血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg
ジフェリケファリン酢酸塩注射液
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはジフェリケファリンとして、下表に示す用量を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側に注入する。
| ドライウェイト | 投与量 |
|---|---|
| 45kg未満 | 17.5μg |
| 45kg以上65kg未満 | 25.0μg |
| 65kg以上85kg未満 | 35.0μg |
| 85kg以上 | 42.5μg |
使用上の注意
眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| オピオイド系薬剤 | 本剤の作用が増強あるいは減弱されるおそれがある。 | 両剤の薬理学的な相互作用(増強又は拮抗)が考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ほてり | 頻度不明 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 甲状腺ホルモン減少 | 頻度不明 |
| 精神状態変化 | 頻度不明 |
| 血中カリウム増加 | 頻度不明 |
| 血中プロラクチン増加 | 頻度不明 |
| 血中甲状腺刺激ホルモン減少 | 頻度不明 |
| 血圧低下 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ジフェリケファリンは、κオピオイド受容体選択的な作動薬であり、κオピオイド受容体に作用することにより抗そう痒作用を示す。
18.2 オピオイド受容体に対する作用
ヒトκ、μ及びδオピオイド受容体におけるリガンド結合に対する阻害率は、ジフェリケファリン10μmol/Lの濃度で、それぞれ95%、14%及び<10%であった。また、ヒトκ、μ及びδオピオイド受容体を発現させた細胞における50%作用濃度は、それぞれ、0.16、>10000及び>10000nmol/Lであった10)11)(in vitro)。
18.3 抗そう痒作用
マウスを用いたヒスタミン、サブスタンスP、Compound 48/80及び5'-Guanidinonaltrindole(GNTI)誘発そう痒モデルにおいて抗そう痒作用を示した12)。
18.4 抗炎症作用
マウスへのLPS投与により誘発されたTNFα、IL-1β、IL-2、MIP-1β及びIL-12(p40/p70)の放出を減少させた。また、ラットを用いたカラゲニン誘発足浮腫モデルにおける足浮腫を減少させた13)。
18.5 依存性
ラットを用いた依存性試験において報酬及び強化効果は認められず、自覚効果は低レベルであった。また、長期投与による退薬症状及び身体依存性は認められなかった14)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与(1週間)
日本人血液透析患者を対象に、本剤0.5及び1μg/kg注1)を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から1週間投与したときの1回目及び3回目投与における血漿中ジフェリケファリン濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。透析後の血漿中ジフェリケファリン濃度は透析前の値から76%低下した1)。
反復投与時の血漿中ジフェリケファリン濃度推移
| 投与量 | 例数 | Cmax (ng/mL) |
AUC0-inf (ng·h/mL) |
t1/2 (h) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 0.5μg/kg | 5 | 1回目 | 4.38 ±1.31 |
97.38 ±35.02 |
34.1 ±7.2 |
| 3回目 | 5.38 ±1.84 |
151.34 ±48.55 |
40.0 ±10.1 |
||
| 1μg/kg | 4 | 1回目 | 8.95 ±2.24 |
240.05 ±87.23 |
39.0 ±14.5 |
| 3回目 | 8.69 ±2.45 |
316.85 ±106.67 |
49.3 ±28.1 |
平均値±標準偏差
- 16.1.2反復投与(8週間)
日本人血液透析患者を対象に、本剤0.5μg/kgをベースとしたドライウェイトに基づく体重区分ごとの投与量※を週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から8週間投与したとき、週はじめの透析前の血漿中トラフ濃度は以下のとおりであった2)。 ※45.0kg未満:17.5μg、45.0kg以上65.0kg未満:25.0μg、65.0kg以上85.0kg未満:35.0μg、85.0kg以上:42.5μg
| ドライウェイト | 1週時 | 4週時 | 7週時 |
|---|---|---|---|
| 45kg未満 | 0.43±0.17(5) | 0.46±0.23(4) | 0.61±0.19(4) |
| 45kg以上 65kg未満 |
0.55±0.22(36) | 0.66±0.25(32) | 0.63±0.24(32) |
| 65kg以上 85kg未満 |
0.52±0.20(15) | 0.59±0.21(15) | 0.56±0.20(15) |
| 85kg以上 | 0.69、 0.79(2)a) |
0.75、 0.85(2)a) |
0.75(1)a) |
平均値±標準偏差(例数) a)個別値(例数)
16.3 分布
-
16.3.1ヒト血漿蛋白結合率は、14C-ジフェリケファリン1及び10μmol/Lの濃度において18.3%及び16.7%であった3)(in vitro)。
-
16.3.2血液透析患者に本剤1、3及び6μg/kg注1)を投与したときの血漿蛋白結合率は23.3%~27.5%であった4)(外国人データ)。
-
16.3.3雄性ラット(2例/時点)に本剤3mg/kgを単回静脈内投与したときの投与0.5、1及び3時間後の血漿中及び脳中の本剤濃度が検討された結果、各測定時点における血漿中に対する脳中の本剤濃度の比は、それぞれ0.0221、0.0187及び0.253であった5)。
16.4 代謝
-
16.4.1本剤は、ヒト凍結肝細胞中では代謝されなかった6)(in vitro)。
-
16.4.2血液透析患者6例に14C-ジフェリケファリン230μg(1.7~3.0μg/kg)注1)を単回静脈内投与したとき、血漿中放射能の99%超が未変化体として存在していた。また、尿中及び糞中に認められた代謝物のうち、最も多いものは総放射能の2.44%であった7)(外国人データ)。
16.5 排泄
血液透析患者6例に14C-ジフェリケファリン230μg(1.7~3.0μg/kg)注1)を単回静脈内投与したとき、投与した放射能の58.8%が糞中、19.5%が透析液中及び11.2%が尿中に排泄された7)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
腎機能正常(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)被験者又は軽度(eGFR 60~89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR 30~59mL/min/1.73m2)若しくは重度(eGFR 15~29mL/min/1.73m2)腎機能障害を有する被験者(腎機能正常被験者12例、軽度、中等度又は重度腎機能障害被験者各8例)を対象に、本剤3μg/kg注1)を単回静脈内投与したときの血漿中ジフェリケファリンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった8)(外国人データ)。
| 腎機能 | 評価 例数 |
Cmax (ng/mL) |
t1/2 (h) |
AUC0-inf (ng·h/mL) |
CLa) (mL/min) |
|---|---|---|---|---|---|
| 正常 | 12 | 40.5±15.4 | 3.11±0.805 | 61.5±10.2 | 70.0±11.2 |
| 軽度 障害 |
8 | 47.0±19.8 | 3.67±0.741 | 76.6±15.9 | 63.2±12.9 |
| 中等度 障害 |
8 | 32.9±7.08 | 5.96±1.22 | 121±28.7 | 36.6±10.4 |
| 重度 障害 |
8 | 41.1±16.8 | 10.7±1.84 | 234±48.4 | 19.6±4.15 |
平均値±標準偏差 a)実投与量(投与前後のシリンジの重量差×投与された溶液の濃度)に基づき算出
注1)承認用量は本剤0.5μg/kgをベースとしたドライウェイトに基づく体重区分ごとの投与量 45.0kg未満:17.5μg、45.0kg以上65.0kg未満:25.0μg、65.0kg以上85.0kg未満:35.0μg、85.0kg以上:42.5μgである。