Clinical snapshot

サイスタダン原末

ベタイン製剤

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

ホモシスチン尿症

用法・用量

通常、ベタインとして11歳以上には1回3g、11歳未満には1回50mg/kgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態、血漿中総ホモシステイン値、血漿中メチオニン値等を参考に適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1定期的に血漿中総ホモシステイン値及び血漿中メチオニン値を測定し、血漿中総ホモシステイン値については可能な限り低く抑えるよう注意し、血漿中メチオニン値については上昇に注意すること。

  2. 8.2本剤投与後に血漿中メチオニン値の上昇(1000~3000μmol/L:mg/dL換算で約15~45mg/dLに相当)を伴う脳浮腫が報告されているため、本剤を投与する際には下記の点に注意すること。

  • 脳浮腫が疑われる症状(頭痛、嘔吐、視覚異常等)の発現に十分注意し、これらの症状が発現した場合には速やかに診察を受けるように指導すること。

  • 投与再開により脳浮腫が再発した場合は、本剤の投与を決して行わないこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。本剤の動物での生殖発生毒性試験は実施されていない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。経口投与後の乳汁中への移行については検討されていない。

9.7 小児等

慎重に投与すること。希少疾患のため、国内臨床試験および承認後の小児等の使用実績は少数である。

9.8 高齢者

副作用発現に留意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• アミノ酸配合剤• 胎盤加水分解物
• 胎盤絨毛分解物
• 総合アミノ酸製剤[ESポリタミン顆粒]
左記の薬剤との併用時の安全性は検討されていないが、服用間隔は30分以上空けることが推奨される。 本剤によるGABA取り込み阻害作用により、左記の薬剤のGABA作用が増強される可能性が考えられる。
• 催眠鎮静剤・抗不安剤• ベンゾジアゼピン系
• バルビツール酸系
• 非ベンゾジアゼピン系
左記の薬剤との併用時の安全性は検討されていないが、服用間隔は30分以上空けることが推奨される。 本剤によるGABA取り込み阻害作用により、左記の薬剤のGABA作用が増強される可能性が考えられる。
• 抗てんかん剤• バルビツール酸系
• ヒダントイン系
• ベンゾジアゼピン系
• 分岐脂肪酸系等
左記の薬剤との併用時の安全性は検討されていないが、服用間隔は30分以上空けることが推奨される。 本剤によるGABA取り込み阻害作用により、左記の薬剤のGABA作用が増強される可能性が考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
インフルエンザ 頻度不明
うつ病 1%未満
メラノサイト性母斑 頻度不明
下痢 1%未満
人格障害 1%未満
体重増加 頻度不明
便秘 頻度不明
嗜眠 1%未満
嘔吐 1%未満
変色歯 1%未満
尿失禁 1%未満
悪心 頻度不明
感染性腸炎 1%未満
易刺激性 1%未満
歯の障害 1%未満
毛髪脱落 1%未満
激越 1%未満
無力症 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 1%未満
発疹 頻度不明
皮膚異常臭 1%未満
睡眠障害 1%未満
筋緊張亢進 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
胃腸障害 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部不快感 1%未満
舌炎 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血中メチオニン値上昇 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 1%未満
高脂血症 頻度不明
鼻咽頭炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ホモシスチン尿症では、主にメチオニン代謝経路のCBS欠損、MTHFR欠損、コバラミン補酵素代謝異常により、メチオニンの代謝産物であるホモシステインが血液や組織中に蓄積する。 ベタインは、メチオニン代謝経路において、BHMTの基質としてホモシステインにメチル基を供与し、ホモシステインをメチオニンにすることによって体液中のホモシステインを低下させる5),6),7),8)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

日本人ホモシスチン尿症患者(6例)を対象にベタインを経口投与した時の定常状態における血漿中ベタイン濃度のトラフ値は、以下のとおりであった2)。

病型 年齢
(歳)
性別 体重
(kg)
評価時期 用法・用量 血漿中濃度
(μmol/L)
CBS欠損 42 女性 47.0 4週 8g/日、分2 152
8週 645
CBS欠損 19 男性 77.0 4週 7.5g/日、分2 343
8週 366
CBS欠損 17 女性 53.0 4週 6g/日、分2 259
8週 138
MTHFR欠損 38 女性 95.7 4週 15g/日、分2 544
8週 460
CBS欠損 4 女性 15.0 4週 1.5g/日、分2 53.3
8週 1.8g/日、分2 72.6
CBS欠損 37 女性 63.4 4週 6g/日、分2 76.8
8週 104

各評価時期の治験薬投与前の血漿中濃度

外国人健康成人男性12例を対象に、ベタイン50mg/kgを空腹時に単回経口投与後及びベタイン50mg/kgを1日2回(100mg/kg/日)空腹時に5日間反復経口投与後の薬物動態パラメータ及び血漿中ベタイン濃度推移は、以下のとおりであった3)。

評価時期 Cmax
(mmol/L)
Tmax
(h)
AUC0−24h
(mmol・h/L)
初回投与時 0.939 ± 0.194 0.899 ± 0.33 3.974 ± 0.732
最終投与時 1.456 ± 0.308 0.90 ± 0.25 12.528 ± 4.498
評価時期 t1/2α
(h)
t1/2β
(h)
CLR
(mL/h/kg)
Xu 0−24h
(mg)
初回投与時 0.59 ± 0.21 14.38 ± 7.17 4.4 ± 3.66 156.5 ± 130.1
最終投与時 1.77 ± 0.75 41.17 ± 13.50 4.5 ± 2.24 510.2 ± 246.3

平均値±標準偏差(n=12)

Xu 0−24h:投与後24時間までの尿中排泄量

16.4 代謝

ベタインは非可逆的に亜鉛金属酵素であるベタイン−ホモシステインメチル基転移酵素(BHMT)によって代謝される。

16.7 薬物相互作用

ヒト結腸腺癌由来Caco−2細胞を用いて、γ−アミノ酪酸(以下、「GABA」)の3H標識体(13nmol/L)の膜透過性に対する各種化合物の阻害作用がin vitroで検討された結果、グリシルサルコシン、ロイシン、ガボキサドール、サルコシン、リジン、5−ヒドロキシトリプトファン、プロリン及びグリシンはGABAの取り込みをコントロールに対して約44~70%(平均値)まで減少させ、ベタインはコントロールに対して54.6%(平均値)まで減少させた4)。

(注)本剤の承認された用法・用量は、通常、11歳以上にはベタインとして1回3gを1日2回経口投与する。通常、11歳未満にはベタインとして1回50mg/kgを1日2回経口投与である。