Clinical snapshot

ケアロードLA錠60μg

ベラプロストナトリウム徐放錠

添付文書改訂 2025年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、上部消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血等)[出血を増大するおそれがある。]

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

肺動脈性肺高血圧症

用法・用量

通常、成人には、ベラプロストナトリウムとして1日120μgを2回に分けて朝夕食後に経口投与することから開始し、症状(副作用)を十分観察しながら漸次増量する。なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日360μgまでとし、2回に分けて朝夕食後に経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。

  2. 8.2本剤の有効成分は「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。

  3. 8.3本剤から「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」へ切り替える場合には、本剤最終投与時から12時間以上が経過した後に、「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」をベラプロストナトリウムとして原則1日60μgを3回に分けて食後に経口投与することから開始すること。また、本剤と同用量の「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」に切り替えると、過量投与になるおそれがあるため注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1月経期間中の患者

出血傾向を助長するおそれがある。

  1. 9.1.2出血傾向並びにその素因のある患者

出血傾向を助長するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

最高血漿中濃度(Cmax)及び曝露量(AUC)が増加するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 抗凝血剤• ワルファリン

• 抗血小板剤• アスピリン
チクロピジン

• 血栓溶解剤• ウロキナーゼ
出血傾向を助長することがある。 相互に作用を増強することがある。
• プロスタグランジンI2製剤• エポプロステノール
ベラプロスト注2)
• エンドセリン受容体拮抗剤• ボセンタン
血圧低下を助長するおそれがあるので、血圧を十分に観察すること。 相互に作用を増強することが考えられる。

注2)同一有効成分を含有する「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」等との併用に注意すること。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
しびれ感 頻度不明
そう痒 頻度不明
トリグリセライド上昇 頻度不明
のぼせ 頻度不明
ビリルビン上昇 頻度不明
ふらつき 頻度不明
ほてり(56.5%) 頻度不明
めまい 頻度不明
もうろう状態 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢(21.7%) 頻度不明
不眠 頻度不明
倦怠感(28.3%) 頻度不明
冷汗 頻度不明
出血傾向 頻度不明
動悸 頻度不明
口渇 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気(28.3%) 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
息苦しさ 頻度不明
振戦 頻度不明
気分不良 頻度不明
浮腫 頻度不明
浮遊感 頻度不明
湿疹 頻度不明
潮紅 頻度不明
熱感 頻度不明
疼痛 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球増多 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮下出血 頻度不明
眠気 頻度不明
立ちくらみ 頻度不明
筋痛 頻度不明
紅斑 頻度不明
耳鳴 頻度不明
胃不快感 頻度不明
胃潰瘍 頻度不明
胃障害 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸やけ 頻度不明
胸痛 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脱力感 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血圧低下 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血尿 頻度不明
貧血 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛(73.9%) 頻度不明
頸部痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
顎痛 頻度不明
顔面潮紅(67.4%) 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プロスタサイクリンと同様に、ベラプロストナトリウムは血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニレートシクラーゼを活性化し、細胞内cAMP濃度上昇、Ca2+流入抑制及びトロンボキサンA2生成抑制等により、血管拡張作用、抗血小板作用及び血管平滑筋細胞増殖抑制作用を示す8),9),10),11),12),13),14) 。

18.2 血小板凝集抑制作用

  1. 18.2.1健康成人への経口投与において、血小板凝集能を抑制する15) 。

  2. 18.2.2凝集誘発物質によるヒト血小板凝集を抑制し、ヒト血小板凝集塊解離作用を有する8),16) (in vitro)。

18.3 血管拡張・血流増加作用

K+、PGF2αにより収縮させたイヌの大腿動脈、腸管膜動脈等、各種摘出動脈及びセロトニン、フェニレフリンにより収縮させたイヌの摘出肺動脈に対し、弛緩作用を示し9),17) (in vitro)、イヌの各種臓器血管の血流を増加させる10) 。

18.4 血管平滑筋細胞増殖抑制作用

血小板由来増殖因子刺激によるヒト肺動脈血管平滑筋細胞の増殖を抑制する9) (in vitro)。

18.5 病態モデルに対する作用

  1. 18.5.1肺高血圧症モデル

モノクロタリン誘発ラット肺高血圧モデルにおいて、経口投与で右室収縮期圧の上昇及び肺血管中膜の筋性肥大を抑制する9),18) 。 トロンボキサンアゴニスト誘発イヌ肺高血圧モデルにおいて、静脈内投与で肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させる9) 。 塞栓誘発ラット肺高血圧モデルにおいて、右室収縮期圧上昇を抑制する9) 。

  1. 18.5.2血栓症モデル

ラット動脈血栓症及びラット静脈血栓症等に対し、血栓形成の抑制効果を認める11) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に本剤120μg又は180μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった1) 。

投与量 薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax
(pg/mL)
Tmax
(h)
AUC0-48
(pg・h/mL)
MRT0-48
(h)
本剤 120μg
(n=12)
178.5±74.3 3.2±1.0 1076±322 8.38±2.69
本剤 180μg
(n=12)
264.5±112.9 3.9±1.1 1989±847 10.70±1.60

健康成人に「ドルナー錠20μg」又は「プロサイリン錠20」40μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった2) 。

投与量 薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax(pg/mL) Tmax(h) AUC0-6(pg・h/mL)
ドルナー錠、プロサイリン錠 40μg(n=12) 228.4±94.6 1.3±0.6 462±144
  1. 16.1.2反復投与

健康成人に本剤240μgを朝夕食後2回に分けて7日間経口投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。血漿中濃度は投与3日目に定常状態に達し、蓄積性は認められなかった2) 。

1日用量 投与日 薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax
(pg/mL)
Tmax
(h)
AUC0-12
(pg・h/mL)
240μg
(n=12)
1日目 170.4±63.1 4.2±2.6 810±295
7日目 214.7±89.1 3.0±1.0 1225±343

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男子に単回投与クロスオーバー法で180μg投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。血漿中ベラプロストナトリウム濃度から計算した食後投与及び空腹時投与のCmax及びAUC0-48について検討した結果、いずれも同等性を示さず、食事の影響があると判断された1) 。

投与量 食事 薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax
(pg/mL)
Tmax
(h)
AUC0-48
(pg・h/mL)
180μg
(n=12)
あり 264.5±112.9 3.9±1.1 1989±847
なし 177.4±69.2 2.3±1.4 2242±1078

16.3 分布

血漿蛋白結合率は約90%であった3) (in vitro)。

16.4 代謝

ベラプロストナトリウムは、ヒトにおいて主にβ-酸化、15位水酸基の酸化及び13位二重結合の水素化、グルクロン酸抱合により代謝された4) 。また、ベラプロストナトリウムは、CYP2C8によって添加量の約3%とわずかに代謝されたが、他のCYP分子種(1A2、2A6、2B6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4、4A11)では代謝されなかった5) (in vitro)。CYP分子種(1A2、2A6、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4)のいずれに対しても阻害を認めず、また、CYP分子種(1A2、2C9、2C19、3A4)のいずれに対しても、その活性を誘導しなかった5) (in vitro)。

16.5 排泄

健康成人に本剤120μg又は180μgを食後経口単回投与したとき、48時間後までの尿中未変化体排泄率はそれぞれ0.87%、0.93%であった1) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能正常者、軽度腎機能障害患者、中等度腎機能障害患者及び重度腎機能障害患者を対象に本剤120μgを空腹時経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであり、腎機能正常者と比較し、腎機能障害患者でCmax及びAUC0-48が増加する傾向が認められた6) 。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
AUC0-48
(pg・h/mL)
腎機能正常者
(eGFR≧90mL/min/1.73m2)
84.917
±22.933
3.3
±3.4
14.73
±9.45
977.802
±226.339
軽度腎機能障害患者
(60≦eGFR<90mL/min/1.73m2)
119.800
±36.428
3.8
±3.3
8.02
±4.50
1252.389
±427.457
中等度腎機能障害患者
(30≦eGFR<60mL/min/1.73m2)
190.583
±137.329
4.2
±1.6
13.76
±5.45
1862.457
±964.327
重度腎機能障害患者
(15≦eGFR<30mL/min/1.73m2)
240.167
±110.512
3.7
±0.5
18.82
±17.15
1766.488
±806.401

n=6、平均値±SD eGFR:推算糸球体濾過量