Clinical snapshot

シナジス筋注液50mg

筋肉内注射用パリビズマブ(遺伝子組換え)製剤

添付文書改訂 2024年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 下記の新生児、乳児および幼児におけるRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な下気道疾患の発症抑制

  • RSウイルス感染流行初期において

  • 在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児

  • 在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児

  • 過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児

  • 24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児および幼児

  • 24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児

  • 24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児

  • **24ヵ月齢以下の肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児

  • **24ヵ月齢以下の気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児

  • **24ヵ月齢以下の先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児

  • **24ヵ月齢以下の先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児

  • **24ヵ月齢以下の神経筋疾患の新生児、乳児および幼児

用法・用量

パリビズマブ(遺伝子組換え)として体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に投与する。なお、注射量が1mLを超える場合には分割して投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与により、重篤な過敏症を発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 8.2過去に抗生物質等の筋肉内注射により、筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので、投与に際しては、適用上の注意を守り、特に組織、神経に対する影響には十分注意しながら慎重に投与すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1血小板減少症あるいはその他の凝固障害等により出血傾向のある患者

止血を確認できるまで投与部位を押さえるなど慎重に投与すること。出血により重篤な状態を招くおそれがある。

  1. 9.1.2急性感染症又は発熱性疾患のある患者

中等度から重度の急性感染症又は発熱性疾患がある場合は、本剤の投与による有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合を除き、本剤の投与を延期すること。一般に、軽度上気道感染症等の軽度な発熱性疾患は本剤の投与延期の理由とはならない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ウイルス感染 頻度不明
上気道感染 頻度不明
下痢 頻度不明
不整脈 1%未満
中耳炎 1%未満
傾眠 1%未満
呼吸困難 頻度不明
頻度不明
哺乳障害 1%未満
喘鳴 頻度不明
嘔吐 頻度不明
徐脈 1%未満
悪寒 1%未満
注射部位反応 頻度不明
湿疹 1%未満
疼痛 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
真菌性皮膚炎 1%未満
神経過敏 頻度不明
細気管支炎 1%未満
肝機能検査値異常 頻度不明
肺炎 1%未満
頻脈 1%未満
鼻漏 頻度不明
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤はRSウイルスのFたん白質上の抗原部位A領域に対する特異的ヒト化モノクローナル抗体である。本剤はRSウイルスが宿主細胞に接着・侵入する際に重要な役割を果たすFたん白質に結合してウイルスの感染性を中和し、ウイルスの複製および増殖を抑制する。

18.2 臨床分離株に対する作用

米国で得られたRSウイルスのサブタイプAおよびBを含む臨床分離株の57株(サブタイプA:34株、B:23株)すべてに対して本剤は中和活性を示した4)。 さらに、米国、ヨーロッパおよび南アメリカより計491株のRSウイルス臨床分離株に対する結合性を検討した結果、全株に対して本剤は結合した。 国内で得られたRSウイルス臨床分離株の23株(サブタイプA:13株、B:9株、不明:1株)すべてに対して本剤は結合した(in vitro)。

18.3 RSウイルス感染予防試験

コットンラットを用いたRSウイルス感染予防試験において、ウイルス感染前に本剤2.5mg/kgを静脈内投与した場合、本剤を投与したラットにおける肺組織中のRSウイルス量は本剤を投与しなかったラットの100分の1以下に減少した。また、このときの本剤の平均血清中濃度は約30µg/mLであった4)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与
  • 〈早産(在胎期間35週未満、6ヵ月齢未満)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢未満)〉

国内における早産(在胎期間35週未満、6ヵ月齢未満)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢未満)を対象にした臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内2回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および2回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった。

初回投与後30日目(31例) 50.5±17.5
2回目投与後30日目(31例) 76.8±17.6

(数値は平均値±SD)

  • 〈先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉

国内における先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし5回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった。

初回投与後30日目(67例) 57.2±11.7
4回目投与後30日目(67例) 90.2±23.7

(数値は平均値±SD)

  • 〈免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉

国内における免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし7回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった。

初回投与後30日目(28例) 59.0±12.9
4回目投与後30日目(26例) 91.8±40.6

(数値は平均値±SD)

  • 〈肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又は神経筋疾患の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉国内における肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症又は神経筋疾患を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第II相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし6回反復投与、注射液製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった1)。
初回投与後30日目(23例) 66.89±13.58
4回目投与後30日目(23例) 116.82±32.60

(数値は平均値±SD)

  • 〈早産(6ヵ月齢以下)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉

海外における早産(6ヵ月齢以下)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象とした臨床試験(本剤5、10、15mg/kg※を30日間隔で2回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)では、本剤の平均血清中濃度推移および投与後30日目の平均血清中濃度は以下のとおりであった。

図1 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度推移

5mg/kg 10mg/kg 15mg/kg
初回投与後
30日目
12.5±2.4
(9例)
48.5±5.4
(6例)
49.2±3.6
(39例)
2回目投与後
30日目
20.2±3.5
(10例)
65.9±12.7
(4例)
69.4±4.3
(37例)

(数値は平均値±SE)

本剤は投与後7日までに最大に達し、以降穏やかに血中から消失した。初回投与30日後の平均血清中濃度は5mg/kg投与で12.5µg/mL(4.2~26.2µg/mL)、10mg/kg投与で48.5µg/mL(28.7~65.7µg/mL)、15mg/kgで49.2µg/mL(13.5~132.0µg/mL)であり、10~15mg/kgで目標濃度である30µg/mLを上回った。消失半減期は18.1~43.8日であった。 ※承認を受けた用法及び用量は体重1kgあたり15mgを筋肉内に投与である。

  • 〈24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児〉

24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児を対象とした海外臨床試験(15mg/kgを30日間隔で計5回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)での平均血清中濃度(トラフ値)は2回目投与前(1回目投与後)が55.5±19µg/mL、5回目投与前(4回投与後)が90.8±35µg/mLであった(639例)。また、そのうち投与期間中に心肺バイパスを伴う開心術を行った症例(139例)の平均血清中濃度は、バイパス前98.0±52µg/mLからバイパス後41.4±33µg/mLと58%減少した2)。

  • 〈健康成人〉

健康成人を対象とした並行群間比較試験での凍結乾燥注射製剤と注射液製剤(それぞれパリビズマブ3mg/kgを30日毎に計2回筋肉内および15mg/kgを単回静脈内投与)の血清中パリビズマブ濃度推移は同様であった(各12例、外国人データ)。 ※承認を受けた用法及び用量は体重1kgあたり15mgを筋肉内に投与である。

  • 〈6ヵ月齢以下の早産児〉

6ヵ月齢以下の早産児(153例)を対象としたクロスオーバー試験(パリビズマブ15mg/kg筋肉内投与)では凍結乾燥注射製剤と注射液製剤のトラフ値は同等であった。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1薬物相互作用に関する臨床試験は実施されていない。 海外における第III相臨床試験において、プラセボ投与群および本剤投与群の患者はいずれも同様の割合で通常の小児予防接種ワクチン、インフルエンザワクチン、気管支拡張剤、副腎皮質ステロイドの投与を受けていたが、副作用発現率の上昇は認められなかった。なお、日本脳炎ウイルスワクチンおよびBCGワクチンとの併用投与に関する知見は得られていない。

  2. 16.7.2本剤はRSウイルスに特異的に作用するため、ワクチン接種による免疫応答を妨げないと考えられる。