Clinical snapshot

コスメゲン静注用0.5mg

アクチノマイシンD

添付文書改訂 2025年11月01日

【警告】

  1. 1.1本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2水痘又は帯状疱疹の患者[致命的全身障害があらわれることがある。]

効能・効果

  • ウイルムス腫瘍、絨毛上皮腫、破壊性胞状奇胎

  • 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

  • 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍)

用法・用量

  • 〈ウイルムス腫瘍、絨毛上皮腫、破壊性胞状奇胎〉

一般的な投与法は次の通りである。 成人:通常1日量体重1kg当り0.010mg(10μg)5日間の静脈内注射を1クールとする。 小児:通常1日量体重1kg当り0.015mg(15μg)5日間の静脈内注射を1クールとする。 休薬期間は通常2週間であるが、前回の投与によって中毒症状があらわれた場合は、中毒症状が消失するまで休薬する。

  • 〈小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉

  • (1)1回投与法

  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用における用法・用量は、1日1回1.25〜1.35mg/m2(体重30kg以上:1日最大投与量2.3mg)または0.045mg/kg(体重30kg未満)を静注または点滴静注とする。

  • (2)分割投与法

  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用における用法・用量は、1日1回0.015mg/kg(1日最大投与量0.5mg)を静注または点滴静注、5日間連続投与とする。

休薬期間は通常2週間であるが、前回の投与によって中毒症状があらわれた場合は、中毒症状が消失するまで休薬する。 年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量を行う。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。なお、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。

  2. 8.2本剤によって免疫抑制が起こることがあるので、本剤による治療中は生ワクチンの接種は行わないこと。

  3. 8.3感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄機能抑制のある患者

  2. 9.1.2感染症を合併している患者(水痘又は帯状疱疹の患者を除く)

免疫機能を抑制するので、感染症を増悪させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

  2. 9.4.2*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

  3. 9.4.3*男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、妊娠9日目にアクチノマイシンD 150、200μg/kgを1回腹腔内投与した際に胎児に脳水腫を主とする神経系の異常がみられており、胎児死亡率も対照群に比べて有意に高いことが示されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。

9.7 小児等

副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗悪性腫瘍剤
放射線照射
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがあるので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。 いずれも骨髄機能抑制等の副作用の強い薬剤及び治療法であるため、併用により増強されると考えられる。
抗悪性腫瘍剤
放射線照射
二次性悪性腫瘍(白血病を含む)があらわれることがあるので、本剤の投与終了後も長期的に十分な観察を行う必要がある。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇等) 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
イレウス 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不安感 頻度不明
不快感 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
出血 頻度不明
口内炎 頻度不明
口唇炎 頻度不明
咽頭炎 1%未満
嗜眠 頻度不明
嚥下困難 頻度不明
悪心・嘔吐(56.0%) 頻度不明
手足のしびれ 1%未満
消化性潰瘍 頻度不明
痙攣 1%未満
痤瘡 頻度不明
発熱 1%未満
発疹 頻度不明
発赤 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
眼瞼浮腫 1%未満
神経過敏 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
網状赤血球減少 頻度不明
肝障害(AST上昇 頻度不明
胸水 頻度不明
胸部圧迫感 頻度不明
脱毛 頻度不明
腸炎 頻度不明
腹水 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
色素沈着 頻度不明
血便 1%未満
血小板減少 頻度不明
血球貪食症候群 頻度不明
血痰 1%未満
視神経症 頻度不明
貧血 1%未満
頭痛 頻度不明
頭重 頻度不明
食欲不振(51.5%) 頻度不明
食道炎 粘液便 頻度不明
黄疸 1%未満
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤がDNAと結合することで、RNA polymeraseによるDNAの転写反応が抑制されると考えられている4),5) 。

18.2 抗腫瘍作用

動物実験(マウス、ラット等)で、アクチノマイシンDは吉田肉腫、Ehrlich腹水癌、Krebs 2腹水癌、Sarcoma 180腹水癌、Leukemia 1210、Methylcholanthrene肉腫、乳癌及び移植性ウイルムス腫瘍等に対して抗腫瘍効果を有することが認められている6),7),8),9) 。

18.3 HeLa細胞に対する作用

アクチノマイシンDはHeLa細胞に対して核毒として作用し、細胞変性効果を示すことが認められている10) (in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

成人悪性黒色腫患者3例に3H-標識アクチノマイシンD 10、15μg/kgを静注した場合の血中半減期は、約36時間であった3) (外国人データ)。

16.4 代謝

アクチノマイシンDは生体内においてほとんど代謝されない3) (外国人データ)。

16.5 排泄

成人悪性黒色腫患者1例にアクチノマイシンD 10μg/kgを静注したところ、投与後9日間の尿中及び糞中回収率は、それぞれ20%、14%であった3) (外国人データ)。