Clinical snapshot

コセンティクス皮下注150mgペン

セクキヌマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年03月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。 本剤は感染のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること。

  2. 1.2重篤な感染症

ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導すること。

  1. 1.3本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈75mgシリンジ、150mgペン〉

既存治療で効果不十分な下記疾患 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎

  • 〈300mgペン〉

既存治療で効果不十分な下記疾患 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬

用法・用量

  • 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉

通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。 通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。

  • 〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉

通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。

  2. 8.2本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線(レントゲン)検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。 また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。

  3. 8.3臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。

  4. 8.4本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。

  5. 8.5他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。

  6. 8.6本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈製剤共通〉
  1. 9.1.1感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者

感染症が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者

  2. (1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある。

  3. (2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること。

  • 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

  • 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

  • インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者

  • 結核患者との濃厚接触歴を有する患者

  1. 9.1.3炎症性腸疾患の患者

炎症性腸疾患の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと。症状を悪化させるおそれがある。活動期にあるクローン病の患者を対象とした海外臨床試験において、プラセボ群に比べて本剤群において活動期のクローン病の症状が悪化する傾向がみられている。

  • 〈75mgシリンジ、150mgペン〉
  1. 9.1.4ラテックス過敏症の既往歴又は可能性のある患者

アレルギー反応を起こすことがあるので注意すること。75mgシリンジ及び150mgペンの注射針部分のカバーは、乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含む。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はカニクイザルにおいて胎児への移行が報告されているが、胚・胎児毒性及び催奇形性は認められていない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、本薬を投与した動物実験(マウス)で乳汁中に移行することが報告されている注)。 注)代替抗体を投与した動物実験(マウス)で出生児の血清中への移行を確認した。

9.7 小児等

  • 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉
  1. 9.7.1低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
  1. 9.7.2小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
カンジダ症 頻度不明
上気道感染 頻度不明
上気道感染(上咽頭炎 頻度不明
下痢 1%未満
副鼻腔炎 頻度不明
口腔ヘルペス 1%未満
咽頭炎 頻度不明
壊疽性膿皮症 頻度不明
扁桃炎) 頻度不明
注射部位反応 1%未満
異汗性湿疹 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
結膜炎 頻度不明
肝機能検査値異常 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
足部白癬 1%未満
過敏性血管炎 頻度不明
頭痛 頻度不明
鼻漏 1%未満
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

セクキヌマブは、ヒト抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体であり、炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害することにより、その活性を中和する。

18.2 In vitroにおける薬理活性

セクキヌマブは、選択的にヒトIL-17Aに結合し(解離定数:約200pM)、ヒト線維芽細胞様滑膜細胞8)及びヒト皮膚線維芽細胞9)において、ヒトIL-17Aにより誘導したIL-6産生作用を中和した。

18.3 In vivoにおける薬理活性

セクキヌマブは、ヒト遺伝子組換えIL-17Aにより誘発した関節炎モデルマウスにおいて、関節炎を誘発する24時間前及び2時間前にセクキヌマブを腹腔内投与することにより、関節の腫脹及び軟骨に対する作用を完全に抑制した10)。また、ヒト遺伝子組換えIL-17Aで誘発されるマウス空気嚢への好中球浸潤を、好中球浸潤誘発前にセクキヌマブを単回腹腔内投与することにより、用量依存的に抑制した11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを単回皮下投与したとき、血清中セクキヌマブ濃度は投与後8日目にCmaxを示し、消失半減期は26~30日であった。また、絶対バイオアベイラビリティは77%であった。

(平均値+標準偏差) 日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移

150mg 300mg
Cmax (μg/mL) 21.1±2.90 46.3±7.63
AUC0-inf (μg·day/mL) 1,070±153 1,930 ± 408
Tmax (日) 8(4~21) 8(7~14)
T1/2 (日) 30.0±6.93 25.9±5.09

平均値±標準偏差、Tmaxについては中央値(最小~最大)

日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)1~10mg/kgを単回静脈内投与したときのクリアランスは0.114~0.121L/日、分布容積は4.23~5.34Lであった。 日本人乾癬患者にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で投与後48週目まで皮下投与した。投与後24週目及び52週目のセクキヌマブ(遺伝子組換え)投与前の血清中濃度(平均値±標準偏差)は、150mg群では16.7±6.18μg/mL(26例)及び17.3±7.65μg/mL(24例)、300mg群では30.9±12.4μg/mL(28例)及び31.9±9.53μg/mL(27例)であった。 母集団薬物動態解析より推定した日本人尋常性乾癬患者(平均体重:73.3kg)のクリアランスは0.181L/日、中央コンパートメントの分布容積は3.25L、末梢コンパートメントの分布容積は2.53Lであった1)。 日本人強直性脊椎炎患者にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で投与後48週目まで皮下投与した。投与後24週目及び52週目のセクキヌマブ(遺伝子組換え)投与前の血清中濃度(平均値±標準偏差)は、20.9±7.07μg/mL(25例)及び19.9±5.25μg/mL(21例)であった。 日本人のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で投与後48週目まで皮下投与した。投与後52週目のセクキヌマブ(遺伝子組換え)投与前の血清中濃度は、12.5及び16.5μg/mL(2例)であった。 重症の小児乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者(日本人及び外国人)にセクキヌマブ(遺伝子組換え)を体重に応じて週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で皮下投与した時の定常状態における投与前の血清中濃度を下表に示す。なお、日本人患者1例(体重25kg以上50kg未満、150mg皮下投与)の24週目及び52週目における投与前の血清中濃度は、66.1及び56.0μg/mLであった。

体重 投与量 24週 52週
25kg未満 75mg 24.1, 34.6(2) 22.2(1)
25kg以上50kg未満 75mg 20.4±7.44(14) 18.7±8.18(14)
150mg 30.6±16.4(10) 41.9±15.4(5)
50kg以上 150mg 24.7±8.04(7) 26.1±8.87(8)
300mg 71.8±24.6(6) 47.7±18.6(9)

μg/mL、平均値±標準偏差(例数)

中等症又は重症の小児乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者(外国人)にセクキヌマブ(遺伝子組換え)を体重に応じて週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で皮下投与した時の定常状態における投与前の血清中濃度を下表に示す。

体重 投与量 24週 52週
25kg未満 75mg 33.6±12.2(6) 32.7±7.10(4)
25kg以上50kg未満 75mg 18.9±6.51(10) 22.0±7.05(10)
150mg 32.9±19.1(9) 28.4±16.7(8)
50kg以上 150mg 28.0±10.6(29) 25.6±9.52(24)
300mg 52.7±22.2(27) 48.9±15.8(24)

μg/mL、平均値±標準偏差(例数)