Clinical snapshot

スオード錠100

プルリフロキサシン

添付文書改訂 2025年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  3. 2.3小児等

  4. 2.4フェンブフェン、フルルビプロフェン アキセチル、フルルビプロフェンを投与中の患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

本剤の活性本体(ulifloxacin)に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属(チフス菌、パラチフス菌を除く)、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、コレラ菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、コレラ、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎

用法・用量

通常、成人に対して、プルリフロキサシンとして1回264.2mg(活性本体として200mg)を1日2回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1回用量は396.3mg(活性本体として300mg)を上限とする。 肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染には、プルリフロキサシンとして1回396.3mg(活性本体として300mg)を1日2回経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2本剤の使用にあたっては、定められた用法・用量を守り、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  3. 8.3大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2重症筋無力症の患者

症状を悪化させることがある2)。

  1. 9.1.3*大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群等)を有する患者

必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1高度の腎機能障害のある患者

投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

投与しないこと。動物実験(若齢ラット、若齢イヌ)で関節異常が認められている。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1腱障害があらわれやすいとの報告がある。

  2. 9.8.2投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験で、半減期の延長が認められており、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• フェンブフェン
• フルルビプロフェン アキセチル• (ロピオン)
• フルルビプロフェン• (フロベン等)
痙攣を起こすおそれがある。 本剤のGABAA受容体結合阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• テオフィリン
• アミノフィリン水和物等
テオフィリンの血中濃度を上昇させ、その作用を増強させることがある。併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行う。 軽度なCYP1A阻害作用によりテオフィリンの肝での代謝を抑制し、血中濃度を上昇させると考えられる。
高齢者、腎障害のある患者では特に注意する。
• フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただしフェンブフェンは併用禁忌)• ジクロフェナク等
• プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただしフルルビプロフェン アキセチル及びフルルビプロフェンは併用禁忌)• ケトプロフェン等
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。 本剤のGABAA受容体結合阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられる。
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、高齢者、腎障害のある患者では特に注意する。
• アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤• 酸化マグネシウム等
• 鉄剤• クエン酸第一鉄ナトリウム等
• カルシウム含有製剤• 沈降炭酸カルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム水和物等
本剤の効果が減弱されるおそれがある。これらの薬剤を投与する場合は、本剤投与後2時間以上あけるなど注意すること。 これらの薬剤の金属イオンとキレートを形成し、吸収を阻害すると考えられる。
• H2-受容体拮抗剤• シメチジン等
• プロトンポンプ阻害剤• オメプラゾール等
本剤の効果が減弱されるおそれがある。 これらの薬剤により胃内pHが上昇し、本剤の溶解性が低下した結果、吸収が低下すると考えられる。
• 副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)• プレドニゾロン
• ヒドロコルチゾン等
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN 1〜5%未満
CK上昇 1〜5%未満
LAP 1〜5%未満
LDH 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
クレアチニンの上昇 1〜5%未満
そう痒感 1%未満
ビリルビンの上昇 1〜5%未満
ほてり 1%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
光線過敏症 頻度不明
動悸 1%未満
口内炎 1〜5%未満
口角炎 1%未満
呼吸困難 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
嘔気 1〜5%未満
好酸球増多 1〜5%未満
浮腫 頻度不明
消化不良 1〜5%未満
湿疹 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
眠気 1%未満
筋肉痛 1%未満
結膜充血 1%未満
耳鳴 1%未満
胸痛 1〜5%未満
脱力感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
蕁麻疹 1%未満
血小板減少 1〜5%未満
血尿 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プルリフロキサシンの活性本体であるulifloxacinは菌体内に高濃度に移行しDNAジャイレース活性を阻害することにより抗菌力を示す15),16)。

18.2 in vitro抗菌作用

ulifloxacinはグラム陽性菌及びグラム陰性菌に広い抗菌スペクトルを有し、特に、緑膿菌、セラチア・マルセッセンス、エンテロバクター属等のグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示す。ulifloxacinのMICとMBCはほぼ等しく、速やかで強い殺菌作用を有し、subMIC領域においても殺菌的に作用する15),16),17),18)。

18.3 実験的感染症に対する治療効果

本薬はマウス全身感染モデルにおいて高い防御効果を示し、また呼吸器、尿路等の緑膿菌等感染モデルに対しても良好な治療効果を示した17),18),19),20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

本剤は内服後小腸上部より吸収され、腸管組織中、門脈血中及び肝臓通過時に加水分解されて、活性本体であるulifloxacinとして全身に分布するプロドラッグ型の薬剤である。健康成人に132.1、264.2及び528.4mg※を空腹時単回経口投与した後の血漿中ulifloxacin濃度は図1のとおりで、薬物動態パラメータは表1のとおりであった3)。

※本剤の承認された1回用量は264.2~396.3mgである。

図1 健康成人におけるプルリフロキサシン単回経口投与後の血漿中ulifloxacin濃度

投与量
(mg)
例数 Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
T1/2
(hr)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
132.1 6 1.3±0.9 0.68±0.33 7.7±2.0 3.99±1.51
264.2 6 0.7±0.3 1.09±0.41 8.9±1.6 6.41±1.75
528.4 6 0.7±0.3 1.88±0.60 7.9±1.6 9.72±3.55

Mean±S.D.

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は、ulifloxacin濃度0.1~10μg/mLの範囲で50.9~52.1%であった4)(in vitro)。

  1. 16.3.2組織移行性

患者に264.2mgを経口投与した後の前立腺、胆嚢、女性性器、皮膚組織、耳鼻咽喉組織、眼組織、喀痰中の最高ulifloxacin濃度は1.21~8.25μg/g(mL)、血清中濃度に対する比は1.79~58.2と良好な移行性が確認された5),6),7),8),9),10),11),12),13)。

16.4 代謝

本剤は腸管組織中、門脈血中及び肝臓中で主としてulifloxacinに代謝された4)。ulifloxacinの代謝物としては、血漿中及び尿中にピペラジニル基の修飾体及びグルクロン酸抱合体が認められた3)。

16.5 排泄

健康成人に132.1及び264.2mg投与した後24時間までの累積尿中ulifloxacin排泄率はそれぞれ43.1及び36.2%であった。反復投与による蓄積性は認められなかった3)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者の薬物動態

腎機能障害患者に264.2mgを食後単回経口投与した後の薬物動態パラメータは、表2のとおりであった。腎機能障害患者では健康成人と比較し、血清中ulifloxacin濃度半減期の延長、AUCの増大及び24時間累積尿中ulifloxacin排泄率の低下が認められた14)。

患者条件
[Ccr(mL/min)]
例数 T1/2
(hr)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
24時間累積
尿中排泄率(%)
40≦Ccr<70 3 9.5±3.9 15.0± 6.2 30.8±4.9
20≦Ccr<40 3 13.9±2.3 18.8±10.5 13.2±8.5
Ccr<20 1 33.7 42.8 2.6

Mean±S.D.

  1. 16.6.2高齢者の薬物動態

高齢者に264.2mgを食後単回経口投与した後の薬物動態パラメータは、表3のとおりであった。高齢者では健康成人と比較し、血清中ulifloxacin濃度半減期の延長、AUCの増大及び24時間累積尿中ulifloxacin排泄率の低下が認められた14)。

患者条件
[Ccr(mL/min)]
例数 T1/2
(hr)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
24時間累積
尿中排泄率(%)
65歳以上で
50≦Ccr
4 11.8±2.5 14.5±2.8 26.1±5.1

Mean±S.D.