Clinical snapshot

スキリージ点滴静注600mg

リサンキズマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2024年10月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される患者のみに使用すること。本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること。

  2. 1.2重篤な感染症

ウイルス及び細菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。

  1. 1.3本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分勘案すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

  • *中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法・用量

  • 〈クローン病〉

通常、成人にはリサンキズマブ(遺伝子組換え)として、600mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注する。なお、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与用製剤による維持療法開始16週以降に効果が減弱した場合、1200mgを単回点滴静注することができる。

  • *〈潰瘍性大腸炎〉

通常、成人にはリサンキズマブ(遺伝子組換え)として、1200mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注する。なお、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与用製剤による維持療法開始16週以降に効果が減弱した場合、1200mgを単回点滴静注することができる。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。

  2. 8.2本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。 また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。

  3. 8.3本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。

  4. 8.4他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。

  5. 8.5臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者

感染症が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者

結核症の発現に十分に注意すること。

  1. (1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある。

  2. (2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること。

  • 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

  • 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

  • インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者

  • 結核患者との濃厚接触歴を有する患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はカニクイザルにおいて胎児への移行が報告されているが、胎児・出生児に毒性及び催奇形性は認められていない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
1%未満
頻度不明
頻度不明
そう痒感 1%未満
上気道感染 1〜5%未満
出血 1%未満
毛包炎 1%未満
注射部位反応(紅斑 1%未満
疲労 1〜5%未満
疼痛 1%未満
白癬感染 頻度不明
硬結等) 1%未満
腫脹 1%未満
頭痛 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

リサンキズマブは、インターロイキン(IL)-23に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、IL-23のp19サブユニットに結合し、IL-23の作用を中和する13),14),15)。

18.2 in vitro中和作用

  1. 18.2.1ヒトびまん性大細胞型リンパ腫由来ヒトBリンパ芽球細胞株において、リサンキズマブはSTAT3のIL-23依存的リン酸化を阻害した14)。

  2. 18.2.2マウス脾細胞において、リサンキズマブはヒトIL-23刺激によるIL-17の産生誘導を抑制した14)。

18.3 in vivo中和作用

ヒトIL-23により誘導されるマウス耳介炎症モデルにおいて、リサンキズマブは耳介の腫脹及び耳組織中のIL-17及びIL-22の産生を抑制した15)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人(各群6例)にリサンキズマブ18、90若しくは300mgを単回皮下投与したとき又は200~1800mgを静脈内投与※したときのリサンキズマブの血漿中濃度は、いずれも用量に比例して増加した2),3)。

健康成人にリサンキズマブ200mg~1800mgを単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移

200mg 600mg 1200mg 1800mg※
Cmax(μg/mL) 60.1(14) 225(8) 363(15) 693(16)
t1/2(day) 31.2(7.38) 30.7(2.56) 32.7(14.2) 28.2(5.70)
AUC∞
(μg・day/mL)
998
(12)
3620
(9)
7020
(28)
11200
(15)

Cmax、AUC∞:算術平均(CV%)、t1/2:調和平均(疑似標準偏差) ※静脈内投与による本剤の最大承認用量は1200mgである。

  1. 16.1.2*反復投与

クローン病患者にリサンキズマブ600mgを投与0、4、8週時に静脈内投与し、引き続きリサンキズマブ360mgを投与12週時、以降は8週間ごとに皮下投与したとき、導入療法期(投与8-12週時)のCmax及びCtroughの最大値の中央値は各々156及び38.8μg/mLであり、維持療法期(投与40-48週時)の定常状態Cmax及びCtroughの中央値は各々28.0及び8.13μg/mLであった4)(日本人及び外国人併合データ)。 潰瘍性大腸炎患者にリサンキズマブ1200mgを投与0、4、8週時に静脈内投与し、引き続きリサンキズマブ180mg又は360mgを投与12週時、以降は8週間ごとに皮下投与したとき、導入療法期(投与8-12週時)のCmax及びCtroughの最大値の中央値は各々350及び87.7μg/mLであり、維持療法期(投与40-48週時)の定常状態Cmax及びCtroughの中央値は180mg投与で各々19.6及び4.64μg/mLであり、360mg投与で各々39.2及び9.29μg/mLであった5)(日本人及び外国人併合データ)。

  1. 16.1.3*母集団薬物動態解析

母集団薬物動態解析より、体重70kgのクローン病患者に対するリサンキズマブの全身クリアランス(CL)、定常状態分布容積(Vss)及び終末相消失半減期(t1/2)はそれぞれ0.296L/day、7.68L及び21日であった4)。体重70kgの潰瘍性大腸炎患者に対しては同様に0.27L/day、7.35L及び22.6日であった6)(日本人及び外国人併合データ)。

16.7 薬物相互作用

*尋常性乾癬患者にリサンキズマブ150mgを反復皮下投与したところ、カフェイン(CYP1A2)、ワルファリン(CYP2C9)、オメプラゾール(CYP2C19)、メトプロロール(CYP2D6)及びミダゾラム(CYP3A)の曝露量は併用前後で同程度であった7)。クローン病患者又は潰瘍性大腸炎患者にリサンキズマブ1800mgを投与0、4、8週時に反復静脈内投与したところ、カフェイン、ワルファリン、オメプラゾール、メトプロロール及びミダゾラムの曝露量は併用前後で同程度であった8)(外国人データ)。