Clinical snapshot

スパニジン点滴静注用100mg

グスペリムス塩酸塩製剤

添付文書改訂 2023年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

妊婦又は授乳婦

効能・効果

腎移植後の拒絶反応(促進型及び急性)の治療

用法・用量

本剤は、通常、成人にはグスペリムス塩酸塩として1日1回、体重1kg当たり3~5mgを注射用水、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解し、更に100~500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、3時間かけて点滴静注する。なお、投与期間は連続7日間とするが、患者の病態に応じ連続10日間投与することもできる。

使用上の注意

  1. 8.1拒絶反応の確定診断後に本剤を投与すること。

  2. 8.2本剤の投与により血液障害が起こる場合があるため、頻回に血液検査を行うこと。投与開始後約2週目に最低値となることが認められており、また、投与期間が長くなると血液障害の程度が強くなる傾向があるので、本剤の投与終了後も患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3本剤の投与にあたっては、血漿中濃度の急激な上昇に伴う呼吸抑制の発現を避けるため、必ず3時間かけて点滴静注すること。

  4. 8.4本剤を同一患者に再使用する場合には、2週間以上の間隔をおき使用すること。

  5. 8.5透析を行う必要のある場合、本剤は透析終了後に投与すること。

  6. 8.6免疫抑制療法は、二次的感染症(サイトメガロウイルス等)に対して感受性を高める可能性がある。二次的感染が生じた場合には適切な治療を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄抑制のある患者

骨髄抑制を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.2出血性素因のある患者

出血傾向を増長させるおそれがある。

  1. 9.1.3肝炎ウイルスキャリアの患者

B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。

9.2 腎機能障害患者

減量するなど慎重に投与すること。副作用(特に血液障害、消化器症状)の発現率が高くなる。

9.3 肝機能障害患者

減量するなど慎重に投与すること。副作用(特に血液障害、消化器症状)の発現率が高くなる。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)において、胎仔又は出生仔の発育遅延、胎生期死亡等が認められている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児に対する安全性は確立されていない(小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 1%未満
しびれ感(顔面 頻度不明
トリグリセライド上昇 頻度不明
ナトリウム異常等) 1%未満
ほてり 頻度不明
倦怠感 頻度不明
口唇周囲 頻度不明
嘔吐 1%未満
尿糖 1%未満
悪心・嘔気 頻度不明
手足等) 頻度不明
総コレステロール減少 1%未満
総ビリルビン上昇 頻度不明
総蛋白減少 頻度不明
胃部不快感 1%未満
胸やけ 1%未満
腹部膨満感 1%未満
電解質異常(カリウム異常 1%未満
頭痛・頭重 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は細胞傷害性Tリンパ球の前駆細胞から細胞傷害性Tリンパ球への成熟及び細胞傷害性Tリンパ球の増殖を抑制することによって拒絶反応の進行を妨げるとともに、活性化Bリンパ球の増殖又は分化を抑制することによって抗体産生を抑制する。また本剤はリンフォカイン産生の抑制作用、抗炎症作用などを有さないことから、シクロスポリンやステロイドの作用機序とは異なる。リンパ球の増殖阻害という点ではアザチオプリンやミゾリビンと類似するが、本剤は核酸合成の阻害作用や殺細胞作用を持たない点でこれらの薬剤とは異なる4),5),6),7),8)。

18.2 免疫抑制作用

  • 本剤はラット同種皮膚移植において、移植片の生着日数を有意に延長させ、急性拒絶反応の治療効果を示した9)。

  • 本剤はイヌ同種腎移植における進行中の急性拒絶反応に対し、治療効果を示した10),11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

本剤を20~500mg/m2/日で、5日間静脈内反復投与したときの最高血漿中濃度(Cmax)は投与量に依存して増大し、20~400mg/m2/日の範囲で線形性を示した。 腎移植患者における本剤の血漿からの消失半減期は、癌患者におけるそれよりも長くなる傾向が認められた。

本剤180mg/m2/日(約4.5mg/kg/日)を静脈内投与したときの血漿中濃度の比較(3時間持続投与)