Clinical snapshot

クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」

クロルヘキシジングルコン酸塩液剤

添付文書改訂 2023年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者

  2. 2.2脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]

  3. 2.3腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。]

  4. 2.4眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。]

効能・効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、皮膚の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

用法・用量

  • 〈手指・皮膚の消毒〉

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる。

  • 〈手術部位(手術野)の皮膚の消毒及び医療機器の消毒〉

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液又は0.5%エタノール溶液を用いる。

  • 〈皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒〉

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる。

使用上の注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)

  2. 9.1.2喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
じん麻疹 1%未満
発疹 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

作用機序は十分には解明されていないが、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている5),6)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1クロルヘキシジングルコン酸塩は広範囲の微生物に作用し、グラム陽性菌には低濃度でも迅速な殺菌作用を示す7),8)(in vitro)。

  2. 18.2.2グラム陰性菌には比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べ抗菌力に幅がみられる9)。グラム陰性菌のうち、AlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属等には、まれにクロルヘキシジングルコン酸塩に抵抗する菌株もある10),11),12)(in vitro)。

  3. 18.2.3芽胞形成菌の芽胞には効力を示さない13)(in vitro)。

  4. 18.2.4結核菌に対して水溶液では静菌作用を示し、アルコール溶液では迅速な殺菌作用を示す14),15)(in vitro)。

  5. 18.2.5真菌類の多くに抗菌力を示すが、全般的に細菌類よりも抗菌力は弱い15),16)(in vitro)。

  6. 18.2.6ウイルスに対する効力は確定していない15)。

  7. 18.2.7各種臨床分離株に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の殺菌力17)(in vitro

試験菌株 作用濃度
(%)
殺菌率(%)
1分 10分 30分
MSSA No.1 0.05
0.1
0.5
99.861
99.923
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
MRSA No.2 0.05
0.1
0.5
32.530
77.108
97.952
99.976
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
Escherichia coli No.1 0.05
0.1
0.5
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
Serratia marcescens No.2 0.05
0.1
0.5
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
Enterobacter cloacae No.1 0.05
0.1
0.5
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
Pseudomonas aeruginosa No.1 0.05
0.1
0.5
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
Burkholderia cepacia No.3 0.05
0.1
0.5
96.667
97.879
99.985
99.970
>99.985
>99.985
99.985
>99.985
>99.985

18.3 生物学的同等性試験

  1. 18.3.1 クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」と5%ヒビテン液の殺菌力試験[最小発育阻止濃度(MIC)測定法・フェノール係数値測定法・Kelsey-Sykes改良法]を行った結果、in vitroにおいて両剤の生物学的同等性が確認された。 また、グローブジュース改変法による殺菌効力の比較試験を行った結果、消毒後の手指菌数対数値の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、in vivoにおいて両剤の生物学的同等性が確認された18)。
MIC試験菌株 MIC(μg/mL)注)
P. aeruginosa IFO 13275 25
P. vulgaris IFO 3988 100
E. coli IFO 3806 1.56
S. aureus IFO 12732 1.56
E. cloacae IFO 13595 6.25
S. marcescens IFO 12498 50

注)MIC(μg/mL)はクロルヘキシジングルコン酸塩としての濃度を示す。

最小発育阻止濃度は有効成分の希釈回数、時間、試験日程等の試験条件により異なる可能性がある。

  1. 18.3.2処方変更時の生物学的同等性試験

クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」の添加物変更品は、変更前製剤を対照とした殺菌力試験を行い、処方変更前後での両剤の生物学的同等性が確認された19)。