次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
1回1滴、1日2回点眼する。
使用上の注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:経口投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 接触性皮膚炎 | 頻度不明 |
| 点状角膜炎等) | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 眼そう痒 | 1〜5%未満 |
| 眼の異常感 | 1〜5%未満 |
| 眼刺激 | 5%以上 |
| 眼圧上昇 | 1〜5%未満 |
| 眼痛 | 1〜5%未満 |
| 眼瞼浮腫 | 頻度不明 |
| 眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)注2) | 5%以上 |
| 眼脂 | 1〜5%未満 |
| 紅斑 | 1〜5%未満 |
| 結膜充血(69.0%)注1) | 5%以上 |
| 結膜濾胞 | 1〜5%未満 |
| 結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)注2) | 5%以上 |
| 角膜上皮障害(角膜びらん | 1〜5%未満 |
| 霧視 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
リパスジルの眼圧下降作用の機序として、Rhoキナーゼ阻害作用に基づく線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出促進が示唆されている8) 。
18.2 Rhoキナーゼ阻害作用
リパスジルはRhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK-1及びROCK-2に対して選択的な阻害作用を示した8) (in vitro)。
18.3 主流出路からの房水流出促進作用
ウサギに本剤を単回点眼したとき、房水流出率は基剤投与群に比べて有意に増加した。一方、ぶどう膜強膜流量及び房水産生量に影響を及ぼさなかった8) 。
18.4 眼圧下降作用
ウサギにリパスジル塩酸塩水和物点眼液0.0625~0.5%を、サルに0.1~0.4%を単回点眼投与したとき、濃度依存的な眼圧下降効果が認められた8) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復点眼
健康成人男性8例に本剤を両眼に1回1滴、1日2回7日間反復点眼したとき、リパスジル及び主代謝物M1(イソキノリン環1位の水酸化体)の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次の図表のとおりであり、リパスジルの体循環への移行及び体内からの消失は速やかであった1) 。
図 健康成人男性における反復点眼時の血漿中濃度推移
| tmax (hr) |
Cmax (ng/mL) |
AUC0-τ (ng・hr/mL) |
t1/2 (hr) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| リパスジル | 点眼1日目 | 0.083[0.0] n=7 |
0.420±0.278 n=8 |
0.183±0.135 n=8 |
- |
| 点眼7日目 | 0.083[56.6] n=8 |
0.622±0.161 n=8 |
0.231±0.091 n=8 |
0.455 n=1 |
|
| M1 | 点眼1日目 | 0.500[37.6] n=8 |
1.198±0.582 n=8 |
3.838±2.085 n=8 |
- |
| 点眼7日目 | 0.500[31.4] n=8 |
1.465±0.504 n=8 |
4.761±1.869 n=8 |
2.189±0.465 n=8 |
平均値±標準偏差、ただし、tmaxは中央値[変動係数(%)]
16.2 吸収
一般に、点眼した薬物はそのほとんどが鼻涙管を通り経口投与と同様の経路での移行となるが、雄性白色ウサギにリパスジル塩酸塩水和物点眼液(リパスジルとして1.0%)50μLを単回片眼点眼したときには、最初の採血時点でリパスジルは最高血漿中濃度を示し(tmax: 6.26分、Cmax: 63.9ng/mL)、点眼後の循環血への薬物移行が速やかであることが示された。また、消失半減期は24.9分と短かったが、生物学的利用率は95.8%であり、高い体循環移行性を認めた2) 。
16.3 分布
- 16.3.1眼組織内移行
雄性有色ウサギに本剤(50μL)を単回両眼点眼したとき、角膜及び眼房水では0.25時間で最高濃度(68135.4ng/g及び4126.39ng/mL)に達し、その後速やかに消失した。水晶体では0.5時間で最高濃度(154.37ng/g)に達し、その後緩やかに消失した2) 。 雄性有色ウサギに14C-リパスジル塩酸塩点眼液1.0%(50μL)を単回両眼点眼投与したとき、速やかに各眼組織に移行し、眼組織における放射能濃度は特にメラニン含有組織である虹彩・毛様体及び網膜・脈絡膜で高かった。1日2回7日間反復投与したとき、メラニン含有組織においては単回投与時と比較して放射能濃度が明らかに高くなったが、いずれの眼組織においても放射能濃度が消失する傾向が認められた2) 。
16.4 代謝
ヒトでは主に肝臓においてアルデヒドオキシダーゼによりM1へ代謝され、またわずかにCYP3A4/5及びアルデヒドオキシダーゼによりM2(ホモピペラジン環5位の酸化体)へ代謝され、続けてアルデヒドオキシダーゼによりM6(イソキノリン環1位の水酸化及びホモピペラジン環5位の酸化体)へと代謝されることが示された。また、リパスジルはCYP2C8、CYP3A4/5によりM4(ホモピペラジン環ニトロン体)へ代謝され、その他M3(イソキノリン環N-オキシド体)及びM2を経由してM5(ホモピペラジン環5位の酸化及びイソキノリン環N-オキシド体)へ代謝される経路が推察された2) (in vitro、in vivo)。
16.5 排泄
健康成人男性8例に本剤1滴を両眼に単回点眼投与したとき、リパスジル及び代謝物M1の48時間までの尿中排泄率(平均値)はそれぞれ1.34%、48.68%であった。リパスジルとしての尿中への排泄はわずかであり、尿中排泄の大部分が代謝物M1であった。それらの尿中排泄量の大部分は単回投与12時間後までに排泄された。また、代謝物M2の総尿中排泄率はごくわずかであった3) 。