アトピー性皮膚炎
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常,成人には,0.5%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとする。 通常,小児には,0.25%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。症状に応じて,0.5%製剤を1日2回塗布することができる。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとするが,体格を考慮すること。
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1皮膚感染症を伴う患者
皮膚感染部位を避けて使用すること。なお,やむを得ず使用する場合には,あらかじめ適切な抗菌剤,抗ウイルス剤,抗真菌剤による治療を行う,若しくはこれらとの併用を考慮すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。動物実験(ラット,経口投与)で,胎児に移行することが報告されている1)。また,動物実験(ラット及びウサギ,経口投与)で,本剤の最大臨床用量における曝露量(AUC)の231倍及び528倍の曝露量で胚・胎児死亡率の増加が報告されている2)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット,経口投与)で,乳汁中に移行することが報告されている3)。
9.7 小児等
*低出生体重児,新生児及び6ヵ月未満の乳児を対象に,有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 口腔ヘルペス,単純ヘルペス,帯状疱疹,膿痂疹 | 1%未満 |
| 接触皮膚炎 | 1%未満 |
| 適用部位ざ瘡(2.0%),適用部位刺激感,適用部位紅斑 | 頻度不明 |
| 適用部位そう痒感 | 1%未満 |
| 適用部位毛包炎(2.4%),ヘルペス性状湿疹 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
デルゴシチニブは,ヤヌスキナーゼファミリー(JAK1,JAK2,JAK3及びTyk2)のすべてのキナーゼ活性を阻害することにより,種々のサイトカインシグナル伝達を阻害する。本作用機序に基づき,サイトカインにより誘発される免疫細胞及び炎症細胞の活性化を抑制して皮膚の炎症を抑制する。また,サイトカインにより誘発される掻破行動(そう痒)を抑制する12)。
18.2 JAKに対する作用
JAKファミリーのキナーゼ活性を,アデノシン三リン酸と競合して阻害した。
18.3 サイトカインシグナル伝達に対する作用(in vitro)
ヒト細胞において,サイトカインにより誘発されるSTATリン酸化を阻害した。
18.4 免疫細胞及び炎症細胞に対する作用(in vitro)
サイトカインにより誘発されるヒトT細胞及びB細胞の増殖を抑制した。また,サイトカインにより誘発されるヒトマスト細胞及び単球の炎症性サイトカインの産生を抑制した。
18.5 ラット皮膚炎モデルにおける作用(in vivo)
アトピー性皮膚炎モデルラットにおいて,皮膚の炎症を抑制した。
18.6 マウス掻破行動に対する作用(in vivo)
マウスにおいて,IL-31により誘発される掻破行動を抑制した。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.116歳以上のアトピー性皮膚炎患者
16歳以上のアトピー性皮膚炎患者に本剤0.5%を1回最大5g,1日2回反復塗布し,デルゴシチニブの血漿中濃度を測定した(定量下限:1.0ng/mL)。デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布4週時では11.9%(59/494例),塗布12週時では15.8%(65/411例),塗布28週時では14.2%(54/380例),塗布52週時では11.5%(30/262例)であった。最大値は,塗布4週時では10.8ng/mL,塗布12週時では13.1ng/mL,塗布28週時では13.3ng/mL,塗布52週時では7.3ng/mLであった5)。
- 16.1.22歳以上16歳未満のアトピー性皮膚炎患者
2歳以上16歳未満のアトピー性皮膚炎患者に本剤を1回最大5g,1日2回反復塗布し,デルゴシチニブの血漿中濃度を測定した(定量下限:1.0ng/mL)。本剤0.25%を塗布した場合,デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布2週時では4.9%(3/61例),塗布4週時では5.0%(3/60例)であった。最大値は,塗布2週時では4.7ng/mL,塗布4週時では1.6ng/mLであった。また,本剤0.25%又は0.5%の長期塗布期間中,デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布12週時では16.4%(11/67例),塗布28週時では4.9%(3/61例),塗布56週時では8.8%(5/57例)であった。最大値は,塗布52週時の11.8ng/mLであった6)。
- 16.1.3*6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎患者
6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎患者に本剤を1回最大2.5g,1日2回反復塗布し,デルゴシチニブの血漿中濃度を測定した(定量下限:1.0ng/mL)。デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布4週時では31.8%(7/22例),塗布28週時では22.7%(5/22例),塗布52週時では4.8%(1/21例)であった。最大値は,塗布4週時では2.1ng/mL,塗布28週時では7.3ng/mL,塗布52週時では1.8ng/mLであった7)。
16.3 分布
デルゴシチニブのヒト血漿中蛋白結合率は21.8~29.1%であった(in vitro)1)。
16.4 代謝
デルゴシチニブは,ヒト皮膚ミクロソーム及びヒト肝細胞では代謝されなかった。デルゴシチニブは,ヒト肝ミクロソームにおいてわずかに代謝され,主にCYP3A4が寄与する(in vitro)8)。
16.5 排泄
ラットに14C標識したデルゴシチニブを静脈内投与したとき,投与168時間後までに投与放射能の65.4%が尿中に排泄され,30.9%が糞中に排泄された。また,イヌに14C標識したデルゴシチニブを静脈内投与したとき,投与168時間後までに投与放射能の68.6%が尿中に排泄され,27.5%が糞中に排泄された3)。
16.7 薬物相互作用
デルゴシチニブは,P-gp,OAT3及びOCT2の基質である(in vitro)9)。