がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
【警告】
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
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8.1重度の下痢があらわれることがあるので、定期的に症状を確認するなど、患者の状態を十分に観察すること。
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8.2眼障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に眼の異常の有無を確認し、必要に応じて検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
9.3 肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度(総ビリルビンが基準値上限1.5倍より高い)の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1生殖可能な患者に投与する必要がある場合には、生殖機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物実験(ラット)で膣上皮のアポトーシス小体増加、卵巣の多巣性嚢胞、白斑、黄体減少及び間質腺増生が報告されている。動物実験(ラット及びイヌ)で精細管変性及び副生殖腺の萎縮性変化、精巣上体での精子減少を伴う胚上皮の変性/壊死が報告されている1)。
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9.4.2*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
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9.4.3*男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの胚・胎児発生試験において、臨床曝露量(AUC)以下の曝露量で胚・胎児に対して発育抑制、催奇形性及び胎生致死が認められている2)。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤は、CYP3A、MATE1及びMATE2-Kの阻害作用を示す。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| CYP3Aの基質となる薬剤 ミダゾラム、アルプラゾラム、アトルバスタチン等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤 メトホルミン、ピルシカイニド、プロカインアミド等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP増加 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| LDH増加 | 頻度不明 |
| ざ瘡様皮膚炎 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| 下痢(72.0%) | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 倦怠感(26.7%) | 頻度不明 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 味覚障害 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 悪心(25.3%) | 頻度不明 |
| 排尿困難 | 頻度不明 |
| 斑状丘疹状皮疹 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 甲状腺機能低下症 | 頻度不明 |
| 発声障害 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 肝障害 | 頻度不明 |
| 肺炎 | 頻度不明 |
| 脱毛症 | 頻度不明 |
| 脱水 | 頻度不明 |
| 腎機能障害 | 頻度不明 |
| 腸炎 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 膀胱炎 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加(28.0%) | 頻度不明 |
| 血中ビリルビン増加 | 頻度不明 |
| 血中リン減少 | 頻度不明 |
| 血小板数減少 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 食欲減退(29.3%) | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ピミテスピブは、HSP90によるクライアントタンパクの高次構造の形成を阻害することにより、腫瘍の増殖に関与するタンパクの発現量の減少、アポトーシスの誘導等を介して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている12),13),14)。
18.2 抗腫瘍効果
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18.2.1ピミテスピブは、ヒト消化管間質腫瘍由来GIST-T1細胞株に対して増殖抑制作用を示した13)(in vitro)。
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18.2.2ピミテスピブは、GIST-T1細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した13)(in vivo)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
日本人進行固形癌患者22例に、本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときのピミテスピブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。
本剤160mgを1日1回反復経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差、n=22)
| PK parameter(unit) | Day 1(n=22) | Day 5(n=22) |
|---|---|---|
| Tmax(hr) | 3.87(1.00~8.00) | 2.98(1.00~7.98) |
| Cmax(ng/mL) | 2263±758 | 2600±942 |
| AUClast(ng・hr/mL) | 28394±7351 | 35277±12003 |
| AUCinf(ng・hr/mL) | 38570±9686a) | NC |
| T1/2(hr) | 11.22±3.48a) | 10.40±2.32a) |
平均値±標準偏差、Tmaxのみ中央値(最小値~最大値)、NC:算出せず、a)n=18
本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与5日目におけるピミテスピブの蓄積率は1.27であった。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
日本人進行固形癌患者16例に本剤160mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるピミテスピブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.92及び1.64であった5)。
16.3 分布
ピミテスピブのヒト血漿蛋白結合率は93.1~93.6%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)。ピミテスピブのヒト血液/血漿中濃度比は0.525~0.630であった6)(in vitro)。
16.4 代謝
ピミテスピブは主にCES1によって代謝される(in vitro)。進行固形癌患者3例に本剤150.5mg/m2注3)を反復経口投与したとき、投与24時間後までの尿中に未変化体、アミド加水分解体、N-脱メチル体等が検出された7)。
16.5 排泄
日本人進行固形癌患者6例に本剤107.5mg/m2注3)を経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の2.2%が尿中に未変化体として排泄された8)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1ミダゾラム及びメトホルミン
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ミダゾラム(CYP3Aの基質)及びメトホルミン(MATE1及びMATE2-Kの基質)単独投与時と比較して本剤併用時にミダゾラム及びメトホルミンの曝露量が上昇する可能性が示唆された9)。
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16.7.2その他
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(1)ピミテスピブはP-gp及びBCRPの基質である(in vitro)。
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(2)ピミテスピブはP-gp、BCRP及びOATP1B1を阻害する10)(in vitro)。
注3)本剤の承認された用法・用量は下記のとおりである。 通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。