が高い16),17) 。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1グラム陽性菌及び陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを有し、特にグラム陽性菌のブドウ球菌属、レンサ球菌属等に対して強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である18),19),20),21),22) (in vitro)。

  2. 18.2.2各種細菌の産生するβ-lactamaseに安定で、β-lactamase産生菌にも優れた抗菌力を示す16),17),18),19),20) (in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人6例に50、100、200mg注1) (力価)を空腹時単回経口投与すると約4時間後にそれぞれ0.64、1.11、1.74μg/mLの最高血漿中濃度が得られ、その消失半減期は1.6~1.8時間であった2) 。

16.2 吸収

健康成人6例に100mg(力価)を空腹時及び食後に単回経口投与したとき、最高血漿中濃度は約4時間後にそれぞれ1.25、0.79μg/mLであり、食後投与では吸収がやや低下した3) 。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織内移行

患者喀痰中4) 、扁桃組織5),6) 、上顎洞粘膜組織5),6) 、中耳分泌物5),6) 、皮膚組織7) 、口腔組織8),9) 等への移行が認められた。なお、乳汁中への移行は認められていない10) 。

16.4 代謝

ヒトの血漿、尿及び糞便中には抗菌活性代謝物質は認められていない2) 。

16.5 排泄

  1. 16.5.1主として腎より排泄される。

  2. 16.5.2健康成人6例(空腹時)における50、100、200mg注1) (力価)経口投与時の尿中排泄率(0~24時間)は約26~33%で、最高尿中濃度は4~6時間でそれぞれ44.3、81.5、132μg/mLであった2) 。

注1)本剤の承認された用法・用量は、「通常、セフジニルとして成人1回100mg(力価)を1日3回経口投与する。なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。」である。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

  2. (1)腎機能障害患者に100mg(力価)を単回経口投与したとき、血漿中濃度の消失半減期は、腎機能の低下に伴い延長が認められた11) 。

Ccr(mL/min) 例数 t1/2(h) AUC(μg・h/mL)
≧100 3 1.66 2.76
51~70 1 2.41 10.74
31~50 3 2.92 7.48
≦30 2 4.06 16.94
  1. (2)腎機能障害患者に100mg(力価)を単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い排泄の遅延が認められた11) 。

  2. 16.6.2血液透析患者

血液透析患者6例に100mg(力価)を食後に単回経口投与したとき、血漿中濃度の消失半減期は健康成人の約11倍に増加した。同じ患者に100mg(力価)を食後に単回経口投与し、ほぼ最高血漿中濃度に達した時間より4時間透析を施行したとき、透析中の半減期は非透析日の約1/6に短縮し、透析による除去率は61%であった12) 。

Cmax(μg/mL) Tmax(h) t1/2(h) AUC0-∞(μg・h/mL) 除去率(%)
非透析日 2.36 9.00 16.95 69.05
透析日 2.03 2.76注2) 30.18 61

注2)透析中の半減期