Clinical snapshot

ジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド

ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2023年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又は他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に過敏症の患者

  2. 2.2骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病の患者及び末梢血液中に骨髄芽球の認められる骨髄性白血病の患者

効能・効果

がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制

用法・用量

通常、成人にはがん化学療法剤投与終了後の翌日以降、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。

使用上の注意

  1. 8.1過敏症等の反応を予測するために、使用に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

  2. 8.2本剤投与により骨痛、背部痛等が発現することがあるので、このような場合には非麻薬性鎮痛剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。

  3. 8.3本剤投与により脾腫、脾破裂が発現することがあるので、血液学的検査値の推移に留意するとともに、腹部超音波検査等により観察を十分に行うこと。

  4. 8.4急性骨髄性白血病患者では本剤投与により芽球の増加を促進させることがあるので、定期的に血液検査及び骨髄検査を行うこと。

  5. **8.5海外観察研究において、がん化学療法(単独又は放射線療法との併用)とともにペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)又はフィルグラスチム(遺伝子組換え)が使用された乳癌又は肺癌患者では骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病のリスクが増加したとの報告がある1)。本剤と骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病の因果関係は明らかではないが、本剤の投与後は患者の状態を十分に観察すること。

  6. 8.6本剤の使用にあたっては、主な副作用、使用時の注意点、廃棄方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。適用後、本剤による副作用が疑われる場合や、デバイスの破損、故障等が発生した場合には、速やかに医療機関に連絡をするよう、患者等に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.2アレルギー素因のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 5%以上
ALT上昇 5%以上
AST上昇 5%以上
CRP上昇 1〜5%未満
LDH上昇 5%以上
γ-GTP増加 1〜5%未満
カルシウム 1〜5%未満
クロール 1〜5%未満
じん麻疹 1〜5%未満
そう痒症 1〜5%未満
ナトリウム)異常 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
リン 1〜5%未満
リンパ球減少 5%以上
下痢 1〜5%未満
不眠症 1%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 5%以上
単球増加 1%未満
口内炎 1〜5%未満
口腔咽頭痛 1%未満
味覚異常 1〜5%未満
呼吸困難 1%未満
咳嗽 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
四肢痛 1〜5%未満
多形紅斑 1%未満
好中球増加 5%以上
尿酸増加 1%未満
悪心 1〜5%未満
感覚鈍麻 1%未満
注射部位反応(注射部位疼痛を含む) 1%未満
浮腫 1〜5%未満
潮紅 1〜5%未満
異常感覚 1〜5%未満
疼痛 1〜5%未満
発熱 5%以上
発疹 5%以上
白血球増加 5%以上
白血球減少 1〜5%未満
皮膚剥脱 1%未満
筋肉痛 5%以上
筋骨格痛 1%未満
糸球体腎炎 頻度不明
紅斑 1〜5%未満
肝機能異常 1〜5%未満
背部痛 5%以上
胸痛 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
血中アルブミン減少 1%未満
血中ビリルビン増加 1〜5%未満
血小板減少 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
関節痛 5%以上
電解質(カリウム 1〜5%未満
頭痛 5%以上
食欲減退 1〜5%未満
骨痛 1〜5%未満
高血糖 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は骨髄中の好中球前駆細胞に存在する顆粒球コロニー形成刺激因子受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促し、末梢血中の好中球数を増加させると推察される。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1好中球前駆細胞の分化促進作用

in vitroコロニー形成試験において、ヒト由来のCD34陽性細胞及びマウス由来の骨髄細胞を本剤存在下で培養することにより、好中球前駆細胞の分化が促進された10)。

  1. 18.2.2好中球減少に対する作用

シクロホスファミド投与により末梢血の好中球減少が誘導されたマウスに本剤を投与することにより、好中球減少が抑制された11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

  2. (1)肺癌患者

がん化学療法施行後の肺癌患者に本剤30、60及び100μg/kg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した3)。

肺癌患者に単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差)

投与量 30μg/kg 60μg/kg 100μg/kg
被験者数 6 6 6
tmax(h) 36.0
(8.0, 48.1)
47.6
(8.0, 263.1)
46.8
(24.0, 141.3)
Cmax
(ng/mL)
18.5±14.0 74.2±63.5 157.0±127.3
AUC0-∞
(ng・h/mL)
1285±520 5497±4704a) 13364±9187
t1/2(h) 57.4±38.7 44.8±21.1a) 38.4±10.5

平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値)) a)n=5

  1. (2)悪性リンパ腫患者

がん化学療法施行後の悪性リンパ腫患者に本剤1.8、3.6及び6.0mg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した4)。

悪性リンパ腫患者に単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差)

投与量 1.8mg 3.6mg 6.0mg
被験者数 10 9 9
tmax(h) 110.9
(60.2, 134.8)
109.8
(61.5, 113.8)
64.3
(13.0, 110.6)
Cmax
(ng/mL)
47.7±40.5 96.8±64.8 249.2±163.6
AUC0-∞
(ng・h/mL)
6177±5818 13393±9349 32501±24807
t1/2(h) 16.9±4.4 29.3±13.5 27.5±7.4

平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))

  1. 16.1.2反復投与

悪性リンパ腫患者に、本剤1.8、3.6及び6.0mg注1)を化学療法1サイクルごとに単回皮下投与したときの血清中トラフ濃度は、化学療法2~4サイクルにおいていずれの投与量でも定量下限値(0.2ng/mL)未満であった5)。

注1)本剤の承認用量は1回3.6mgである。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織移行性

雄性ラットに125I-ペグフィルグラスチム100μg/kgを単回皮下投与したとき、甲状腺に高い放射能が認められた。甲状腺を除き、全体として放射能の組織への移行性は低かった6)。

16.8 その他

本剤の消失には、好中球及び好中球前駆細胞に発現している顆粒球コロニー形成刺激因子受容体を介して本剤が細胞内へ取りこまれ、細胞内分解を受ける経路が寄与していると推察される7)。