Clinical snapshot

サルポグレラート塩酸塩錠50mg「TSU」

サルポグレラート塩酸塩

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を更に増強する可能性がある。]

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感等の虚血性諸症状の改善

用法・用量

サルポグレラート塩酸塩として、通常成人1回100mgを1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

本剤投与中は定期的に血液検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1月経期間中の患者

出血を増強するおそれがある。

  1. 9.1.2出血傾向並びにその素因のある患者

出血傾向を増強するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害のある患者

排泄に影響するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胚胎児死亡率増加及び新生児生存率低下が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量(例えば150mg/日)より投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に腎、肝等の生理機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗凝固剤
 ワルファリン等
出血傾向を増強するおそれがある。 相互に作用を増強する。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
 アスピリン
 チクロピジン塩酸塩
 シロスタゾール等
出血傾向を増強するおそれがある。 相互に作用を増強する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN上昇 1〜5%未満
LDHの上昇等) 1〜5%未満
γ−GTP 1〜5%未満
クレアチニン上昇 1〜5%未満
しびれ感 頻度不明
そう痒 1%未満
ほてり 1%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
丘疹 1%未満
体重の増加 1%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
出血(鼻出血 1〜5%未満
口内炎 頻度不明
味覚異常 1%未満
咽頭不快感 頻度不明
咽頭灼熱感 頻度不明
咽頭痛 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 1〜5%未満
尿沈渣 1〜5%未満
尿潜血 1〜5%未満
尿糖 1〜5%未満
心悸亢進 1〜5%未満
息切れ 1%未満
浮腫 1%未満
異物感(食道) 1%未満
発熱 頻度不明
発疹 1〜5%未満
発赤 1〜5%未満
白血球減少 頻度不明
皮下出血等) 1〜5%未満
眠気 1%未満
紅斑 頻度不明
肝機能障害(ビリルビン 1〜5%未満
胸やけ 1〜5%未満
胸痛 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 1〜5%未満
血小板減少 1%未満
血清アルブミンの減少 1〜5%未満
血清カルシウムの減少 1%未満
血清コレステロールの上昇 1〜5%未満
血清中性脂肪の上昇 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

サルポグレラート塩酸塩は血小板及び血管平滑筋における5−HT2(セロトニン)レセプターに対する特異的な拮抗作用を示す。その結果、抗血小板作用及び血管収縮抑制作用を示す8),9),10),11)。

18.2 血小板凝集抑制作用

  1. 18.2.1健康成人及び慢性動脈閉塞症患者において、セロトニンとコラーゲン同時添加による血小板凝集を抑制する12),13)(ex vivo試験)。

  2. 18.2.2 In vitroの試験(ヒト、ウサギ、ラット)においてコラーゲンによる血小板凝集及びADP又はアドレナリンによる血小板の二次凝集を抑制する。 また、コラーゲンによる血小板凝集はセロトニンにより増強されるが、この増強された血小板凝集を抑制する8)。

18.3 抗血栓作用

  1. 18.3.1末梢動脈閉塞症モデル(ラウリン酸注入によるラット末梢動脈閉塞)における病変の進展を抑制する14)。

  2. 18.3.2動脈血栓モデル(血管内皮損傷によるマウス動脈血栓、ポリエチレンチューブ置換ラット動脈血栓)における血栓の形成を抑制する15)。

18.4 血管収縮抑制作用

ラットの血管平滑筋を用いたin vitroの試験において、セロトニンによる血管平滑筋の収縮を抑制する8)。 また、血小板凝集に伴い血管平滑筋が収縮するが、この収縮を抑制する9)。

18.5 微小循環改善作用

慢性動脈閉塞症患者の経皮的組織酸素分圧及び皮膚表面温度を上昇させる16)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験

〈サルポグレラート塩酸塩錠 100mg「TSU」〉

サルポグレラート塩酸塩錠100mg「TSU」とアンプラーグ錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(サルポグレラート塩酸塩として100mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0 - 6
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
サルポグレラート塩酸塩錠100mg「TSU」 0.44±0.17 0.59±0.19 0.57±0.18 約 0.8
アンプラーグ錠100mg 0.44±0.17 0.60±0.22 0.55±0.14 約 0.9

(mean±S.D.、n=20)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人における経口吸収率は尿、糞中への未変化体及び代謝物の排泄率より50%以上と推定される2)。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織への移行性

雄性ラットに14C−サルポグレラート塩酸塩を20mg/kg経口投与したとき、大部分の組織中放射能濃度は15~30分で最高値に達し、肝臓、腎臓及び肺に血漿中より高い放射能の分布が認められたが、他の組織中濃度は血漿中濃度と同等かもしくは低値であった3)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

ヒト血清:95%以上4)(in vitro、限外ろ過法)。

16.4 代謝

サルポグレラート塩酸塩は脱エステル化された後、代謝物は複数のチトクロームP450分子種(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)で代謝される5)。

16.5 排泄

健康成人6例にサルポグレラート塩酸塩を100mg単回経口投与したとき、投与後24時間までに未変化体は尿及び糞中に認められなかったが、大部分が抱合型代謝物として尿中に排泄された。また、尿中及び糞中への合計排泄率はそれぞれ44.5%及び4.2%であった2)。

16.8 その他

  • <サルポグレラート塩酸塩錠50mg「TSU」>

サルポグレラート塩酸塩錠50mg「TSU」は、サルポグレラート塩酸塩錠100mg「TSU」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた6)。

注)本剤の承認用法は1日3回食後経口投与である。