Clinical snapshot

サークリサ点滴静注100mg

イサツキシマブ (遺伝子組換え)

添付文書改訂 2025年02月01日

【警告】

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

**多発性骨髄腫

用法・用量

***他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法又はB法の投与間隔で点滴静注する。デキサメタゾンのみとの併用投与又は単独投与の場合(再発又は難治性の場合に限る)、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回20mg/kgを、以下のA法の投与間隔で点滴静注する。 A法:1週間間隔、2週間間隔の順で投与する。 B法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  2. **8.2本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験の結果が偽陽性となる可能性がある。このため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査を実施すること。輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること。なお、当該干渉は本剤最終投与から約6ヵ月持続する可能性がある。

9.4 生殖能を有する者

**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られている。また、CD38遺伝子欠損マウスで免疫系及び骨に対する影響が報告されており、本剤の妊娠中の曝露により胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある1),2)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
COVID-19感染 頻度不明
下痢便秘 頻度不明
不眠症 頻度不明
呼吸困難 5%以上
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪心 5%以上
末梢性感覚ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫無力症 5%以上
気管支炎上気道感染 5%以上
疲労 頻度不明
白内障 頻度不明
背部痛 頻度不明
高血圧 5%以上

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

イサツキシマブは、ヒトCD38に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性並びにアポトーシスを誘導すること等により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている11),12)。

18.2 抗腫瘍効果

イサツキシマブは、ヒト多発性骨髄腫由来MOLP-8細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した11),12)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、本剤10mg/kg又は20mg/kgを単剤で週1回4週間反復静脈内投与した後、2週に1回反復静脈内投与したときの初回投与後の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。

本剤10mg/kg又は20mg/kgを単剤で反復静脈内投与したときの初回投与後の血漿中濃度推移(平均±標準偏差)

投与量 10mg/kg 20mg/kg
例数 3 4
Cmax(μg/mL) 124±22.9 280±64.4
AUC1W(μg・h/mL) 9300±3010 21300±5520
  1. *16.1.2反復投与再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、28日間を1サイクルとして本剤5~20mg/kg注2)をポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復静脈内投与した後、2週に1回反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。また、未治療の多発性骨髄腫患者に、42日間を1サイクルとして本剤10mg/kgをボルテゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用で最初のサイクルは5回(1、8、15、22、29日目)、2~4サイクルは2週間間隔(1、15、29日目)で反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
初回投与後(サイクル1、1日目)
投与量 5mg/kg 10mg/kg 20mg/kg
例数 5 18 6
Cmax
(μg/mL)
91.3±19.8 141±18.8 297±16.7
AUC注3)
(μg・h/mL)
6100±2840 12800±2430注4) 27000±5620
Ctrough注3)
(μg/mL)
17.2±14.6 43.1±15.3注4) 110±41.1
7回目投与後(サイクル3、1日目)
投与量 5mg/kg 10mg/kg 20mg/kg
例数 6 24 6
Cmax
(μg/mL)
167±34.5 403±163 648±246
AUC注3)
(μg・h/mL)
30900±10900 71000±34600注5) 156000±91000注7)
Ctrough注3)
(μg/mL)
60.1±39.8 154±94.6注6) 308±240注7)
例数 Cmax
(μg/mL)
AUC注3)
(μg・h/mL)
初回投与後(サイクル1、1日目) 32 179±61.6 14300±4460注8)
9回目投与後(サイクル3、1日目) 28 401±115 86100±32600注9)

母集団薬物動態解析に基づき、本薬10mg/kgをポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復静脈内投与した後、2週に1回反復静脈内投与したときの、最高血漿中濃度及び血漿中トラフ濃度に基づく蓄積係数は、それぞれ1.8及び3.1と推定された5)。また、母集団薬物動態解析に基づき、定常状態における半減期は28日と推定された5)。

注2)承認用量は10mg/kg(ポマリドミド及びデキサメタゾン併用投与又はカルフィルゾミブ及びデキサメタゾン併用投与)又は20mg/kg(デキサメタゾン併用投与又は単独投与)である。

注3)AUC及びCtroughは投与間隔における血漿中濃度-時間曲線下面積及び血漿中トラフ濃度を示す(初回投与後:1週間、7回目又は9回目投与後:2週間での値)。

注4)n=16

注5)n=19

注6)n=20

注7)n=5

注8)n=30

注9)n=24