Clinical snapshot

クリースビータ皮下注10mgシリンジ

ブロスマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重度の腎機能障害患者又は末期腎不全患者

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症

用法・用量

  • 〈FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症(腫瘍性骨軟化症を除く)〉

通常、成人には、ブロスマブ(遺伝子組換え)として4週に1回1mg/kgを皮下投与する。ただし、1回投与量は90mgを超えないこと。血清リン濃度、症状等に応じて適宜減量する。 通常、小児には、ブロスマブ(遺伝子組換え)として2週に1回0.8mg/kgを皮下投与する。血清リン濃度、症状等に応じて適宜増減するが、最高用量は1回2mg/kgとする。ただし、1回投与量は90mgを超えないこと。

  • 〈腫瘍性骨軟化症〉

通常、成人には、ブロスマブ(遺伝子組換え)として4週に1回0.3mg/kgを皮下投与する。血清リン濃度、症状等に応じて適宜増減するが、最高用量は1回2mg/kgとする。

使用上の注意

  1. 8.1高リン血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。

  2. 8.2本剤の投与により、高リン血症が持続した場合、腎臓等の臓器に石灰化が生じる可能性があるので、必要に応じて超音波検査やPTHの測定等を実施すること。

  3. 8.3本剤投与中は、経口リン酸製剤、活性型ビタミンD3製剤との併用は可能な限り避けること。本剤と経口リン酸製剤、活性型ビタミンD3製剤を併用した際の安全性及び有効性を指標とした臨床試験は実施されていない。

  4. 8.4本剤はたん白質製剤であり、アナフィラキシーなど重度のアレルギー反応が起こる可能性がある。異常が認められた場合には直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  5. **8.5本剤の投与により、血清カルシウム又はPTHが上昇する可能性があるので、本剤投与前及び投与中は定期的に血清カルシウム及びPTHを測定すること。

  6. 8.6本剤は、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を開始すること。自己投与にあたっては、以下の点に注意すること。

  7. 8.6.1自己投与適用の妥当性を医師が慎重に検討し、患者又はその家族に十分な教育訓練を実施したのち、患者又はその家族が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。

  8. 8.6.2本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合は、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。

  9. 8.6.3患者又はその家族に対し、副作用とその対処法について説明した上で、以下の点を指導すること。

  • 本剤の注射方法の説明書を必ず読むこと。

  • 本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡すること。

  • 使用済みの注射器は再使用せず、安全な手段で廃棄を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1高カルシウム血症の患者又は高カルシウム血症のリスク因子(副甲状腺機能亢進症、不動状態、脱水、ビタミンD過剰症、腎機能障害等)を有する患者**

本剤による治療開始前に中等度から重度の高カルシウム血症のある患者は、高カルシウム血症が適切に管理されるまで、本剤の投与は避けること。高カルシウム血症が発現又は悪化する可能性がある。特に、三次性副甲状腺機能亢進症の患者において本剤投与後に重度の高カルシウム血症が報告されている。

9.2 腎機能障害患者

高リン血症及び腎臓等の臓器の石灰化が生じるリスクが高い。

  1. 9.2.1重度の腎機能障害患者又は末期腎不全患者

投与しないこと。これらの患者では高リン血症及び腎臓等の臓器の石灰化が生じるリスクが特に高いおそれがある。これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  1. 9.2.2軽度又は中等度の腎機能障害患者

本剤投与中は、定期的に腎機能を確認し投与の適否を検討すること。また、血清リン濃度の変動に注意すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サルを用いた生殖発生毒性試験において、臨床最大用量での曝露量の3.7倍に相当する用量で早産率の高値、臨床最大用量での曝露量の32倍に相当する用量で胎盤の重量増加及び鉱質沈着並びに流産及び胚・胎児死亡率の増加が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

1歳未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
経口リン酸製剤
活性型ビタミンD3製剤
• カルシトリオール
• ファレカルシトリオール等
高リン血症が起こるおそれがある。本剤の投与開始にあたっては、左記薬剤の投与を中止すること。また、本剤投与中も左記薬剤との併用は可能な限り避けること。 左記薬剤は血清リン濃度上昇作用があるので、血清リン濃度の上昇作用が増強される可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P増加 頻度不明
PTH増加 頻度不明
じん麻疹 頻度不明
そう痒 頻度不明
ビタミンD欠乏 頻度不明
ビタミンD異常 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
下肢不快感 頻度不明
倦怠感 頻度不明
副甲状腺機能亢進症 頻度不明
悪心 頻度不明
歯痛 頻度不明
歯膿瘍 頻度不明
注射部位反応(発疹・そう痒・疼痛等)(29.5%) 頻度不明
疼痛 頻度不明
発疹 頻度不明
筋痙攣 頻度不明
筋骨格痛 頻度不明
腎石灰化 頻度不明
腎結石 頻度不明
腎超音波検査異常 頻度不明
腹痛 頻度不明
血中カルシウム減少 頻度不明
血中リン増加 頻度不明
頭痛 頻度不明
高カルシウム尿症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

FGF23は、腎臓におけるリン再吸収の抑制と血清1,25(OH)2D濃度の低下に伴う腸管からのリン吸収の抑制により、血清リン濃度を低下させる。本剤は、FGF23と結合しその過剰な作用を中和することで、血清リン濃度を上昇させる7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17)。

18.2 作用・効果

  1. 18.2.1血清リン濃度上昇作用

本剤は、ウサギへの単回静脈内投与により、血清リン濃度を上昇させた12)。また、成熟及び幼若カニクイザルへの単回静脈内投与、並びに成熟カニクイザルへの単回皮下投与により、血清リン濃度を上昇させた13),14),15),16)。成熟及び幼若カニクイザルへの反復皮下投与により、血清リン濃度を上昇させた17)。

  1. 18.2.2血清1,25(OH)2D濃度上昇作用

本剤は、ウサギへの単回静脈内投与により血清1,25(OH)2D濃度を上昇させた12)。また、成熟及び幼若カニクイザルへの単回静脈内投与、並びに成熟カニクイザルへの単回皮下投与により、血清1,25(OH)2D濃度を上昇させた12),13),14),15),16)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

  2. (1)X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者(成人)

日本人及び韓国人の成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象として本剤0.3、0.6及び1mg/kgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量に比例して増加した1)。

X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者(成人)に本剤を単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差)

投与量
(mg/kg)
被験者数
(日本, 韓国)
tmax
(h)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
0.3 6
(3, 3)
166
(46.5-168)
1.71±0.51 1180±370a) 289±121a)
0.6 5
(3, 2)
167
(165-334)
2.95±0.67 2220±920 315±131
1 7
(4, 3)
166
(93.5-168)
5.19±2.12 3770±1670 336±85

平均値±標準偏差、ただしtmaxは中央値(最小値-最大値)

a)5例(日本人3例及び韓国人2例)

  1. 16.1.2反復投与

  2. (1)X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者(成人)

日本人を含む成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者68例(日本人6例)を対象として本剤1mg/kgを4週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度(平均値±標準偏差)のトラフ値は、初回投与サイクルで3804±1622ng/mL、6回目の投与サイクルで5832±3434ng/mLであった2)。

  1. (2)X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者(小児)

日本人の1~12歳の小児X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者15例を対象として本剤0.8mg/kg(投与開始6週以降、1.2mg/kgに増量可)を2週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度推移は以下のとおりであった3)。

X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者(小児)に本剤を2週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度推移注1)(平均値+標準偏差)

注1)血清中濃度は投与開始後1週時点(tmax付近)、その他の時点では本剤の投与前に測定した。

  1. (3)腫瘍性骨軟化症患者(成人)

日本人及び韓国人の成人腫瘍性骨軟化症患者13例を対象として本剤(開始用量は0.3mg/kg、4週以降は0.1~2mg/kgの範囲で調整し、20週以降は原則として16週時と同一用量)を4週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度推移は以下のとおりであった。なお、20週から44週の投与量の平均値は0.71~0.89mg/kgであった4)。

腫瘍性骨軟化症患者に本剤を4週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度推移注2)(平均値+標準偏差)

注2)血清中濃度は投与開始後1日時点、1及び21週時点(本剤投与後1週時点)、2及び22週時点(本剤投与後2週時点)、その他の時点では本剤の投与前に測定した。

16.2 吸収

  1. 16.2.1バイオアベイラビリティ(外国人データ)

成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象として本剤0.1及び0.3mg/kgを皮下投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは、それぞれ90%及び128%と算出された5)。

16.3 分布

日本人及び韓国人の成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象として本剤0.3~1mg/kgを単回皮下投与したときのみかけの分布容積は107~143mL/kgであり、血管外への分布は限定的であると考えられる1)。

16.4 代謝

本剤はヒトIgG1モノクローナル抗体であり、内因性IgGと同様にペプチド及びアミノ酸に分解されると考えられる。