Clinical snapshot

ジニイズ点滴静注500mg

レチファンリマブ(遺伝子組換え)製剤

添付文書改訂 2026年03月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

切除不能な進行・再発の肛門管扁平上皮癌

用法・用量

パクリタキセル及びカルボプラチンとの併用において、通常、成人には、レチファンリマブ(遺伝子組換え)として、1回500mgを4週間間隔で30分間かけて点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。 過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。

  2. 8.2間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて血清マーカー等の検査を実施すること。

  3. 8.3肝機能障害、肝炎があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  4. 8.4腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  5. 8.5甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を行うこと。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。

  6. 8.61型糖尿病があらわれることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。

  7. 8.7ぶどう膜炎があらわれることがあるので、眼の異常の有無を定期的に確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

  8. 8.8心筋炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと。

  9. 8.9筋炎があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇等の観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

自己免疫疾患が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.2間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者

間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。

  1. 9.1.3臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病が発現するおそれがある。

  1. 9.1.4結核の感染又は既往を有する患者

結核を発症するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。妊娠マウスに抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体を投与すると、流産率が増加することが報告されていることから、妊娠中の女性に対する本剤の投与は、胎児に対して有害な影響を及ぼす可能性がある。また、ヒトIgGは母体から胎児へ移行することが知られている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGはヒト乳汁中に排出されることが知られている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アフタ性潰瘍 1%未満
アミラーゼ増加 頻度不明
インフルエンザ 1%未満
サルコイドーシス 頻度不明
そう痒性皮疹 頻度不明
そう痒症 5%以上
リンパ球減少症 5%以上
上腹部痛 頻度不明
下痢(25.3%) 5%以上
下腹部痛 1%未満
不眠症 1%未満
中耳滲出液 1%未満
乾燥症 頻度不明
低アルブミン血症 1%未満
低カリウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低リン血症 頻度不明
低蛋白血症 1%未満
便秘 5%以上
傾眠 1%未満
免疫介在性胆管炎 1%未満
全身性浮腫 1%未満
分泌物分泌 1%未満
単球増加症 1%未満
単球減少症 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
口腔内痛 1%未満
口腔咽頭痛 1%未満
口角口唇炎 1%未満
味覚不全 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 1%未満
嘔吐 5%以上
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
変形性関節症 1%未満
多汗症 1%未満
大腸感染 1%未満
失神 1%未満
好中球数増加 1%未満
好中球減少症 5%以上
平衡障害 1%未満
心嚢液貯留 1%未満
心房細動 1%未満
心電図QT延長 1%未満
悪心 5%以上
感染 1%未満
扁桃炎 1%未満
末梢性浮腫 頻度不明
末梢血管塞栓症 1%未満
歩行障害 頻度不明
浮動性めまい 1%未満
浮腫 1%未満
消化管ストーマ合併症 1%未満
湿疹 1%未満
潮紅 1%未満
灼熱感 1%未満
無力症(33.1%) 5%以上
爪ジストロフィー 1%未満
疲労 5%以上
疼痛 1%未満
痛風 1%未満
発声障害 1%未満
発熱 頻度不明
発疹 5%以上
白血球増加症 1%未満
白血球減少症 5%以上
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚感染 1%未満
皮膚潰瘍 1%未満
皮膚色素減少 1%未満
皮膚障害 1%未満
直腸出血 1%未満
神経毒性 頻度不明
神経痛 1%未満
筋無力症候群 1%未満
筋痙縮 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
粘膜の炎症 頻度不明
紅斑 頻度不明
細胞死 1%未満
細菌感染 1%未満
結膜炎 頻度不明
耳鳴 1%未満
肛門直腸感染 1%未満
肺塞栓症 頻度不明
肺炎 1%未満
胃食道逆流性疾患 1%未満
胆汁うっ滞 頻度不明
背部痛 1%未満
胸水 1%未満
脱毛症 5%以上
脳炎 頻度不明
脳症 1%未満
腸閉塞 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部膨満 1%未満
蕁麻疹 1%未満
薬物過敏症 1%未満
血中アルカリホスファターゼ増加 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中乳酸脱水素酵素増加 1%未満
血中甲状腺刺激ホルモン減少 頻度不明
血小板減少症 5%以上
赤血球数減少 1%未満
過敏症 1%未満
過眠症 1%未満
過角化 1%未満
重度月経出血 1%未満
錯感覚 頻度不明
関節炎 頻度不明
関節痛 5%以上
霧視 1%未満
頭痛 頻度不明
頻脈 1%未満
食欲減退 5%以上
高リパーゼ血症 5%以上
高リン血症 1%未満
高血糖 頻度不明
鼻乾燥 1%未満
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

レチファンリマブはヒトPD-1に対する抗体であり、PD-1とそのリガンド(PD-L1及びPD-L2)との結合を阻害することにより、がん抗原特異的なT細胞の活性化及び腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を亢進し、腫瘍増殖を抑制すると考えられる3)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

国内第Ⅰ相試験(INCMGA 0012-104試験)で、日本人の進行固形癌患者にレチファンリマブ500mgを4週間間隔で60分間かけて静脈内投与したときの、初回投与後の血清中濃度推移を図1に、薬物動態パラメータを表1に示す。

図1:日本人患者の血清中濃度推移(平均±標準誤差)

N Cmax
(mg/L)
Ctrough
(mg/L)
Tmax
(hr)
AUC0-t
(day・mg/L)
AUC0-∞
(day・mg/L)
t1/2
(day)
Cl
(L/day)
Vz
(L)
6 209±17.7
(209)
34.8±9.31
(33.9)
1.9
(1.1, 7.1)
1930±301
(1910)
3080±858
(2990)
21.7±5.29
(21.2)
0.172±0.0428
(0.167)
5.13±0.383
(5.12)

注:値は平均値±SD(幾何平均値)、Tmaxは中央値(最小値、最大値)

  1. 16.1.2反復投与

国内第Ⅰ相試験(INCMGA 0012-104試験)で、日本人の進行固形癌患者に4週間を1サイクルとして、レチファンリマブ500mgを4週間間隔で静脈内投与したときのサイクル7までの血清中トラフ濃度を図2に示す。

図2:日本人患者のサイクル7までの血清中トラフ濃度(平均値±標準誤差)