Clinical snapshot

ステラーラ点滴静注130mg

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年01月01日

【警告】

  1. 1.1本剤はIL-12/23の作用を選択的に抑制する薬剤であるため、感染のリスクを増大させる可能性がある。また、結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

  2. 1.2重篤な感染症 ウイルス、細菌及び真菌による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。

  3. 1.3結核等の感染症について診療経験を有する内科等の医師と十分な連携をとり使用すること。

  4. 1.4本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分勘案すること。

  5. 1.5本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 中等症から重症の活動期クローン病の導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

  • 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法・用量

通常、成人にはウステキヌマブ(遺伝子組換え)として、導入療法の初回に、以下に示す用量を単回点滴静注する。

患者体重 投与量
55kg以下 260mg
55kgを超える85kg以下 390mg
85kgを超える 520mg

使用上の注意

  1. 8.1本剤はIL-12/23の作用を選択的に抑制する薬剤であり、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導すること。

  2. 8.2本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。 また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。

  3. 8.3本剤はIL-12/23の作用を選択的に抑制する薬剤であり、悪性腫瘍発現の可能性があり、臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。

  4. 8.4生ワクチン接種に起因する感染症発現の可能性を否定できないので、本剤による治療中は、生ワクチンを接種しないこと。

  5. 8.5他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。

  6. 8.6本剤投与中又は投与当日にInfusion Reaction(発熱、悪寒、嘔気、嘔吐、頭痛、発疹等)が発現する可能性があるため、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置(抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬の投与等)を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症(重篤な感染症を除く)の患者、感染症が疑われる又は再発性感染症の既往歴のある患者

感染症を悪化又は顕在化させるおそれがある。

  1. 9.1.2結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者

  2. (1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある。

  3. (2)結核の既往歴を有する場合又は結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。下記のいずれかの患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。

  • 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

  • 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

  • インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者

  • 結核患者との濃厚接触歴を有する患者

  1. 9.1.3悪性腫瘍の既往歴のある患者、悪性腫瘍を発現し、本剤投与継続を考慮している患者

悪性腫瘍の既往歴のある患者を対象とする試験は実施されていない。[1.1 参照],[8.3 参照]

  1. 9.1.4アレルゲン免疫療法を受けた患者

アレルゲン免疫療法を受けた患者における本剤の使用については評価されていないが、本剤はアレルゲン免疫療法に影響を与える可能性がある。特にアナフィラキシーに対するアレルゲン免疫療法を受けている又は過去に受けたことのある患者については注意すること。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はカニクイザルにおいて胎児への移行が報告されているが、胚・胎児毒性及び催奇形性は認められていない。

  2. 9.5.2本剤の投与を受けた患者からの出生児に対して生ワクチンを投与する際には注意すること。本剤は胎盤通過性があるとの報告があるため、感染のリスクが高まるおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいてごく少量乳汁中へ移行することが報告されている。1),2),3)

9.7 小児等

小児等の患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
うつ病 頻度不明
ざ瘡 1%未満
そう痒症 頻度不明
上気道感染 1%未満
下痢 1%未満
乾癬性紅皮症 頻度不明
副鼻腔炎 1%未満
咽喉頭疼痛 1%未満
嘔吐 1%未満
外陰腟真菌感染 1%未満
好酸球性肺炎 頻度不明
帯状疱疹 1%未満
悪心 頻度不明
歯肉炎 頻度不明
注射部位反応 1%未満
浮動性めまい 1%未満
無力症 1%未満
疲労 頻度不明
発疹 1%未満
筋痛 1%未満
背部痛 1%未満
膿疱性乾癬 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
過敏性血管炎 1%未満
関節痛 1%未満
頭痛 頻度不明
鼻咽頭炎 頻度不明
鼻閉 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

In vitro試験において、本剤はヒトインターロイキン(IL)-12及びIL-23を構成するp40たん白サブユニットに特異的かつ高い親和性で結合し12)、IL-12及びIL-23受容体複合体への結合を阻害した13)。

18.2 薬理作用

In vitro 試験において、IL-12及びIL-23によって活性化されるヘルパーT細胞及びナチュラルキラー細胞などの免疫担当細胞の細胞内シグナル伝達並びにIFN-γ、IL-17A、IL-17F及びIL-22の分泌を抑制した14)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  • 〈効能共通〉
  1. 16.1.1単回投与

健康成人に本剤6mg/kg※を単回静脈内投与したときの血中濃度推移と薬物動態パラメータは以下であった。6)(外国人データ)

外国人健康成人に本剤を単回静脈内投与したときの血清中ウステキヌマブ濃度推移(平均値±標準偏差、69例)

AUC∞
(μg・day/mL)
3132.4注)
(690.2)
t1/2
(day)
24.7注)
(6.2)

平均値(標準偏差)、69例(注)68例) ※本剤の体重別用量群(承認用量):体重55kg以下=本剤260mg、体重55kg超85kg以下=本剤390mg、体重85kg超=本剤520mg

  • 〈クローン病〉
  1. 16.1.2単回投与(国際共同臨床試験)

日本人及び外国人のクローン病患者に、用法・用量に従って本剤を単回静脈内投与したとき、血清中ウステキヌマブ濃度は投与1時間後に113(23.7)μg/mL(n=28)及び126(34.1)μg/mL(n=412)、8週後に4.04(2.92)μg/mL(n=15)及び7.09(4.57)μg/mL(n=292)を示した。7)[平均値(標準偏差)]

  • 〈潰瘍性大腸炎〉
  1. 16.1.3単回投与(国際共同臨床試験)

日本人及び外国人の潰瘍性大腸炎患者に、用法・用量に従って本剤を単回静脈内投与したとき、血清中ウステキヌマブ濃度は投与1時間後に129(27.4)μg/mL(n=39)及び126(33.3)μg/mL(n=273)、8週後に7.40(4.04)μg/mL(n=36)及び9.14(5.50)μg/mL(n=224)を示した。8)[平均値(標準偏差)]

16.4 代謝

ウステキヌマブは、ヒトIgG1由来の抗体であることから、他の免疫グロブリン9)と同様に代謝されると推察される。

16.7 薬物相互作用

本剤を承認用法・用量で投与したクローン病患者にカフェイン(CYP1A2基質)、ワルファリン(CYP2C9基質)、オメプラゾール(CYP2C19基質)、デキストロメトルファン(CYP2D6基質)及びミダゾラム(CYP3A基質)を併用した際の基質薬の薬物動態パラメータの変化を表に示す。(外国人データ)

基質薬 薬物動態パラメータ n 併用、非併用時の幾何平均値の比a)(%)
(幾何平均値の比の90%信頼区間(%))
22日目 113日目
カフェイン
(CYP1A2)
Cmax 15 99.56
(89.22-111.11)
108.40
(97.14-120.98)
AUC∞ 14 102.54
(93.01-113.06)
111.06
(100.73-122.45)
ワルファリン
(CYP2C9)
Cmax 16 96.49
(86.27-107.91)
103.87
(92.87-116.17)
AUC∞ 11 106.60
(95.28-119.27)
102.30
(91.43-114.47)
オメプラゾール
(CYP2C19)
Cmax 15 72.65
(56.82-92.89)
100.68
(78.74-128.73)
AUC∞ 5 95.75
(77.41-118.44)
116.16
(93.91-143.68)
デキストロメトルファン
(CYP2D6)
Cmax 16 90.41
(72.56-112.66)
101.63
(81.56-126.64)
AUC∞ 9 92.26
(70.55-120.65)
107.60
(82.28-140.70)
ミダゾラム
(CYP3A)
Cmax 16 100.95
(87.64-116.27)
88.61
(76.93-102.07)
AUC∞ 16 106.98
(96.16-119.01)
89.92
(80.83-100.04)

a):8日目及び64日目に本剤を静脈内及び皮下投与(承認用法・用量)、並びに1日目、22日目及び113日目に基質薬を投与。併用、非併用時の幾何平均値の比は22日目又は113日目と1日目を比較して算出。